クンクン桜香る桜を楽しみ、桜干しの魚で春を味わう
桜の香りは桜の花に興味が無かった頃には全く気にも留めなかったのだけれど、それまで桜の花に香りがあるとも思っていなかったかもしれない。身近に咲いていたのはたいがい香りをあまり感じられない染井吉野や彼岸桜だったからか、桜の香りを気にすることが無かった様に思う。桜にも豊富な種類があるように、個性も色々で香りの強弱もあるそうだ。桜がこんなに良い香りを発するものだと知ったのは数年前標本木のある地を訪れた時だ。大島桜や伊豆吉野の辺りは桜のこの上ない香りが漂う。桜の中に香りの良いものがあることは、桜の名付け方にも表れていて、千里香、駿河台匂、御座の間匂、染井匂、滝匂など名前の付け方で香りが楽しめる桜であることが分かったりもする様だ。例えば香りの良さで言われるのは駿河台匂標本木の中に1本だけあるのだが、咲き出すのは八重桜と同じ頃以前、嗅いだ感想を再び述べてみる。《オオシマザクラは高貴な感じの素晴らしい桜香であったけれどこちらはちょっと柑橘さを交えた様な爽やかな桜香。ついつい頭を突っ込むように低位置に咲く花に顔を近づける。もう一度、もう一度と酔いしれてしまう香りであった》と、ある。今年も楽しんでこようかな 駿河台匂(スルガダイニオイ) なんでも、東京都千代田区駿河台3丁目の道灌通りには、街路樹として駿河台匂が植えられているという。駿河台にあった武家屋敷に植えられていたと伝えられ ている桜で地元の人たちの要望で昭和63年(1988)に植えられたそうだ。例年4月下旬頃開花するというから都会に住まう方達は染井吉野の時期が終わったらコチラも楽しめるというものだ。桜の花の芳香成分は分析すると、ベンズアルデヒド、β-フェニルエチルアルコール、アニスアルデヒド、クマリンなどが検出される。ベンズアルデヒドはアーモンドやバニラなどに含まれる杏仁豆腐のような甘い香り、β-フェニルエチルアルコールはバラの主成分で甘くて深い優雅な香り、アニスアルデヒドはスパイスのアニスやフェンネルなどに含まれるベニスアルデヒドよりマイルドな甘い香り、そして、クマリンは桜葉漬の香り品種によって含有割合に違いがある。(山真産業HPより抜粋)で、この時季でこそ味わいたい伊豆半島名産の大島桜の葉の調味料を使用した桜干しの干物 桜干しの干物(鯖) 焼き上がった鯖のジュンジュンいうのと共に桜の香りがほのかに立ちあがる。鯖と桜の香りを嗅ぎ分けるのがまた楽しい