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カテゴリ:フィリピンを知る
質問です。
「外出時にあなたは急にお腹が痛くなり、トイレに行きたくなってしまいました。やっとの思いで見つけたトイレでしたが、中に入ってビックリ!その便器には、なんと洋式タイプなのに便座カバーがついていませんでした・・・。さて、あなたはこのトイレをどう使いますか?」 1.そのまま座って用をたす 2.お尻を浮かせて用をたす 3.カエルのように縁にしゃがんで用をたす 4.あきらめて我慢する 5.その他 いきなり変な質問をして、すいません。でもこれはフィリピンに来た人なら誰でも一度は現実に遭遇する状況なんです。 フィリピンのトイレは少し変わっています。特に地方に行くと目にするのですが、下の写真のような‘便座のない洋式型トイレ’が本当に存在するのです。しかも便座が壊れてしまっただけならまだしも、そもそも便器に便座を取り付けるための器具がついていないものさえあるのです。とにかく不思議です。 これがフィリピンの典型的なトイレの形、‘便座なし洋式トイレ’!! 普通の感覚なら、便座のないこのようなトイレに直接座る気にはなれません。たぶん大抵の日本人の選択肢としては、「お尻を浮かせながらする(以後、空気イス型と表記)」か、「便器の縁に足を乗せて、しゃがんで使用する(以後、カエル型と表記)」の2つだと思います。どちらを選ぶかは好みだとは思いますが、両者ともかなり不安定な姿勢です。しかも便器自体が小さく神経を使うため、慣れるまでは落ち着いて用をたすのは難しいでしょう。 日本人にとって馴染みのない型のトイレを前にして誰しも疑問に思うのが、‘フィリピン人の使用方法’と‘普及した理由’ではないでしょうか。これを解決すべく今回は調査してみました。 今回は使用法についてです。 <正しい‘フィリピン流’トイレの使用法> 参考のため、何人かの日本人留学生にも同じ質問をしてみました。 結果は予想通り。大多数が「空気イス型」で用をたしているようでした。その理由としては、「便座が濡れている場合が多く、カエル式型のように便器に足をのせると滑って危険だから」という声が多く聞かれました。確かにフィリピンのトイレはバケツの水を汲んで押し流す‘手動水洗式’がほとんどなので、便器周りは濡れています。下手をすれば、穴に足がはまってしまう危険があるのです。彼らは快適さよりリスクの少ない方を選んでいるようです。日本人の中には「外ではトイレを絶対使用しない」というツワモノの男の子もいましたが・・・。 しかし、フィリピン人たちに尋ねるとデータは全く異なりました。 自宅のトイレなど、掃除が行き届きキレイなトイレなら、‘そのまま座ってする’。外出先など、衛生的に汚いと感じるトイレなら、‘カエル型で用をたす’という人が多いようです。 最初にこの手のトイレを前にして、踏みとどまるのはフィリピン人も同じのようです。キレイな場合は直接座ってしまうというのは驚きですが・・・。 さて、このアンケート結果でわかったことは、‘カエル型がフィリピントイレの正しい使い方’であり、日本人の多くは使用法を誤っているということでした。 フィリピンのショッピングモールのトイレには、2~3人の清掃係りが常駐しています。「そんなに掃除する必要があるのか?」といつも疑問を抱いていたのですが、この調査によって少し謎が解けました。きっと多くのフィリピン人たちが便器に足をかけるため、すぐに泥などで汚れてしまいやすいんですね。いつも気持ちよくトイレを使用できるのは、彼らがきれいにしてくれているからなんでしょう。感謝です。 補足ですが、フィリピン人に対し「日本人の多くはお尻を浮かせてする」と話すと、大ウケされました。「そんな体勢では用をたすのが大変だ」というのです。「日本人の多くは、カエル型は危ないから避けている」という理由を話すと、こう指摘してきました。 「私の弟はカエル式で座っていた時に便器が壊れ、ケガをする寸前だったわ。確かに用心しないとね」。 僕は「便器が濡れており、滑る可能性があって危ない」と言いたかったのですが、意外にも彼らの中には‘便器そのもの’が壊れることを注意して使っていることまでわかりました。そんな予想外の危険性も孕んでいるんですね。でもこの国ならあり得るかも。 この話を聞くと、「滑らないか、壊れないか・・・」と幾重にも心配して用をたすくらいなら、日本人のように空気イス型でする方が、気は楽かもしれません・・・。<続く> 次回は「フィリピンのトイレ進化論」についてレポートします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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