読了ファイル:中坊公平 『罪なくして罰せず』
<書籍> 中坊公平『罪なくして罰せず』朝日新聞社 1999年 <構成> 第1部「公平」の人生と信念 第2部 忘れ得ぬ裁判と司法の限界 第3部 大蔵省・銀行との壮絶な戦い<感想> 気骨な、そしてつねに不利な立場の人たちの側に立ち、世の中の「公正・公平」さを伝える、本でした。 とりわけ現場でのやり取りは具体性があって読みやすかったです。丸和百貨事件、森永砒素事件、千日ビル火災、香川・豊島事件、住専問題、、、。こうした事件を通じて世の中の「公正さ」をといたこの本は、たいへんな重みがあります。 中坊さんの「公正さ」への思いは、みずからの人生哲学でもありました。 現在の社会では「公正さ」が失われて、ややをもすれば「横暴」さが許容される風潮さえあります。 しかし日本人にとって「尊敬」や「配慮」ということばは尊ばれ、むしろ「横暴」さは否定されてきたはず。 この著書では、それが如実にかかれていました。かなり前の本になりますが、1度は読みたい本です。