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カテゴリ:摩訶不思議フィリピン!
フィリピンに存在する‘便座なし洋式トイレ’の謎に迫るレポート。
今回はその第2の疑問である「奇妙なトイレが普及した経緯」を探っていきます。 <フィリピントイレの進化論> 第2の疑問である「この奇妙なタイプのトイレが普及した理由」については、なかなか確かな情報が得られず苦戦しました。 フィリピンに大きなマーケットシェアを持つと見られるAmerican Standard社 (アメリカに本社をおく、日本のTOTOやINAXのような陶器メーカー)にトイレの進化史についてEメールで問い合わせてみましたが、返信もなく途方にくれていました。 しかし先日、偶然にも友人にトイレの疑問を持ちかけた際、彼女から有力な情報を得ることが出来ました。友人いわく「フィリピン人が話していた情報なので、それなりに確証はあると思います」とのこと。まとめると以下のようになりました。 「戦後、元来の地面に穴を掘っただけのトイレに替わり、洋式のトイレがフィリピン各地でも普及するようになった」 ここまでは日本も同じく‘和式タイプ’だったので理解できるでしょう。これ以降がフィリピン特有です。 「‘ある事情’によりフィリピン人は、以前のトイレと同じように‘カエル式’に便器に飛び乗り使ったため、便座カバーが壊れてしまった。修理してもまた‘ある事情’により、彼らは上に乗ってしまい壊れてしまう。これが繰り返されたためトイレの管理者は諦め、壊れたまま放置するようになり、今の便座なしのトイレの形になった」 そして最も重要なポイントである、その‘ある事情’というのが、用をたした後の処理と関係しているという事でした。 紙が貴重品であるフィリピンでは、紙を使わず、水で洗い流す人が多かったということ。そのため‘洋式トイレに普通に座ってしまっては、水洗いがしにくく不便’なのでした。 その結果カエル式のまま座るようになったというのです。 確かにこの説には妙に納得してしまいました。昔に限らず、今でも紙を使わない人はいるようです。 また一般にフィリピンのトイレは、トイレットペーパーが流せるように下水が整備されていないため、紙を使ってもゴミ箱に捨てなければならないことも多いのです。そのような技術的な理由も便座なしトイレの普及に少なからず影響があったのかもしれません。 さていろいろ調べてみきましたが、やはりフィリピンの‘便座なしの洋式’トイレは世界でも極めて使いにくい型であろうこと否めないと思います。 紙を使えない事情があるならば、昔の形のほうが絶対に便利なはず。あえて‘洋式’という外来の型を選び続け、独自のトイレを作った彼らは、もともと旧宗主国のものだった‘英語’や‘キリスト教’を受け入れ、自分たちのものにしてきた国民性と似たものが働いているとさえ感じてきました。 フィリピン全土に頑固に根付くこのトイレは、英語やキリスト教と並ぶフィリピン人のアイデンティティーの1つなのかもしれません。<終わり> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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