我が家で下の写真にある花が咲いた。
ところで,着生植物ってご存じだろうか。
この植物がそうである。といっても植物名は実は知らない。一般的にはエアプランツと呼ばれているが,これにはたくさんの種類があるらしい。
いつもは明るい窓際に置いてある。そう,「置いておく」といった感じで,水をやるわけでもなし,肥料をやるわけでもない。肉や魚の入っていたトレーの上に,ポイッとただ乗っけておくだけである。
勿論植物だから水も肥料も必要だ。だから気が付いたとき,というか気まぐれに,この植物を水の入った食器洗いの器にほんの少しの液体肥料をたらし,ここへ1時間ほどつけておく。この時間だって適当である。こんなことを一年に10回やるかどうか。
そうです。根はないのです。水も養分も葉から吸うのです。
そのうちに尖った葉の先端が赤味を帯びてくる。するといよいよ開花だ。一年に2,3回は咲くのだろうか。今まで適当にやっていたので,花の咲く時期や回数もいい加減にしか記憶にない。筒状の紫の花弁なのか,この中心部から白いめしべと黄色い花粉をつけたおしべが顔をのぞかせる。
この植物は熱帯雨林の樹木に着生,根のようなもので樹木にしがみついて生きている。熱帯雨林では雨がザッと降るので,この水分を葉で吸い取る。仮に雨が降らなくとも,湿度があれば十分。雨にはわずからがら養分も含むから,これでなんとかやりくりする。光は勿論十分にある。こんな生活を自然の中では営んでいる。
根元から小さな子供ができる。要するに分裂で増えることもできるのだ。これは徐々に大きくなり,株分けすれば人にもあげられる。そのままにしておけば何株も集合した大きな株になる。きっと自然の中では種から増えるのは難しいのかもしれない。熱帯では兎に角競争相手が多いのだ。
と,私としてはめずらしい植物のお話でした。