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June 24, 2006
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カテゴリ:鳥ネタ

今日は真面目な話です。

黒い影が素早く上空をよぎった。

ツバメだ。

ツバメは可憐な身のこなしで、近くの民家の軒下のマイホームへ滑り込んだ。
親鳥は雛たちのために懸命に餌を運ぶ。
一日何往復しているのだろう。
雛たちの為に、まさに身を粉にして餌を運ぶツバメの夫婦。
夫婦が一丸とり、協力し合って家庭を築いているんだなぁ、って思うと
小さなツバメ夫婦の健気さに思わず感動させられるけど。
…実は。騙されちゃいけない。(騙すつもりもないでしょうが)
あの巣の中の雛全員が、餌を運んでいるツバメ夫婦の実子か、
という話になると実に怪しいらしい。

自分の巣に万一の事があったことを考えて、
ツバメの雄は亭主が留守中の余所の巣の雌と交尾して、
自分の遺伝子を余所の巣にも残そうとするらしいのだ。
雌は雌で、自分のパートナーより優秀そうな雄がやってくると、
より優秀な子孫を残そうと、受け入れてしまうらしい。
そして本当に自分達の雛だか解らない雛を、夫婦で育てるのだ。
種の保存のためには実に合理的なことなのだが、
もしも人間に置き換えたなら、と考えると複雑なものがある。

ちなみにツバメの雌はパートナーを選ぶとき、
何を基準にするかという話を聞いたことがある。
燕尾服、という服があるくらいで、
ツバメのその長い尾羽はトレードマークである。
その尾羽が立派で長い雄ほど、ツバメ界ではイケメンらしいのだ。

とある教育番組の中の実験で、偉い学者の人がツバメの尾羽をハサミで切っていた。
哀れにも不格好になったその雄ツバメは、雌に見向きもされなくなった。

しかし、ツバメの雌が皆ロン毛好きなわけではなく、
ツバメに付きやすい寄生虫がいて、
寄生されたツバメの尾羽は蝕まれて短くなってしまうのだそうだ。
つまりツバメの雌は雄の尾羽の長さで健康状態をはかっているらしい。

鳥の求愛の仕方は種類によって様々だ。
なわばりだったり、餌をプレゼントしたり、立派な巣を作ってみせたり、
美しい羽色だったり、歌声だったり、踊ってみせる鳥もいる。

一夫一婦制で生涯添い遂げる鳥もいれば、
毎年繁殖期にパートナーを変える鳥もいる。
雄雌協力して子育てする鳥もいれば、雌に卵をおしつけて丸投げの鳥もいる。
なかにはカッコウのように他人(鳥)に自分の雛を育てさせる鳥もいる。

なんだか、人間もあまり変わりないような気がする。

何気ないツバメの巣の発見で、夫婦のありかたを考えさせられてしまった。






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Last updated  June 24, 2006 08:39:14 PM
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