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先日、芸能人入国制限のデモについて詳しくレポートしました。
街中で見かけるフィリピン人女性たちの抱える問題に、少しでも興味を持ってくれれば嬉しいと思います。 さて、このデモを通じて「日本とフィリピン」の関係について思うところがあったので、書きとめておきました。あまりにも僕の心に重たく残ったことだったので。 <冷めていく日本への憧れ> 「頻繁にデモが行われていますが、何か対応するのですか?」 遠くから現場を見つめていた日本大使館職員の方にも質問を投げかけてみたところ、 「うーん、僕らはノータッチ。特に相手にはしないよ」との返事。 もっと参加者に日本の意向を伝えるのかと思いきや意外にそっけなかった。 午後5時から始まったデモだが、8時ごろには大使館職員も帰宅してしまったようだ。 門から出てきた黒塗りの職員の車が現場から立ち去るのを見てメラニーは「一生懸命やっているのに、大使館の人、帰っちゃった。こんな事やっても無理だってわかってるけど・・・悲しいね」。そうつぶやいていた。 東京などで4回ほど働いたことのある25歳の女の子。「日本にも友達が一杯いるよ」という彼女だが、彼女の中の日本観が冷めていったことは間違いないだろう。 日本を目指しダンススクールに通い中のピンキー(21)も「好きな国だったけど、日本はダウンしたね」と辛口の一言。「日本に対する評価が下がった」と言いたかったようだ。 確かに大使館職員といえども、政策に大きく関与できないことはわかる。逐一、デモに対応もしていられないだろう。でも現場の声を第一線で聞き、少しでも日本政府に伝えていくのが彼らの務めではないのだろうか?現状を一番理解しているのは、日本で政策を決める役人ではなく、フィリピンに住み、フィリピン人と共に働く彼らなのだから。 「日比友好の窓口」と名乗るなら、もう少し理解を示して欲しい。 フィリピンに住んでいて感じるのは、日本人に対する印象の良さだ。もちろん‘経済的な援助’や‘普及している日本製品’の影響もあるが、「日本人は親切だから」という声まで聞かれるほどだ。 僕は幾度となくそんな彼らに温かく迎えられ、助けられてきた。お金もないのに、おごってくれたり、迷惑な顔ひとつしないで泊めてくれたり・・・。数えたらきりがない。 そんなフィリピンに滞在して僕は、嬉しいような、恥ずかしいような気持ちになると同時に、「自分ももっと彼らに対して親切に接しよう」と心がけるようになっていった。日本に対する信頼を裏切らないためにも。 きっとこんな風に思った日本人は僕だけではないだろう。 そんな中での、彼女の言葉・・。 「この日本の対応はフィリピンの経済だけではなく、彼らの「日本に対する信頼感」にも影響を及ぼすだろうな」。僕はそう感じずにはいられなかった。 デモ集会の演説で意外にも、僕は「日本からの応援者」として紹介され、拍手まで頂いた。「ありがとね」とお礼を言ってくれる‘じゃぱゆき’の彼女たち。でも僕は素直に受け入れられなかった。「日本はダウンしてしまったね」という一言が心に重く響き、後ろめたい気持ちで一杯だったのだ。「ごめんね。頑張ってね」としか言ってあげられない自分が悔しくてたまらない。 重い気分で岐路に着いたが、友達になったピンキーが寮の近くまで送ってくれた。 「また遊ぼうね」と将来の不安を物ともせず、陽気に接してくる彼女。 またフィリピン人の底抜けの明るさに助けられた僕だった。<終> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 1, 2005 11:53:33 AM
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