テーマ:暮らしを楽しむ(387480)
カテゴリ:パソピア通信
晩秋の十一月、その日の朝も いつものように朝食の用意。 ところが運ぶお皿も茶碗も手から滑り落ちて割ってしまった。 ファックスで送信する予定の書類があったのだが、右手指が思うように動かない。 左の手書きで何とか仕上げたけれど、声もかすれてうまく出ない。 痛みはなかったが「今朝は集合体操休むわ、ちょっと変だね」と夫に言う。 その夜の講演会に一緒に行く友人の入場券を預かっていたので、体操で家の前を通る彼女に渡そうと呼び止めたら 「あんた、その症状は脳梗塞だよ。一刻も早く救急車頼みな」 と、民生委員の彼女はすぐ気づいてくれた。 お陰で夫が救急車を手配し、総合病院に搬送してもらう。 脳外科での診断と検査の結果は 脳梗塞・心原性脳塞栓症。 右半身運動障害と言語障害があり、入院。 点滴・内服治療・療法士による治療という説明があり、落ち着くとショックだった。 右手指が動かず、声が出ない。 顔の右のほうれい線が、左と比べて平らに近い。 主治医は朝夕の巡回、リハビリは理学療法・作業療法・言語聴覚療法の三人が付くとのこと。 主治医からの 「退院したら、どんな生活がしたいですか?」 との問いに、とっさに 「車が無ければ生活できません。はっきり言葉が出るようになり、ボランティア活動も出来るようになりたいです」と、たどたどしく言った。 今まで何回か入院経験はあったが、こんなふうに先生から問い掛けされたのは初めてで、しっかりとした体制の中で治療を進めていただけることで自分の目標も立てられ、安心でき、本当に嬉しかった。 看護師は毎朝、必ず「おはようございます。お名前は? 今日は何月何日ですか?ここはどこですか?」と、確認と処置をし、テキパキと動いてくださる。 最初は、流動食をスプーンとお箸で。 よだれが出てこぼしても「上手に左手を使ってますね」と回ってきた療法士さん。 「私、左利きなんです」 「両方うまく使ってくださいね」。 日中は、喋る代わりに左手でも打っていたスマホを、極力右手で打つようにした。 夫宛に話しをする代りに、メールを出来るだけ細かいことまで打つ。 ゆっくりから、はっきり発語になるまで、言語療法士から口唇・舌の動かし方・口の筋力トレーニング・早口言葉・短文の読み・巻き笛・ゴム風船・舌圧子トレなど図解や実物で練習する。 これもリハビリグッズ 宿題・作業療法では指先の訓練にと、洗濯ばさみをボール紙に挟む練習、数独パズル・クロスワードパズルや、ベッドで出来る運動療法など、三人三様の療法士と主治医の素晴らしい連携には、ただただ感謝。 入院中には車運転のシュミレーションもしていただけた。 家族をはじめ、外部からの面会謝絶の二週間は、思わぬ病院生活を経験したが、ゆっくりと、心置きなく退院できた。 2023年2月発行 編集:ひまわり おまけ 早口言葉です。ご一緒にどうぞ~ ジャズシャンソン歌手 生麦生米生卵 老若男女 赤パジャマ青パジャマ黄パジャマ 青巻紙赤巻紙黄巻紙 除雪車除雪作業中 隣の客はよく柿食う客だ この釘は引き抜きにくい釘だ 不幸な夫婦は古い服 地味な爺やの自慢の地酒 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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