テーマ:夫に先立たれたあと・・・(36)
カテゴリ:我が家今昔物語
亡夫の資産はほぼ負債
夫の両親から引き継いだ会社絡みの負債が殆ど。 相続放棄をしなければならないのは生前からの約束事だった。 相続の開始を知ってから3カ月以内に手続きが必要で 専門家に任せる事無く息子2人とやり遂げた。 それでもまだまだ夫のやり残した後始末は山程あって、 終わったと思ったら、まだあるの?!の繰り返し。 手っ取り早くできることから片付けてかないと 息子達がやらなきゃならなくなるでしょ・・・ 人がひとり亡くなると、それも何ひとつ生前にやってくれてないと どこからどう手を付ければいいのかさっぱり分からない。 夫は自分が面倒くさいことは殆ど残して、逝った。 その中のひとつに過払い金請求がある。 大手のローン会社のカードは何件かあって、 遺族全員相続放棄をした段階で、遺族としての過払い金請求は不可能だ。 ただ、B社は夫が私名義でつくったカードで貸借を繰り返していたので 表面的には私の借金なのである。 ローン会社のカードを作ったのは 20年以上前の話になるか・・・ 当時の夫は経営する会社絡みでブラックリストに載っていた為 ローン会社でカードを作るのは無理だった。 その為夫は無傷の私に頼んできた。 カードを作る条件は「私に直接迷惑をかけることはしない」だった。 会社の為か、本人の為かは知らないが、借りて返してを 散々繰り返していたのは知っていた。 当初、ローン会社から直に電話がかかってきたことがあって、 返済遅延とかではなく、何かの確認だった気がするが それでも夫に文句を言った記憶がある。 迷惑らしい迷惑はそれ以来なかった。 最後・・・ 夫に頼まれてつくった私名義のカードの残債は50万円程あったけれど、 夫の葬儀で残った少ない保険金を当てて全額支払い、 見たくも触りたくもないカードは、支払い終わったその場で 女性事務員に目の前でハサミでチョん切って貰った。 過払い金があるかどうか 司法書士に伺いをたてることにしたのは去年の秋 それというのも、 車に乗ればラジオで、テレビをつければコマーシャルで、 挙句にアパートのポストにまでチラシが入っていた まるで「早く過払い金請求して下さい」と責っ付かれている気がした。 ので、思い切って電話してみた。 物凄~くタイミング良かった様で、 「今年最後の出張相談会が文化会館である」という。 ちょうど昼に予約が空いた時間があって行くことにした。 そもそも私は亡き父から 戒めか家訓でもあるかの様に言われていたのが 『例え親兄弟でも借金の保証人にはなるな』 と、いうことで。 そんな父自身、 誰かに借金を背をわされた経験があったワケではなく 父の友人が借金で酷い目にあったことを自分の事の様に 感じたらしく、成人になって間もない私が言われた事である。 それから十数年後、父が亡くなったのち 夫から頼まれて、経営の悪化した自営会社の資金繰りを手伝う為に 伯母夫婦の所へ借金の申し込みに行った事がある。 しかし、体良く断られてしまった。 後々、伯母が語ってくれたのだけれど、 父に伯母夫婦が家を建て直すとき、 「銀行から借金をするからその保証人になってくれないか」 と、頼んだ際に たった一人の姉の頼みを父は無下もなく断ったそうだ。 伯父は公務員でお金には不自由していなかったし、子供もいない。 金の貸し借りで迷惑なんて一切ある筈も無く、 名前だけ書いてくれればいいだけだったのにである。 伯母は申し訳なさそうに 「可愛い姪っ子の頼みだからお金の事なら助けてあげたかったけれど まさかあの時、実の弟に保証人を断られるなんて思わなかったから 夫(伯父)の手前、お金を貸せなかったんだよ。」 と、言ってくれた。 ・・・涙が出た あの時は、会社もナンとかなったが 伯母は私にお金を貸さなかったことをずっと、ずっと 気にしてくれていたんだと思ったら 申し訳なくて、申し訳なくて仕方なかった。 借金する為に自分名義のカードを作って 夫に渡していたなんて話 生前の父が知ったら烈火の如く・・・だろう。 おまけに自分の息子にまで二十歳になった年に 別のローン会社の保証人にさせていたりするんだから それこそ生前の父が知ったら夫のことタダじゃおかない位・・・だったろう。 過払い金請求の手続きは30分もかからず終わった。 その後、大まかな連絡が来たのはメールで2回ほど 2021年12月初旬の段階で既に 「過払い金の調査等が完了」とある。 思った以上に早いのは完済しているせいだろうか。 で、数日後 司法書士事務所より電話がある。 「時効になったものを含めて 過払い金が140万円超えているので弁護士扱いになる」という。 (完済後10年以上経過していると、時効によって過払い金を取り戻せない 時効になる前に夫は何故過払い金請求しなかったのか?知らなかったのか? 今となっては聞くこともできない・・・聞いてもしょうがないか) ・・・まさかとは思ったけど 「それにしても、また同じ手続きを弁護士にしなきゃいけないのか?!」 過払い金請求をする時、先ず最初に普通に考えてしまうのは 『司法書士に頼むか、弁護士に頼むか』である。 過払い金があるのか無いのかを調べるのが先決なので コレはどちらでも良いと思っていた。 何しろ謳い文句の様に双方、過払い金の相談・調査は無料なのだ。 過払い金の有無が分かってからどちらに頼むか決めるのでも良いわけだ。 ただ、弁護士には取り扱う金額に制限は一切無いが 法務大臣認定司法書士には、過払い金の金額が 140万円未満の案件しか取り扱うことができないことになっている。 だったら最初から弁護士に依頼した方が2度手間にならなくていい話。 だけど、どうしたって庶民的としては身近に感じる方に行きたくなるもんで・・・ しかし、大手だと?!そういう時の繋がりはできている様で 司法書士事務所から紹介されたのは東京の弁護士法人事務所。 郵送された委任契約の書類やら身分証の写しやら数通郵送したり、 と、1~2回の電話で今年2月に手続きが終わる。 過払い金請求には 和解(話し合い)と訴訟(裁判)のケースがあって どちらにするか選ばなければならない。 コレは弁護士からの説明があったが、 過払い金入金までの期間が和解だと半年以上 訴訟ならば一年前後かかるという。(ケースによる) 私は金額に関わらず早めに終わらせたかったので和解に決めた。 金額が多い場合なら訴訟も考える様だが その場合は、司法書士や弁護士に支払う報酬が高くなる。 (但し、必ずしも返金額が多くなるとは限らない) 過払い金請求の報酬は、 取り戻した過払い金の中から差し引く為 費用を用意する必要は無い。 「過払い金の精算金が入金された」という連絡が今年9月に入る。 金額としたらこんなもんだろうな と、予測していた様な額だった。 何しろ15年以上前から借り続けたのに時効分が多額で 最終的に私が完済させた最後の金額が、 弁護士への支払いを差し引いて戻れば良いかな くらいにしか考えていなかったもので。 それでも手元にあった金銭が戻ってくるというのは有難いこと。 「これまでかかった手間暇代だと思って頂きます」 と、手を合わす。 それでもまだまだ遺物・残物はあって、片付くまで何年かかるか分からない。 「私にお呼びがかかる前になんとかなりますように」 なんて誰に祈るともなく手を合わす。 手なんか合わせてないで猫の手借りてもいいから 早いとこ手を打ちたいというのはホントのトコである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年11月22日 04時39分20秒
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