シュールにもほどがある・・・:究極の庭園ハウ・パー・ヴィラを訪ねて
昨日の旅行日記でもちらりと触れたハウ・パー・ヴィラについて紹介したい。タイガーバームを世界で展開する胡一族が建てたこの庭園は奥が深すぎて、どんなにも言葉を尽くしても説明しきれないのだが、このシュールさを少しでもお届けするべく熱い写真の数々を中心にダイジェストをお伝えする。まずは老師のお導きで中へ入る。いきなり原色の世界にトリップ状態。かと思えばタイガーバーム子ちゃんによる営業攻勢をかけられる。実際、土産ショップにはタイガーバームコーナーが充実しており、怪しげな日本語を操る店員のおばちゃんにさらに追い討ちをかけられる。「他で売ってる安いタイガーバームはニセモノで危険ダヨ。ここがホンモノ!」売りたいのはわかるけど、こんな断言をしてしまったら自社製品の販売網をも中傷してないか(笑)?車はもちろんタイガーカー。胡一族は本当にこれを運転していたのだろうか・・・・?こんな仏教チックな建物のそばには自由の女神も幸運を祈る。もちろん近所では力士達がタイガーバームを囲んで土俵入り。ハウ・パー・ヴィラの醍醐味は壮大な物語ジオラマ(?)にある。こちらは海で展開される神々の戦いのようだ。もうちょっと近づいてみると・・・さかな君(カエル君か?)が撃ち抜かれたり、亀おじいさんが逃げ出しそうとしたりしている。こちらは日本でもおなじみ西遊記からの逸話が再現されている。蜘蛛の妖怪が美女に変身して三蔵法師を誘惑する。なんだかリアルな描写だ・・・。蜘蛛の糸に縛られダメっぷり全開の猪八戒。腹の出かたとかいいよな~。締めるところを締めるのはやはり孫悟空。かくして三蔵法師は天竺へ旅を続けるのであった、てな具合だろうか。いや~、細かいところまでよく作り込んであるよ、これら作品の数々は。油断してたら人魚が曲芸を展開してた・・・。昨日も紹介したこのカニ子さんもこの辺にいた。しかし、ハウ・パー・ヴィラの真骨頂は現代教訓ジオラマにあったのだ!!横長く伸びた作品の数々は複数の短編教訓ストーリーから成っている。例えばこのお話。それぞれのお話には中国語と日本語による物語の説明が書かれたボードがあり、人生からの教訓を学べるようになっている。このお話の主題は「社会から得たものは社会に還元する」稼いだお金をギャンブルやナイトクラブになど使わずもっと有意義な使い方をしましょう的展開である。さらには登場人物のセリフはなぜか英語で書かれている。この絵の中にある登場人物を試しにピックアップしてみよう。銃を握った警官が男の髪の毛をつかみながらすごい形相でにらみつけている。この光景がセリフの原文によれば・・・Sir, you are drunk! (あなたは酔っ払っていますよ!)Go home, sir! (おうちに帰りなさい!) Night clubs and ballrooms are a waste of money and time. (ナイトクラブとダンスホールはお金と時間の無駄遣いです)絶対そんな生易しいもんじゃないはずだ・・・。少なくとも「Sir」なんてつける展開ではない・・・。こちらの大作は船の難破を描いているのだが、注目は亀の上でおかしなバランスを取っている、縮尺的に不自然なまでに大きい左側の男性だ。彼のセリフ:This same tortoise now saves my life!(あの同じ亀が今度は私の命を救っている!)Animals are intelligent creatures. (動物は賢い生き物だ)They deserve our kindness and compassion. (動物には優しさと思いやりをもって接しないと)おおお、浦島太郎の救命バージョンなのだ!動物愛護を示すための犠牲が大きすぎるとも思えるが・・・。ハウ・パー・ヴィラ潜入レポート、いかがだっただろうか。この壮大さ、お馬鹿さ、深遠さはとても伝えられていないと思うが、シンガポールを訪れた際にはぜひとも行っていただきたい。なお、この庭園のさらなる詳細レポートを展開しているツワモノのページがあるので、興味のある方はこちらもご覧頂きたい。(ハウパーヴィラ 虎豹別墅 HowParVilla )お宝万歳!!