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テーマ:旬・シュン・しゅん♪(3076)
カテゴリ:食物ネタ
スーパーの店頭に色鮮やかなさくらんぼが並んでいた。 ちょっと前までは極少量パックでも高価なものだったが、 量もけっこう入っていて398円だった。 しかも。 プライスカードに 山形県 佐藤錦 とある。 山形の佐藤錦といったら、 一粒何千円の世界の超高級品と聞いたことがある。 それが、こんなにたくさんパックに入って398円? 隣に積まれたアメリカンチェリーに後ろ髪を引かれる旦那ちゃんをおしのけて、 Tommyは佐藤錦のパックを手にした。 ↑ついでに まちがいさがし も やってみてね↓ 帰宅後すぐに一粒試食をしたが、 ビジュアルの美しさの割にはあまり味がしない。 「佐藤錦は佐藤錦でもB級なんじゃないの?」 と旦那ちゃんが言った。 「だから、アメリカンにしとけば良かったのに…。」 それは聞こえなかったことにして。 次の日。 たまたまかも知れないけど、その日食べた粒の方が甘かった。 「メロンとかみたいに置いておくと熟すみたいよ?」 旦那ちゃんは騙されたと思って食べてみた。 「変わらないよ。やっぱりB級だったんだ。だから安いんだよ。」 そして昨日の夜。 「もう、食べないと悪くなっちゃうよ。」 旦那ちゃんが寝しなにサクランボを洗って、ボウルに入れて持ってきた。 ベッドに横になって、テレビを見ながらつまむ。 Tommyは誕生祝のケーキをご馳走になって腹一杯だったので、 さくらんぼには見向きもせず、テレビだけ見ていた。 ちーん。 ち、ちーん。 ちーん。 背後からボウルに種をはき出す音がする。 振り向くと肘まくらで横になってテレビを見てる旦那ちゃんが 「食べる?」 と、種と軸も一緒ごたになったボウルを差し出した。 なにげに一つつまみ、種をボウルにはき出す。 ちーん。 旦那ちゃんもまた新たな一粒を口に放り込み、 ちーん。 ボウルを挟んで向かい合わせに目が合った。 「…ね、俺、すごくやりたいんだけど…。」 さすが、日は浅くても夫婦。である。 今、同時に同じ事を考えていた。 Tommy「いいよ。やりなよ。」 旦那ちゃん「いいの?ちょっとマズイかなって遠慮してたんだけどさ。」 Tommy「いいよ。私もやりたいから。ほら。」 旦那ちゃんの顔にボウルをむけた。 旦那ちゃん「いくよっ!」 Tommy「はいよっ!」 ぶっ! ぽとっ。 種は虚しく、ボウルの20cmくらい手前のシーツの上に落ちた。 旦那ちゃん「うわっ。やっぱダメかぁ。ちょっと自信あったんだけど。」 Tommy「じゃ、もっと近くで受け止めてあげるから。」 旦那ちゃん「よし、行くよ!」 Tommy「はいよ!」 ぶっ! ぽとっ。 旦那ちゃん「はぁ~、やっぱダメかぁ。ちょっと悔しいなぁ。」 Tommy「じゃ、あたし、やる」 旦那ちゃん「おう!こい!」 最後の一つを口に放り込み、念入りに種を選別し、唇に力を込めた。 ぷっ!!!! ち~ん! 種は華麗な軌跡を描き、ボウル目がけて飛んでいった。 「やった!やったぁ~!!!」 おバカな夫婦の歓声の響く中、大盛りあがりで夜は更けていった。 スイカのシーズン到来が楽しみである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 23, 2006 11:10:29 AM
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