テーマ:花に学ぶ(487)
カテゴリ:花を愛でる
時折、園芸店の店先に並ぶ花達を見ながら、この花達の中にも
あと何十年かしたら「帰化植物」なんて呼ばれてしまうものが 出てくるかもなぁなんて思ったりする。 雑草だと思っていた花が、実はその姿を楽しませる為に 外国から来た花だったなんてね。 野に咲く自由を得たばかりに、粗雑に扱われる様になってちょっと気の毒に思う。 ムラサキカタバミ、セイタカアワダチソウ、ハルジオン、ヒメジョオン、 ハルシャギク、ナガミヒナゲシetc、etc、etc・・・ 巷の桜も盛りを過ぎた頃、空き地や舗装道の隙に見える 濃ゆいピンクに目が行く様になる。 この花も観賞用の園芸植物として日本に来たというのに いつの間にやら野生化してしまったそうだ。 アカバナユウゲショウ(別名ユウゲショウ) a アカバナ科マツヨイグサ属(多年草) 原産地:南米~北米南部 花 期:5~9月 花 :花径1~1.5cm 花弁淡紅色4枚、濃い紅色の筋が入る 雄しべは8本、 雌しべの先端は紅色で4つに裂け、十字状 葉 :単葉(不分裂葉)、分裂葉/全縁、波状、鋸歯/互生、根生 茎 :束生し高さ20~40cm、全体に白色の短毛がうすく生える 果 実:棍棒状の蒴果で、熟すと先が4裂 花の名前について ふと疑問に思ったのが花の名前である。 ひとつの花に呼び名がいくつあっても不思議じゃない花世界。 学名、英名、和名、仇名みたいなのやら 同じ花なのに名前が二つ、三つあるのなんてフツーだ。 (ライラック=リラ=ムラサキハシドイとか、彼岸花なんて数知れず・・・) しかし、 ひとつの名前が、異種である2種類の花の名前をかけ持ちしているなんて!? と、疑問に思ってしまうのは私だけ? アカバナユウゲショウ(アカバナ科マツヨイグサ属)と オシロイバナ(オシロイバナ科オシロイバナ属)が ユウゲショウ(夕化粧)と言う名前を共有している。 そもそも夕化粧という言葉の意味は「夕方に化粧する」 と、言う意味で、花で言えば「夕方から開く花」をイメージできる。 (文句) 私が小学生の頃。理科だったか、祖母にだったか・・・ オシロイバナは<おしろい花>であって<ユウゲショウ>なんて教わらなかった。 名の由来は「種を潰すとおしろいの粉みたいなのが出るから」で覚えた。 アカバナユウゲショウなんて存在すら知らなかった、あの頃。 オシロイバナは江戸時代、アカバナユウゲショウは明治時代に渡来したそうだけど <ユウゲショウ>という通称をオシロイバナに付けたのが先。 夕方から芳しい香りをさせつつ咲き、まさに夕化粧するかの如き花は納得の <夕化粧>=<おしろい花>である。 あとから渡来した花(アカバナユウゲショウ)に日本名を付ける時 誰がつけたか知らないが、おそれ多いとは思いつつ先人にもの申したい! 当時の花(アカバナユウゲショウ)は今と違い夕方から咲いていたのだろうか? 後世に悩むことになるのを考えず<ユウゲショウ>が オシロイバナの通称だと知りつつ名付けたのだろうか? 何故<ユウゲショウ>にしたのか伺いたいものである。 で、 ●オシロイバナは夕方頃から開花し、翌日の午前中には萎む。 ●マツヨイグサ属の中には ○明け方から日中に開花し夕方に萎むもの(桃色の類) (ヒルザキツキミソウ・アカバナユウゲショウ) ○夕方開花し翌日午前中萎むものと(黄色の類) (オオマツヨイグサ・コマツヨイグサ・マツヨイグサ等) ・黄色のマツヨイグサ属の例外(ヒメツキミソウ) ・色の例外 ツキミソウ(白) で、 アカバナユウゲショウの花は 明け方~日中開花して夕方頃にしぼむ<一日花>である。 夕方から咲く花として<夕化粧>と呼ばれるのであるならば、 <ユウゲショウ>と名乗るのは 夕方から咲くマツヨイグサ属やオシロイバナなら納得できるけれど、 アカバナユウゲショウを<ユウゲショウ>と名乗らせるのは合点がいかない。 で、 アカバナユウゲショウの<アカバナ>・・・コレは 花色が赤だから・・・ではなく、 在来種アカバナ に似ているからだとか。 (まだ見たことのないなぁ・・・アカバナ) そのアカバナ自身も名前の由来は花が赤いからではなく、 秋に葉が色づき赤く紅葉する姿が名前の由来と言われている。 (漢字表記では「赤葉菜」となるが、一般には赤花と書かれることが多い) 命名されて付けられたアカは花色の赤とは関係ない。 と、いう話なので そのアカバナの白花タイプはシロバナとは呼ばないので アカバナユウゲショウの白花タイプがあっても シロバナユウゲショウとは呼べない と、なるのがホントではないかと思う。 で、私としては、 <アカバナ>に似て<ユウゲショウ>(マツヨイグサ類)と同属の花なので <アカバナユウゲショウ>と呼んであげたいと思うハイ、独断と偏見デス♪ さて、去年の今頃に見つけた紅白のアカバナユウゲショウ 初めて発見して、ビックリ! 1本で2色の咲き分けかと思いきや2本が絡まっていた 今年も咲くかと期待していたのだけれど土地の主さんが 前年おもいきり除草してしまって、ピンクのアカバナユウゲショウさえ 見当たらなかった・・・残念 で、本日違う場所にて散策中にみつけたのが 花弁ほんのり、雄しべの葯も薄いピンク色を残した アカバナユウゲショウにこれまた偶然一輪出逢う 白になりきれないアカバナユウゲショウ posted by (C)くろすけcat たまたま選んだ二輪の花の雌しべに不可解な姿を発見 アカバナユウゲショウの雌しべの先は4裂に分かれているのが普通なのだけれど ふと、見たら5裂?分かれてはいないけど、もうちょっと時間が経っていたら もしかしたらタコ足の様に8裂になってたかもしれない?!(左の花) と、思われる切り込み線の様なものが見える ・・・その場で気が付けばじっくり観察撮影できたのに カメラのピント合わせるのに必死で、気が付いたのは 家に帰って拡大画面で見てからだからあとの祭りで大騒ぎ 一日花だから次の日には萎んじゃうものね。 (特大画像でみるなら画像Wクリックしてフォト蔵から画像1クリックで元画像で見てね) 蛸足雌しべ posted by (C)くろすけcat アカバナ科マツヨイグサ属の仲間の 花粉は粘着性のある細い糸でつながっていて、 花粉のネックレスの様~なんて表現されている。 当初、この糸っぽいのは小さな蜘蛛の仕業かなぁくらいにしか思っていなかった私。 これはチョウやガの細い足や口に花粉をつけるはたらきを持つと考えられている。 夕~夜咲きの種は黄色系の花冠でスズメガ媒、 昼に開花する種はピンク系の花冠でチョウ媒、という傾向があるとか。 花言葉【臆病】 posted by (C)くろすけcat 雨滴散布 植物が種子を散布するのに風、動物、水などを利用しているけれど アカバナユウゲショウは果実が雨などで濡れると 4つに大きく裂けて平開し、雨滴の衝撃などによって 種子を散布、雨水で容易に流れ落ちる。 花が終わってドライフラワーにでもなったかの様な アカバナユウゲショウの種子散布後の姿もまた可愛い。 アカバナユウゲショウ posted by (C)くろすけcat お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年05月18日 05時34分01秒
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