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私の履歴書で、皇子とエレナ姫の悲恋物語を、書いたことがありました。
2人が灼熱のサウジを脱出しようとした詳細は・・・
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目の前に広がる砂漠は渺渺として、二人の行く手を阻むように、 幾重もの稜線を
描いていた。
( 皇子さま、果たして逃げ切れるのでしょうか? )
( 姫、案ずるな。この皇子が命に代えても、お守りいたします。 )
サウード王家主催の晩さん会で、エレナ姫は一目で悠愛皇子の恋の虜になって
しまった。洒脱な会話、毅然たるサムライ魂、そしてなによりもその優しい目に、
惚れたのであった。
しかし、ロイヤルファミリーの王女と皇子とはいえ、イスラムと神道ではあまり
にも違いすぎる。中東で一二を争う美貌の持ち主のエレナ姫には、各部族の皇子達
から結婚の申し込みがきていた。サウード王は今宵結婚の相手を申し付けると、
エレナ姫に申し渡した。
好きでもない相手に嫁ぐわけにはいかない。エレナ姫は悠愛皇子と手を携え、
恋の逃避行を決意したのであった。
二頭のラクダの足跡だけが、何処までも砂漠の中に続いていった。
やがて砂漠を真っ赤に染めた夕日が、地平線の彼方に落ちていく。
そして煌々たる月の光に照らされた、二人のシルエットがぽっかりと浮かんだ。
( ミュージック・スタート!!! )
( 姫、この砂漠を抜ければ、紅海に通じます。そこまで行けば、なんとか
なるでしょう。 )
希望という明日が、決して約束されているわけではなかった。ただ、この旅を
そしてこの時間を、共有できることだけで二人は、幸せであったのかもしれない。
二人の行く先を照らすように、満天の星が何処までも、道案内をしている。
そして 影法師が、ゆっくりとあとをついていった。
すると、砂煙をあげて追ってくる、黒装束のラクダの編隊が・・・サウード王直属の
秘密警察部隊に違いない。
ヒュ~~ルンと満月を横切って飛んできた矢が、皇子の肩を貫きラクダから
転げ落ちた。
どのくらいの時間が経ったのであるろうか?
目を開けた皇子の傍に、エレナ姫はいなかった。
そこにはただ黄金色に輝く、アラビックコーヒ・サーバーが・・・
サウード王家の秘宝である。
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