|
テーマ:お勧めの本(7395)
カテゴリ:本とマンガと映像と♪
作者自身が「美しいと思ったものを集めた作品」と言い切るように、 舞台となる情景も登場人物の心根も、そして読後感までもが美しい物語です。 一気読みタイプの私にしては珍しく、大事にゆっくり読みました。 呪術者に操られる「使い魔」として生きる霊狐の野火。 人の思いを聞き取ってしまう「聞き耳」のチカラを亡き母から受け継いでしまった小夜。 そして、森陰のお屋敷に幽閉されている小春丸。 彼等はそれぞれにまだ自分というものをわからない幼い頃に出会います。 そして、時は移り、隣り合う二つの国の過去の因縁と呪いの渦に巻き込まれていくのです。 何がすごいって・・・・・・一つ一つの情景の美しさがすごいのなんの!! イメージが色鮮やかに映像として浮かんでくるの。 それも日本人にしかわからないんじゃないかって思えるようなワビ・サビの美しさです。 風が吹き渡る夕暮れの野で出会う野火と小夜。 その冒頭シーンすらも、状況はとてもスリリングなんだけど、美しいと感じます。 彼女の作品が児童文学に位置づけられてるのを、私は少し不満に感じていたんだけど 感受性の柔らかな子供時代にこそ、美しい文章ってのは必要なのかもしれない・・・ そう考えると、この本はまさに子供達に読んで欲しいって思えます。 ラストシーンは賛否両論みたいなんですが、 映像として一番残したいと思うシーンであるということは間違いないです。 ペンタブで描いてみようかとも思いましたが、 イメージの美しさに私の技術が追いつかないことは目に見えてますし(笑) なによりもネタバレになってしまうのでやめておきます。 「うわっ。まさか、こうくるとは・・・」 って、私もちょっとビックリしたラストでした。 ところで・・・・・。 たまたま見ていた午前中のNHKの番組に、 この本の作者である上橋菜穂子さんご本人が登場してました。 優しそうな風貌で、アンパンマンに出てくる「ジャムおじさんみたいだわ」 って思ったんだけど、これってホメ言葉にはならないのかしらん お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本とマンガと映像と♪] カテゴリの最新記事
|