涼しさ求めて雑司ヶ谷霊園
長男の早稲田大学での国家試験が終了するまでのあと3時間程、都電に揺られつつ、路線図を眺めれば雑司ヶ谷が目に留まる・・・ そうだ霊園、行こう(JR東海のキャンペーン風に~)何年か前に流行っていた言葉に墓マイラー(歴史上の人物や著名人の墓におもむきお参りする人のこと)なんていうのがあった。私は墓マイラーではないが、墓地に行くのは嫌いではない。だっていつか自分が行くべき場所だ。(しかし、私は墓は要らない派だったりする)都会の墓地には誰かしら有名な御方の墓地がある。死後どんな場所に住まわれているのか、単なる好奇心だけでの通りすがりで行くのみだ。(しかし、ちゃんと手を合わせてご挨拶はする。当然)雑司ヶ谷の駅を降りれば霊園は目の前にある。 雑司ヶ谷霊園 青山霊園・谷中霊園・多摩霊園・染井霊園・ナド等雑司ヶ谷霊園もそうだけど、都内には大きな霊園がいくつもある。以前谷中霊園を訪ねたこともあった。 有名人、著名人の墓地が案内板にしっかり記されていたりする。 しかしねぇ、涼しさを求めて墓地に来るなら昼よりは夜だろうと、内心思いつつ。本日の暑さと、ヒールのある靴では区画整理されこれだけの有名人が揃ってはいても探し歩くのは厄介、億劫というものだ。で、駅から手っ取り早く一番近くて直ぐ発見できたのはこのお方の墓だった。 小泉八雲の墓 私は小学生の頃から怪談話が大好きで、四谷怪談・番町皿屋敷・牡丹灯篭とか雑誌やテレビで見聞きした怖い話を友達5~6人集めては階段に座り込んでさも怖そうに語ってあげるのを楽しんでいた。夏休みともなれば日本テレビの『あなたの知らない世界』とか夢中だった。中学・高校と進んでもやっぱり死後の世界やら怖い話はやめられない止まらない。そんな折、出逢ったのが小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の本だった。ろくろ首、雪女、むじな(のっぺらぼう)だの幼い頃から知り得た話は小泉八雲の集めた世界から現れたものだったのか~とか改めて知った。思わず、手を合わせて『破られた約束』、『幽霊滝の伝説』なんて記憶に残る物語を思い出してみる。お墓にふらっと来たら10代の頃の仲良しに偶然逢ったくらいの喜びがあった。 泉鏡花の墓お名前は存じ上げております、『高野聖』が代表作なのも、拝読してはいないけど・・・ 大川橋蔵の墓水曜夜8時フジテレビで放映された連続テレビ時代劇『銭形平次』は大好きだった。物心ついたときから祖母と一緒に見ていた。寛永通宝が無いから、5円玉投げて遊んだりしたし、妹と風呂に入って舟木一夫 の『銭形平次』を歌うとか初恋の男性がちょいとばかり大川橋蔵に似てたりした。やはり墓に参るのは夏ではなく秋が良いわな、季節的には。いつまでも夏場の墓に居ると、汗や体温、二酸化炭素に反応して蚊がやって来るのだ。おかげで3ヶ所刺されてエラく不機嫌になっていた。何やら生き物の気配も感じたので辺りを見ればハシブトガラスが墓石の上から「何しに来たんだ、俺ッチのショバに来るなら供物くらい持って来いや」とでも言いたげにガンをとばしてきた。我が住む山のカラスよりナリが大きいのでちょいとビビる。 結局、このお三方だけの墓に参ったのみでさっさと都電乗り場に戻る。まだ2時間ある・・・どうしたかって?実は早稲田に戻ってはみたものの、せっかくの一日券だし、外はまだまだ暑いし、電車の中は冷房きいてるし、ひと気もそれほど無いから静かだし、もう1往復してみようかと思い立ち、三ノ輪橋行きに再び乗り込んだのだった。ところが、ところが、このあと何処にも下車することなくほぼ昼寝状態。気持ち良く暑さしのいでバク睡してしまったのである。気がつけば、長男の試験が終わる時間待ち合わせの時間にギリギリセーフで間に合ったのだった。これにて時間潰しの早稲田界隈~荒川線終了御粗末!