★まあお茶でもどうぞ★

あの時すぐに駆けつけず、とりあえず親戚に先に行ってもらったのは、
喪服を取りに戻らなければならないかも知れない、
しばらく留守にすることになるかも知れない、
と、なんとなく漠然とそんな予感がしたからかも知れません。




しばらく留守にするにあたり、
まず借りていたレンタルDVDを子供達に返しに行かせ、生ごみなどの処分をし、
駆けつけるであろう親戚などに出すお菓子などを買いこみ、
現金をおろしました。
こんなところは意外と冷静で自分でもびっくりです。



私たちは義実家には寄らずに、まっすぐに葬祭会館に向かいました。




すでに葬祭についての打ち合わせをしているオットと親戚。
そして検死を終えた姑の遺体とご対面です。




顔にかぶせてある白い布が、一瞬花柄かと思いました。
「最近は白い布じゃなくて、こんな柄つきの布を使うのね」
なんて思ってました。
華やかなバラの花柄だと思っていたものは、出血でした。



布をめくると、そこには私たちの知っている姑の顔とは違う、
パンパンに腫れあがった顔がありました。
お風呂で亡くなったからなのか、どうなのかわかりませんが、
顔も体も膨れ上がり、鼻などからも出血があるようでした。
42年間生きてきて、遺体を見るのは初めての私。
なんだか現実感がなくて、ほんのちょっとしか姑の顔を見ることができなかったです。



遺体の第一発見者となってしまった親戚の方は、看護師をしている方なのですが、
遺体に接することに慣れていると思われるその方でも、
発見した時には動転してしまったようです。



お風呂でぐったりしている姑を発見してすぐに１１９番したところ、
救急隊の方から、姑をお風呂からあげて心肺蘇生をするように指示があったのだそうです。
体重70キロ以上ある姑です。ドラム式洗濯機ぐらいの重さがあります。
ずるずるすべる体にバスタオルを巻きつけ、
渾身の力をこめて姑をお風呂から引き揚げ、心臓マッサージをしたとのこと。



この親戚の方には、日ごろから、
義実家と遠く離れたところに住む私たちに代わって、
舅や姑のお世話を色々としていただいていました。
今回結果的にこんな辛い場面に立ち会わせることになってしまい、
本当に申し訳なくて・・・・。
もしかしたら私たちが第一発見者になっていたかも知れないことを考えると、
果たして彼女のような行動ができたか、自信がありません。
人を呼ぶのが精いっぱいじゃないかと思うのです。



変わり果てた姑とのご対面の後は、
義実家に戻り、大掃除です。
普段から足の踏み場もないほど散らかった義実家です。
これから色んな人の出入りがあることを考えると、大掃除は必須でした。




この日、寝たのは2時をまわってからでした。