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テーマ:こわーいお話(348)
カテゴリ:ひまつぶし
そこで。 mikijaさんからリクエストもいただいたので、今日はこわい話など。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ もう10年以上も前の話なんですがね。(稲川淳二 風?) 当時通ってた専門学校の級友と、車で取材に行ったんですわ。 その時、ちょっと「寒い目」にあったんで、今日はそのお話を…。 自分には霊感がある自覚とか、まったくないわけですよ。 それまでは、幽霊を見たり、金縛りにあったりとかいう怪奇現象になんぞ 一切出くわす機会などないまま育ってきたんですから。 でもね、そのスジに詳しい友人から聞いた話によると、 「気が付いてないだけ」ってケースもあるんですって。 だからいわゆる「霊感の強い」人と一緒にいると、 普段見えない人でも見えちゃったりするんですって。 その時は、いわゆる「見えちゃう人」と一緒だったんですわ。 夜景の写真が撮りたかったんでね、その友人と夜待ち合わせして流してたんですよ。 ちょっと郊外まで車を走らせてね、トンネルがあったんです。 (どこかは覚えてないんですよね。もう二度と行きたくないですから。) 片側一車線ずつで真ん中は壁で仕切られてるタイプの小さなトンネルでしてね。 非常扉はあったでしょうが、対向車・対向車線は見えないんですよ。 夜中ということもあって、交通量は少なかったですね。 トンネルの中では時速40km/hは出ていたでしょう。 運転は車を出してくれた友人に任せて、 私はいつでも写真が撮れるようにカメラをもって助手席にいたんです。 トンネルに入ったから、暫くシャッターチャンスはないと思って、 ボンネットの上にオレンジ色のトンネルのライトが流れて行くのをなに気なく見てました。 2/3くらいまできたころにね、走る車のボンネットの上に小さな猫が飛び乗ってきたんですよ。 あまりにハッキリ見えたんで、かえって自分の目を疑いましたよ。 まるで、停車している車のボンネットにあがるみたいに、ゆったりと、しなやかな動作でね。 茶色いトラ猫でした。 ちょうどボンネットの中央部分に飛び乗ってきて、 長い尻尾をピンと立てて、ゆっくり5歩くらい歩いて、右側のフェンダーの方に飛び降りました。 風にあおられていないのも不思議だし、走行中の車に飛び乗れるはずがないじゃないですか。 何よりおかしいのは、その大きさですよ。 前足や尻尾、頭と身体の比率はどうみても大人の猫なのに、サイズは仔猫なんです。 さすがに鈍感な私も、その時は「ヤバイな」と思いましたね。 「ね、今さぁ…。」 思わず、運転してる友人に問いかけましたよ。 「言うな。お、俺は、な、何も見てないぞ。」 かなり、ビビっている様子。 「こーゆー時は、気にしちゃいけないんだ。」 そっか。やっぱ、見えていたんですね。そりゃそうです。 私にあんなにハッキリ見えたんだから、彼に見えないハズがないですよ。 カーステレオのボリュームをあげて、努めて明るくしながら、気にしないようにしてました。 その後、無事撮影をすませた我々は、帰路に付いたんですがね。 あの問題のトンネルを通らなけりゃ、帰れないわけですよ。 「やだなぁ。仕方ないか。」 トンネルの前で友人が小さくつぶやいたんですよ。 で、仕方ないから減速してトンネルに突入したわけで。 1/3くらいでブレーキ踏んだんですね。 減速して、何か除けるようにハンドルを切ったから、 私もドアミラーで障害物を確認したんですわ。 猫がひかれてたんですね。 茶色いトラ猫でね。 顔は見えなかったんですが、長いしっぽは確認できましたよ。 ちゃんと普通のサイズの亡骸でした。 「さっきの、あれだろ?」 その時の友人のしぶい表情、今でも忘れられないですね。 「うん。あたしも見えちゃった。」 「ちょうど、あの壁の向こうだったもんな。」 そうなんです。 向こう側から2/3ってーことは、対向車線のこちら側は1/3くらいなんですね。 友人はよくそういうめに合ってたらしくてね、ピンと来たんでしょうね。 その話はそれきり忘れたフリして帰りましたよ。 行きのトンネルで見た小さな猫は「実体のないもの」って解ってたから、 友人はブレーキを踏まなかったんですね。 いやあ、寒かったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 29, 2006 01:07:20 PM
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