テーマ:実のなる植物(1387)
カテゴリ:花を愛でる
梅雨の合間の晴天日のお買い物。
厚木市内を2~3軒廻った後に、思いついた買い物品が出た。 車中には直射日光を避けたい品もある。 せめて日陰の駐車場がある店が近くにないものかと 考えたらFスーパーを思い出し向かった。 Fスーパーにある整備された広い駐車場内には ドングリが実るマテバシイ(馬刀葉椎)が20本以上植樹されていて タイミングが良ければ日陰になる駐車場所に停めることができ、 非常~に有難いのだ。 が!!しかし・・・ Fスーパーの駐車場に私の求める日陰は無くなっていた ブナ科の常緑高木であるマテバシイは 冬でも緑の葉は絶えない筈なのに、初夏のこの時季この有様である そういえば・・・思い出した。 何ケ月か前に訪れた時もこんなだったか、 いやいや、思い起こせば薄茶色に変色した葉っぱだらけじゃなかったろうか、 落葉の時期なのか?!と不可解に思った記憶がよみがえる。 何かの影響か病気で1~2本ならアラアラ~だけど 揃いも揃って、全部が全部枯死状態なんて異常事態ではないか 時期が時期ならなら細長い茶色のドングリがゴロゴロ落ちてて、 この界隈に住むお子様や、買い物に来た家族連れなんても ちょっとした季節のお楽しみができたりしていたろう。 大の大人の私でさえドングリを拾って持ち帰った事があるし。 けれど、どういうことか この駐車場横の公道を挟んだFスーパーの別駐車場に植えられたマテバシイの方は 7月現在、秋に落とすドングリを成長させている真っ最中 この違いは驚異さえ感じる。 いったい枯死したマテバシイ達に何が起きたのだろうか?! 思えば・・・あれは 2022年の春だったろうか? 次男が住む山の麓の家に行った帰り。 木々が萌え、若い緑が山々をこんもりと色づかせていく中、 車を走らせる最中にふと感じた妙な違和感。 「今迄見てきたお山の春じゃない」 車中から見えただけでも枯れた色の木々が多数点在するのが目に入る。 スーパーのマテバシイと同じで 1、2本じゃないからちょっと気になるわけである。 お山の木々に何か災難が起きているのだろうか?! この時も疑問は持ったわけで・・・ (2023年夏、現在のお山の様子、枯れた木はそのまんま) で、今になって調べてみればそれは 人間界の忌まわしき新型コロナ感染症よりも早い時代から、 またそれと並行して、そして急激に ドングリを生み出すブナ科の樹木(ナラ・シイ・カシ等)の間に 蔓延しているのだ その伝染病、 1980年代以降から日本海側で被害が集団的に発生、 2020年は42都府県で発生、被害は拡大。 2022年のニュースでは狭山丘陵(「となりのトトロ」の舞台モデル)で ミズナラやコナラ等約490本が被害を受けたと話題にもなった。 その病名は・・・ ナラ枯れ (正式名称:ブナ科樹木萎凋病) ドングリを実らすことが特徴のブナ科の木を枯死させる伝染病の事 原 因 : 体長約5ミリの甲虫類カシノナガキクイムシ(カシナガ)が運ぶ、 カビの一種ナラ菌を木の幹の内部に持ち込むことで発生し 水の吸い上げを阻害する 被害の特徴: 幹に直径1~2㎜程のカシナガの穿入孔が多数ある。 根元に大量のフラス(木くず)が貯まる。 梅雨明け後~晩夏に急に枯れる。 葉が赤褐色や茶色に変色し、落葉しない 被害の影響:一度枯れた木が生き返ることはない為に・・・ 景観の悪化 (京都・奈良・富士山などでも発生) 倒木 (物的、人的被害の恐れ) 土砂災害 (水源涵養機能を低下させ大雨による被害をもたらす) 雨水を貯える働き、土砂流出を防ぐ働き、水質を浄化する働き ネットを拝見する上で、 対応する各自治体は 被害発生の早期把握(職員巡回、市民からの情報により状況把握) 徹底的な防除(樹木にカシナガを侵入、飛散させない) 枯死した樹木の伐採処理 等 の対策をすすめている様だが、思うように捗らないものが在る様だ。 (ナラ枯れと思われるお山の部分) 当初、地方自治体を悩ませる『ナラ枯れ』に 「このままじゃドングリの生る木が無くなるんじゃない?!」 なんて危機感まで感じてしまった私。 (各自治体の出したPDFやHPをよく見ればそんなことは無い) そんな心配しちゃうのも群馬の田舎育ちの私には ドングリの木は生まれた頃から何かと身近にあったせいもある。 実家前の家の垣根はドングリの生る木で、 梅雨時になるとその木肌に カタツムリ達が這う姿に子供心はくすぐられ 木々の隙間から忍び込んで取りに行った。 実家にはドングリじゃなくて、大きなクリの木が1本。 (クリもドングリの仲間) 大きなお屋敷で養蚕をする家々の周りには 2階の屋根まである立派な高い樫(カシ)の垣根があって 群馬でそれは『樫ぐね』と呼ばれている。 空っ風から家屋や屋根瓦を守る為に 周囲の北側、西側に植えた防風林みたいなものだ。 (さすがに昨今は、住宅事情や維持管理で減少しているらしい) 年下の幼馴染の家にあるカシの木には カブトムシやクワガタが棲みついていた。 村外れの神社横には、シイタケ栽培用に並べられた クヌギ・シイの榾木(ホダギ)とかあって、 雑木林でもあったソコは夏、子供達の昆虫採集場所でもあった。 昔の我が家の風呂は燃し木(モシキ)(群馬の方言=薪)で沸かしていたし、 おそらく、ドングリの生る木も薪としてそこにはあったろう。 そう、ドングリの生る木々は 私の子供の頃には時代的に必要不可欠なものだった。 そんなことも忘れる程放っておかれた木々が今、 「ナラ枯れ」という病に冒されやすくなっているという。 自然林と思われがちのドングリの林、 実際は人が利用するために植えてきた人工林なのだそうだ。 便利な時代になって薪や炭、榾木の需要が激減し、 人が利用する必要が無くなって、里山やその周辺の森林は放置され、 ドングリの生る木々は巨木化するようになってしまった。 カシナガが繁殖材料として選ぶのは、 主に高齢化・大径化した木で かっこうの繁殖材料を多量に得ることになったカシナガは、 一気に大発生するようになり被害の範囲をどんどん拡げるようになった と、各都道府県でのネット情報では語られている。 専門家によれば・・・ 主に比較的標高の低い森林の老齢大径木に目立ち、 高温少雨の年ほど被害が多い 温暖化で虫が年越しをしやすくなったことも被害拡大の一因、 数年は大きな被害が続くだろう 森林の所有者には放置がリスクを生むという自覚が必要、 今後は木材需要を高めて高齢の木を伐採し、 ナラ枯れしない種類の木を植えて森林を若返らせるなど 地道な活動が必要になる 反面、こんな語りも 里山の主木であるコナラやクヌギなどは カシナガの被害を受けた木全てが枯死するわけではない様だ。 カシナガの存在が、老齢化した木を弱らせ、 むしろ里山林の若返りや樹種の多様化を促す側面を持つことは、 ひとつの知見としておく必要がある ・・・ともある 人間界の新型コロナ感染症と同じくして 「ナラ枯れ」も今は根絶することのできないものなのかもしれない。 それでも多くの人の手や知恵を使って鎮静できるか、沈静するのか・・・ 話は出だしになるけれど、 植物に関してはド素人な私が言うのもおこがましいが Fスーパーのマテバシイもおそらく「ナラ枯れ」だったのだろうな。 それでも完全に枯れたわけじゃない様で マテバシイの枯木の足元からは多くのひこばえが伸び始めている。 私の願いは枯れた木は伐採して、選抜したひこばえを 生かしてあげれらないのかなぁ、とか思うのだな。 しかし、枯れたマテバシイの木をナン十本も伐採処理するのは 駐車場閉鎖しなきゃできないし、かかる費用はハンパないだろうし、 いつまでもこのままじゃ危ないし、 スーパーの管理者さん悩んでいる最中かもしれない 今は、ココの今後が気になっている私。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年07月16日 11時58分37秒
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