テーマ:花に学ぶ(487)
カテゴリ:花を愛でる
オオシマザクラ(大島桜)と思しき白き桜は
身近に多数存在する様なのだけれど、 はたしてそれが本当にオオシマザクラなのか確かめるのは 単なる桜が好きというだけの素人には難しいのだろう とは思いつつ、知りたさが先に立つ。 新型コロナウイルスのおかげで本屋も図書館にも行けないから サクラについて調べられるのはネットの中だけ。 でも、ネットの情報は膨大な上に間違いも混在するから、 そこから信用できるものを見つけるのが大変になってくる。 それでも自己満足でいい私としては、追求してみたいのだ それというのも この春1本の白い桜の木を見つけてしまったのがきっかけで、 その桜の名前が「オオシマザクラ」だというネット情報に、疑問を抱いたばかりに、 比較するオオシマザクラを求めつつ、疑問解決する為の日々が続くことになった・・・ (私自身はどうしてもその桜が「オオシマザクラ」とは思えなかったのだナ) ・・・で、ネットに転がるオオシマザクラ情報をまとめてみた・・・ そもそもオオシマザクラ(大島桜)とは 大島を含む伊豆七島、伊豆半島及び房総半島を原産とする落葉広葉樹 潮風や大気汚染に強く、実生、接木、挿し木が比較的容易に可能な サクラの原種(野生種)の一つ ソメイヨシノをはじめ多くの栽培品種の片親でもある。 【別名】薪桜(タキギザクラ)=成長が速く再生力が強い為、 古来雑木林に植えられて燃料として利用 餅桜(モチザクラ)=葉が桜餅の葉に使われる為 【花期】3月下旬~5月上旬(ソメイヨシノが咲く時期と重なる) 【樹高】~15m~ 【樹形】ソメイヨシノに比べて斜上方へ伸びやすい 【樹皮】暗褐紫色、皮目が横に目立つ。 【葉】 新葉:緑 葉の形:倒卵形~卵状楕円形 葉の先:尾状鋭尖形 葉柄上部~中央部に蜜腺がある 葉柄:無毛 葉の表面、裏面は無毛 葉縁:短鋸歯で上向き鋸歯の先端は芒状 葉の側脈:7 ~ 10 対 【花】花径4~5・5cm(大輪) 【花弁】長さ1・7~2・0cm 長楕円形、楕円形、倒卵形など変異が多い 花色は白、芳香がある、葉の展開と同時に咲く 開花のピークが過ぎると、脈にそって赤く染まり化粧咲きとなる。 【萼】無毛で、萼片に鋸歯がある。 【実】直径1cm~1・4cmの丸い実、熟すると黒紫色 【分布】オオシマザクラは関東以南の島嶼の海岸沿いから山地にかけて多く生育し、 その起源は伊豆大島などの伊豆諸島にあり和名の由来となる。 本土の伊豆半島、房総半島、三浦半島にも自生するが、 製炭などのため島嶼部から持ち込まれてから野生化した可能性が指摘。 現在は多くのオオシマザクラが現地のヤマザクラと交雑し駆逐する形で 野生化したと考えられている(Wikipediaより抜粋) オオシマザクラには寒咲き、早咲きもある 寒咲き大島(カンザキオオシマ)= 大島桜の中で開花期が極端に早咲きのもので、 伊豆大島では年末頃から開花 早咲き大島(ハヤザキオオシマ)=竹中要氏がソメイヨシノの期限解明のため、 研究的に交配された(オオシマザクラ×ソメイヨシノ) 但し オオシマザクラは多様で変異が多いという。 開花時、葉が多いものもあれば、花がかなり先行して咲くタイプもあり、 新芽の色は緑色から、紫褐色のものまで存在する。 オオシマザクラの【実の味】にしても 個体により果肉の味は異なるという。 渋い、酸っぱい、エグミが強い、食べられないなんていうのもあえば 甘酸っぱくて美味いのでジャムにして食べたりもするそうだ。 (本場大島では《大島桜さくらんぼジャム》の販売もある) 桜の世界はかなり奥深いが、オオシマザクラだけみても その世界は深遠でややこし~ 【多様で変異が多い】ことまで考えると難解になりそうなので とりあえず素人がオオシマザクラ探しの目安とすべきは 花色は白、芳香がある、葉の展開と同時に咲く と、いう点を重視しようと思う。 2020年4月3日 近所の公園の白き桜 posted by (C)くろすけcat 近所の児童公園の片隅に咲く白き桜はちょっとした高木で 他の木々に邪魔されて公園内では、近くに寄り難く見え難いのだが この辺りは丘陵地であるが故に、公園脇の坂を上がった道路からは 手は届かないがよ~く見える。 花径も大輪で葉の展開と同時に白い花が咲き、葉も緑。 しかし、芳香が感じられない。 せめて花一輪の香りでも嗅げないものかと悩む。 香りさえ確認できればとりあえず第一関門通過なのに~ 2020年4月3日 近所の公園の白き桜 posted by (C)くろすけcat 民家の広い庭に存在する白き桜も近くの電信柱より高い。 手が届かない場所に咲くので、やはり香りを感じられない。 自分の鼻が利かないのではなかろうかと悩む。 そこに居なくても香しいくらいに漂って来る キンモクセイやニセアカシアみたいなら分かりやすいのに。 風向きが悪いのか?芳香範囲が狭いのだろうか?早朝とか時間? その日の気温とか関係するのだろうか? 鼻先に花を近づけたら匂いそうなサクラなのに高木はイケズである・・・ 2020年3月26日 民家の白き桜_ posted by (C)くろすけcat ココに来て著名な団体やその道の専門家が記するものを見つけてしまった。 「花に芳香のあるものも多く、形態や開花期などに多くの変異がみられ・・・」 (『公益財団法人 日本花の会』HP桜図鑑オオシマザクラより抜粋) 「芳香のあるものが多いが無いものもある」と私には読み取れる 『牧野新日本植物図鑑』(1970年)には「芳香を放つことがある」とあるそうで。 「芳香を放たないこともある」んだと思わせる 2020年3月26日 民家の白き桜_ posted by (C)くろすけcat 桜の香りを嗅ぐことができないなら 葉はどうなのか?なんて考える。 桜餅に使われているのはオオシマザクラの桜葉だ。 桜葉特有の芳香成分であるクマリンの含有量が他の桜より多く含有している為 利用されているらしいが、ならばさぞかし香り高いのでは?!・・・と オオシマザクラの根元に生えている葉の匂いを嗅いではみるが匂いなんぞ感じない。 「葉に香りがある」なんてネット上にあるが、 生えている葉には芳香は無い! 葉や花を半乾きにしたり破砕、塩漬けするなど 細胞から水分が失われていく過程で起きる反応により クマリンが生成され、芳香を発するようになる。 そしてラッキーなことにそれは早朝、 観察園に散歩観察に訪れた時にはっきりした。 辺りが桜餅の香りでいっぱいになっていたのだ どうやら管理するお方が木々の周囲に生えた雑草や ひこばえ(樹木の切り株や根元から生えてくる若芽)を刈った様子で 桜の木々の根元にも伐採された桜の葉や枝が散らばっていた。 ひこばえを刈る posted by (C)くろすけcat 桜餅の香りが漂うのはそこからで、 思わず拾い上げてクンカクンカと嗅いでもみる。 しかし、香っているのはオオシマザクラに限らず 他の桜の元に残った葉まで香っている。 桜の葉はみ~んなクマリンが発生するんだった 葉の匂いの強さまで利き分ける鼻は持ち合わせていない・・・ザンネン 2020年3月28日 海源寺白き桜 posted by (C)くろすけcat 寺の白き桜は高木ではなく、3m~4mのものが殆ど。 10本近く植えられていた様だが、痛々しいものが多い。 雨曇りのせいかココでも芳香も感じない。 おまけに樹形も樹高も気になる。 この海源寺、本堂などが建立されたのは寛政年間(1460〜66年)、 開基したのは大島豊後守正時とされ、市の重要文化財大島正時坐像があったりする。 「大島つながりで参道にオオシマザクラを植えた」?! な~んて安直な考えするのは私だけだろうか?トホホ~ それこそ、お寺のご住職にでも伺ったら 教えていただけるかもしれないと仄かな期待を残しつつ・・・保留 2012年に神奈川県立自然環境保全センターで撮影したオオシマザクラなのだけれど 開花時の葉の色が緑ではない。 しかし、名札には《大島桜》とあり、 当時「香しい花の香りも楽しんだ」と私のブログに記してある。 同センターの記録には 「樹木観察園の個体にはヤマザクラのように 新葉が赤いものもあるが形態からオオシマザクラに区分した」とある。 匂いがあっても葉の色が緑でない・・・ 2012年4月18日 大島桜(オオシマザクラ) posted by (C)くろすけcat 【花色は白、芳香がある、葉の展開と同時に咲く】 たった3つの特徴だけなのになかなか自分が納得いく オオシマザクラをみつけられない。 紹介していないものまで合わせればキリがなく そのうち花期も過ぎて葉桜になってしまった白き桜達。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年05月14日 02時22分13秒
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