今年7月19日の朝、アノは息をひきとりました。
台風の影響で、前日から雨でとても蒸し暑い日でした。
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アノは、昨年の夏に耳が聞こえなくなり、
秋頃からはほとんどグルーミングしなくなって、
全身毛玉だらけでボサボサ。
食べることだけは執着して、大食いなのに
体重は減るいっぽう・・・。
うちに来た時は3.4kgあったのに、1.2kgまで減り、
それでも私が台所に立つとヨタヨタ歩いてやってきて、
何かもらえるまで私の足元でずっと待っているのは
昔と変わらない行動でした。
年明けからはカリカリが食べられなくなり、
ごはんは缶詰のソフト食にしましたが、
それも間もなく飲み込めなくなり、
ミキサーにかけてペースト食に。
それもスプーンでなくては食べなくなり、
毎日朝夕、私がスプーンで食べさせていました。
そうなってもなお、“爆食”という言葉がぴったりな食べっぷりで、
小さく切ったカツオのお刺身は、丸飲みしていました。
亡くなる2日前まで食べていたんです。
2月下旬からトイレがわからなくなったのか、
廊下や部屋のあちこちにシッコをするようになり、
全室カーペットの我が家は悲惨な『シッコの館』に・・・。
ちょくちょく獣医さんにお世話になり、
精密検査も受けましたが、
腎機能低下以外は特に問題はないし、
腎機能低下もたいしたものではない、という結果でした。
おそらく、アノは10歳にもなってなかったと思うのですが、
難聴に始まり、次々と老化の徴候が出て、
坂道を転がり落ちるように弱っていき、
まるで「正しい老化」の見本のようでしたが、
寝たきりにもならず、最後まで自分の足で歩いたし、
本当に頑張って生き抜きました。
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アノは、その日リビングで一人寝ていましたが、
明け方4時過ぎ頃、最後の力を振り絞って
私の枕元まで歩いて来て、ベッドに飛び乗ろうとして失敗。
そのずり落ちた音で私は目が覚めました。
その後、浴室に行くというので私もついて行き、
多少ひんやりとする浴室の床に横たわり、
呼吸が苦しそうに数秒おきに寝返りをうっていました。
かかりつけの病院の開始時間を待って、
雨の中を車で向かいました。
車に乗り込んだときは、まだひーひー呼吸していましたが、
やがてしーんと静まりかえり、
病院で死亡を確認してもらいました。
「 アニー 」
私たち夫婦は、いつもアノをそう呼んでいました。
食べることにしか興味がなく、
ほとんど甘えてこなかったけど、
そのKYぶりにはよく笑わせてもらったし、
ふわふわの毛並みには癒されました。
本当に可愛くて、猫らしい子でした。
アニーとは10年以上は一緒に暮らせると思っていたのに。
でも、またきっと、どこかで会おうね。
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