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カテゴリ:自慢ですか?
師走の寒空、クリスマスの日の寒空、年末の忙しなさに行きかう人々の足取りも早い…が、お節介達は店の前にボー然と立っていた。 おこぼれにも恵まれず、天候にも恵まれず、親の優しさにも恵まれず、青くなった唇をかみ締めているお節介。
「ルック!」 「ルック!」 ルック? ルック? ルックルック…こんにちは!? (いいから、すんなり書け!?) と、 ショーン君が、小さな声で言いながら 別に大きな声で言っても 店の中で 暖を取り ノコノコ買い物をしている 意地悪なジジババには聞こえないのに…。 「ルック」 店に向かって ショーン君が顎を何度か突き出す。 突き出された顎を見て… 突き出された顎を見て… 何故か 「ヤッパリ アメリカ人って 骨格が違うわ…」 と思いながら、ゆっくり たった今、出てきた店の方向に振り返った。 ? ? ?? 何? 目を細めて見るお節介。 何だ? ガラスのドア。 綺麗に磨かれた 全面ガラスのドア。 子供が 両手をカエルの様に広げ 顔まで ”べちゃ~” と くっ付けて外を見ている。 はいはい、 居るよね… そんな子供。 子供なら… 良いよ。 可愛いよ。 それが、 ハワイで前歯を折り 昨夜は、社会の窓を全開にし さっきまで 「どちら様?」 と、言っていたお節介オヤジが こっちを ダイナミックに… しなくて良い格好で見ている。 馬鹿! 馬鹿! 馬鹿だねぇ~、あのオヤジ! と、通りすがる人々がオヤジに目をやる。 ジーッと ジーーーーー ジィーーーーーーーと オヤジを見ているお節介達。 「君のお父さん…」 と、ショーン君が言いかけて口篭る。 彼も、今更…言葉にして 言わなくとも 理解しているのだろう…。 ジーーーーッと 見ていると オヤジ・・・ 手を振っている。 え? あ!? え? あ~♪ 入って来い!? えへへぇ~♪ と、浮き足立つお節介とミッちゃん。 数歩 オヤジが張り付いているガラスのドアに 近ずくと・・・ オヤジの振っている 手が・・・ 左右に動いている事に気が付く女二人。 足は ’’’’’ピタッ’’’’’ と、止まり…紅潮した顔は一瞬にして 一瞬にして… 一瞬にして… い、 怒りに変わった! あの、動作は? 左右に振られる手のひらの意味は? ’’’’’ シッシ? ’’’’’ 「あっち行けってか!?」 「あ”ぁぁぁぁ~!?」 と、お節介とミッちゃん。 怒りに震えている間に ドアに張り付いていた オヤジの姿が消えた。 サッ と、後ろを振り返ると 真とショーン君が腹を抱えて笑っている。 私は… 私は… この… 人込みの中… 走って… 泣きながら 走って、逃げたくなったぁぁぁぁ! オヤジに… 遣られっ放しの私と義妹のミッちゃん。 な、 何か良い方法は無いのか? と、考えるが… 真っ白に成った頭では 何も考えられず ~~ピュ~~ピュ~~ピュ~~ と吹く風の冷たさが嫌に身に染みた。 と、震えが走った と、 その時、 店の前で立ち尽くす お節介とミッちゃんが 見たものは・・・ <続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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