想い出は心の宝石箱に。。。

　　

​ 
　　まだあげ初めし前髪の林檎のもとに見えしとき

　　前にさしたる花櫛の花ある君と思ひけり

　　やさしく白き手をのべて林檎をわれにあたへしは

　　薄紅の秋の実に人こひ初めしはじめなり

　　わがこゝろなきためいきの

　　その髪の毛にかゝるときたのしき恋の盃を

　　君が情に酌みしかな

　　林檎畑の樹の下におのづからなる細道は

　　誰が踏みそめしかたみぞと問ひたまふこそこひしけれ



              

​





　

​​​​　そして三つめが、村下孝蔵の歌＜　初恋　＞。　​​​​





　　　五月雨は緑色

  

　　　悲しくさせたよ 一人の午後は

  

　　　恋をして 淋しくて

  

　　　届かぬ想いを 暖めていた

  



　　　好きだよと言えずに初恋は

  

　　　ふりこ細工の心

  

　　　放課後の校庭を 走る君がいた

  

　　　遠くで僕は いつでも君を探してた

  

　　　浅い夢だから 胸をはなれない  











　　　　　














​​​​​  村下孝蔵自身の、中学生のときの初恋を、歌いあげたものです。​​​​​





　彼女はテニス部で、放課後にはラケットを持ち、部活動に励んでいました。



　村下孝蔵はその活動を校舎の窓から覗いていました、「放課後の校庭を走る



　君がいた」のだと。





　想いを伝えられないままその女の子は転校し、好きだよと言えずに終わった



　彼の心は、繊細な「ふりこ細工」のように揺れたのでした。













　　　









　

　悲しいかなわても、いまや心は燃えても体が反応しない、恋愛から遠く



　はなれた年齢。過去の恋愛に関する話題やエピソードを、​​恋バナとして



　昔話するしかないという、しょんぼりのしょんぼり。







　小中一貫校で、9年間一緒に生活してきたクラスメートとの会合でも、いつも



　場が盛り上がるのがこの恋バナ。

  



​

​　中学時代　I さんという素敵な女性がいて、Ｋくんと仲がよいとの噂でした。

​​   クラス替えで　I さんと＜　机を並べた　＞　０くんが、彼女に　​​

　（　Ｋくんのことが、本当に好きか？　）

　と聞いたら、貴方の方が好きと言われたと。

​　さすがこの頃から、男性操縦術を会得していた、早熟の　Iさんでしたね。​


​

　年月が流れ社会人となった　Ｏくんが、ケニア駐在になったとき、ある商社の

　ケニア駐在事務所長の奥さんが、なんとその　I さんであることが判明。

　その旦那さんと仕事上逢った時に、貴方の奥さんと中学時代＜　机を並べた仲　＞

　と​​言うべきところ、＜　枕を並べた仲　＞と言ってしまい、彼に蹴りを入れ

　られたと。​​



　



​​　まあ～、いずれは介護施設で、＜　枕を並べる仲　＞になる可能性は、十分に

　ありますが。​​

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