テーマ:今日の健康状態は?(10608)
カテゴリ:パソピア通信
高齢者で必要な栄養を摂取できていない「低栄養」の人が増えている。 低栄養が進むと、筋肉、骨の衰えや免疫力の低下、さらに認知症をも招きかねない。
かむ力や消化機能が衰えがちな上に、あっさりとした食事を好み肉類などのタンパク質も不足しやすい。 低栄養は知らず知らずのうちに健康をむしばんでいくので注意が必要だ。
高齢者こそ しっかり栄養
東京都健康長寿医療センター研究所によると、高齢者の低栄養とは、 小食でタンパク質、炭水化物、脂肪、鉄分などが不足し、 カルシウム、ビタミン類なども不十分な状態を言う。
重症化すると、介護が必要になり、脳卒中につながるほか、死亡する場合もある。 さらに低栄養の怖さは、気付かないうちに進行するのだ。
「高齢期を迎えたら、栄養についての認識を変えた方がいい。
メタボよりフレィル(心身の衰弱)や、サルコぺニア(筋肉と筋力の低下)に気を付けて食生活を組み立て直すことが重要」
具体的には「肉、魚介類といった動物性タンパク質、野菜、大豆製品などを毎日、偏りなく食べることが望ましい」 中でも、筋肉、臓器、を形成するタンパク質は重要だ。
主食としてご飯などの炭水化物、 主菜として肉や魚などのタンパク質、 副菜として野菜などのビタミンやミネラル、 食物繊維を取るのが、バランスが良い食事と言える。
低栄養に陥りやすいのは、独居や夫婦だけの世帯だ。 自治体などが開く料理教室に参加し、偏らない献立を学ぶことも予防につながる。
65歳以上 2割が低栄養
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(2015年)によると、65歳以上の高齢者の2割近くが低栄養傾向とされる。 低栄養かどうかを判断する目安に使われるのが、体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った体格指数(BMI)だ。
一般的にBMIが18.5未満は低栄養と言われる。 平均的な体格の人なら半年以内に体重が約3キロ以上減った場合も可能性が高い。
タンパク質の過不足は血液の中を流れる血清アルブミンの値に表れるため同値も低栄養を判断する指数となる。 血液100ミリリットル中に含まれる量が3.5グラム以下の場合、低栄養といえる。 低栄養の認知度はまだ低い。
調査会社のトレンド総研が昨年八月、高齢者(70歳以上の男女300人)とその家族(40~60代の女性300人)を対象に実施した調査によると
70歳以上の高齢者で低栄養が21% 70歳を過ぎてから食事の量が減ったという人が76%に達し 食事において粗食を心がけている人が44%いた。
必要な栄養素を取らず、低栄養に陥るリスクがあることを裏付けている。
粗食は筋力低下、認知症の恐れ
「最近、食欲はどうですか?」 「あるよ、1リットル入りパックの牛乳が1日でなくなる。」 1月下旬。神奈川県大和市健康づくり推進課の管理栄養士、湯野真理子さんは、同市に住む水流勝男さん(85)宅を訪れた。 水流さんは2年前に呼吸器系の病気で入院。 50キロを超えていた体重が44キロまで減った。 低栄養の状態だったため、退院後、管理栄養士の戸別訪問による栄養指導を受け、 「なるべく肉を食べるようにして」 水流さんは体重を50キロまでに回復、毎日散歩するので食欲がわき、お腹がちょっとでたとか。
※ 以上、日本経済新聞 2017/2/1 より引用
2017年4月 発行 編集:元気なスキーヤー
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