ビストロボーテでランチ
初代エキュレのシェフだった後藤氏がアロマフレスカグループをバックにオープンしたフレンチがあると聞いて早速ビストロボーテ(港区西麻布4-10-3 1F 03-3409-1331)を利用してみた。場所はキャーヴ・ド・ひらまつの近くで昔のコリーダの跡(コリーダの後に月川蘇豊事務所の上海百貨店と言う店だった時期もあるらしい)だった。庭があってテラス席もあって、回転ドアも重厚で箱のクオリティは高い。コリーダをEricさんが気に入っていただけのことはある。コリーダ時代とは内装も変わったのだろうが落ち着いた感じ。ただ、オープンして1ヶ月以上経っているのだが、今日のランチタイムは私以外客がいなかった。ランチは2500円で、前菜もメインもデザートも5種類から選ぶことが出来る。私は前菜は前菜5種盛り合せ、メインはイサキとラタトゥーユのロール仕立て、デザートは、トロピカルブランマンジェを選択した。まずは、パンが運ばれて来た。ちゃんと温めてあって、数種類。おかわりも出来るらしい(私はしなかったけれど)。前菜5種類盛り合せが運ばれて来た。5種類は、人参サラダ(カリッシマのミックスサラダのような味の人参サラダで、しっかりした味わいで美味しい)、新玉ねぎの冷製スープ(これも上品な味わいで美味しい)、パテドカンパーニュ(しっかりした味わい。ちゃんとしている。旨い)、エスカルゴ(オーソドックスな美味しさ)、フォアグラ(周りにキャラメリゼしたパウダーがまぶしてある。それほど脂っこくなく、フォアグラの旨みはしっかり。美味しいフォアグラ料理だった)。この5種の前菜盛り合せはかなり出来が良い。続いてメインのイサキとラタトゥーユのロール仕立て。まるで春巻きのようなルックスで、下にはキャベツを炒めたもの、周りには火を入れたトマトが彩を添えている。このロール仕立てを食べてみると、センターのラタトゥイユもしっかり作られているし、イサキと更にパイ生地でロールして焼いてあって、食べてみると何だかロトロというピッツアを丸めた物のよう。美味しいんだが、舌がピッツアを思い出してしまって、その先入観から離れられず、イサキの味を感じられなかった。私がフレンチのメインで魚を選択するケースは、1.海の近くで、地物の魚が手軽に入る環境のレストランで食べている場合、2.食べたい肉料理がなかった時に消去法で選択する場合、3.暑くてサッパリした料理にしたかった場合、4.フレンチが食べたいと思っていた訳ではないが人に誘われてフレンチに来た場合位で、1の場合以外あまり積極的にメインで魚料理を選ぶことはない。それは、原価的にも寿司屋で食べる魚ほど上質の魚が使えないことを知っているからだ。今回、魚料理を選んだのは、3番目の理由だったのだが、その趣旨からすると、今回のイサキとラタトゥーユのロール仕立てには、もっと酸味の要素が欲しかったし、少なくともイサキを覆っているパイ生地が余計だったように思う。若いシェフだとなかなかこの感覚はわかってもらえないかもしれないが。そしてデザートのトロピカルブランマンジェ。ブランマンジェにマンゴーのババロア、パッションフルーツや、ナタデココが散りばめられ、泡でまとめている。パッションフルーツがとても良いアクセントになっているし、これがすっごく美味しい。とっても良い出来だった。ドリンクでは紅茶をお願いした。小菓子では、ピンクグレープフルーツにオレンジのジュレ(これも旨い)と焼き立てのフィナンシェ(熱々で美味しい)。サービスは、フレンドリーで良かったし、雰囲気も良い。料理も、とりわけ前菜、デザートは素晴らしいし、なかなか良い店だった。食べ終えて、帰る際に、シェフがお見送りをしてくれたのだが、チャキチャキした感じの女性だった。前菜のスープやフォアグラの料理でそうかなと思ったのだが、やはりロブション出身だそうだ。今日はガラガラだったが、是非、頑張って欲しいと思うし、デートには最適な雰囲気の穴場だと思う。B4Fにご招待Giltにご招待