その日の気分　Vol 2

おかしい・・・

直感的にそう思った

部屋にいくとベットの上でうつろな目をしている・・・

「ご飯は？」
「いらない・・・」
「どうした？」
「もう頑張れないよ・・いっぱいやることあるのに・・・」
「頑張らなくていいよ・・・」

季節の変わり目・・・シーズンオフ・・・
嫌な予感はあったけど、なんとか乗り切って欲しいと思っていた
でも・・・ちょっと無理だったみたい・・・

「頑張らなくていいよ。少し休もう」
「お母さん、ごめんなさい・・・」
「頑張りすぎたんだね・・・疲れているんだよ。休もうね・・」

自分よりも大きくなった我が子が腕の中で声を上げて泣いている。
私はただ強く抱きしめるしかできなかった。

「ねぇ～・・・姉ちゃんの思うように側には居てあげられないけど、ココロはね、
いつも側にいるよ。お父さんだって大将だってチビだって・・・だからね・・・いいんだよ。」

今シーズンは彼女なりに頑張ったと思う
インカレも上位入賞を果たした。大会で優勝も経験した。
バイトもした。もちろん大学にも通った・・・・
彼女の実力以上のことを成し遂げたと親ばかな私は思ってる。

「ねぇ～・・頑張りすぎたらまたココロが風邪引いちゃうよ。風邪引きやすい体質なんだからね。いっぱい頑張れたんだから、少し休もう。頑張らなくていいよ。」

本来なら・・・自分でハードルを越えるのが普通
それが出来る強さを持つ前に、壊れてしまったココロ・・・

抱きしめた腕の中で泣けるようになった
「頑張れない」って言えるようになった・・・

何度も

「ごめんなさい」

を繰り返す我が子を抱きしめながら、私も泣けてきた。
守りきれなかった自分が情けないと思った。
あの時・・・壊れる前に気が付いてやれたら・・・
こんな辛い思いをさせなくて良かったのに・・・

いつもは・・・忘れてしまってるけれど・・・・
つらさも寂しさも代わってあげられたらいいのに・・・・

会議から戻ったら、少しだけ笑顔を見せてる姉ちゃんになっていました。

「お母さん、ちゃんと食べたよ」
「そうかそうか・・・」

抱きしめることしか出来ない自分を情けないと思いつつ
少し笑顔の戻った娘の成長を感じた。

ココロはいつも側にいるよ・・・
辛いときには抱きしめてあげるよ・・・