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カテゴリ:思いで
両側に萱がおいしげった道は真っ白だった。
まっすぐな道がカーブするあたりを、リヤカーをひいた両親が小さく見えた。私はありったけの声で泣き叫んでいた。両親の姿が見えなくなって、やっとあきらめて泣きながら家に帰った。 あそこはどこだったんだろう? 私は何歳だったんだろう? なぜ、毎日泣いていたんだろう? しばらく忘れていたのに、このごろまた思い出し考えてみた。 あそこは、家の横を流れていた堀に沿った道。 私が小さいころ、両親は野菜を行商していたが、父が脳梗塞で倒れやめた。 それも大きくなって人づてに聞いたものなので記憶には無い。 そうすると、小学校に入る前の話だ。 おそらく、行商にでる両親の物音で目を覚まし、寝巻きのままで道路まで泣きながら追いかけたのだろう。私の泣き虫の原点がここだったのかも知れない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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