お節介・ 里帰り帰国をする 29
回転寿司で、上座に居座るお節介オヤジ軍団の食いっぷりで、自分の食べる物が来ないと踏んだ弟の真が立ち上がり、お節介の後ろを通り抜け、オヤジの後ろも通り抜け…イーさん夫婦が座っている横も通り抜け、2組の他のお客さんの所を通り抜け、遥かかなたの席を陣取った真を見て…お節介も小走りに真の横に行く。流石、上座…色々な寿司が取り放題。しょうがの乗ったアジを取り、タレたっぷりな、うなぎをパクついた時遠くで聞こえた…「お勘定!」の声。聞き覚えの有る声。笑いながら言う声。馴染みのあの声。オ、オ、オヤジだ!勘定…だと?私は…この席でアジとうなぎしか食べてないぞ!大慌てで、目の前に通る寿司皿を取り立ち上がりながら口に突っ込む。横に居る真など、見る暇も無い。パクパク!パクゥゥゥゥ!は、早食いなど出来ない!くくくくくぅぅぅぅぅ!苦しい!喉に・・・喉に・・・寿司がぁっぁ~ウッ、ウッ、ウッ~、モガクお節介。気にしない真。仕方が無いから、自分で胸をトントン叩く。それを見たショーン君が慌てて飛んできてお節介の背中を勢い良く・・・そんなに力を入れなくても良いだろう!と言う馬鹿力で叩く。「アッ!」と、声の出るお節介。サッと、涙目でオヤジ達が座っていた席を見ると・・・・・・・・・・・・・・・もう、居ない。い、居ないよ!あれぇ?と慌てて、真を見ると真も驚いて立ち上がる。外に小走りで出ようとすると・・・お店の人がお店の人が「お客さ~ん!お勘定、お願いしますよー!」と、声を張り上げて言う。えっ?えっ?か、勘定?慌てて、少し震えた声で「あそこに居た…オヤジ・・?払わなかった!?」と、聞くお節介。「あそこの方は何も言いませんでしたよ」と、つれないつれないお言葉。そうか・・・勘定…払ってくれなかったか。渋々、財布を広げる真。支払いを済ませ寒空の下に飛び出す真とお節介プラス ショーン君。外でミッちゃんが「東●プラザの2階か4階に行くって」と言う。プラザ!2階か4階ね!ヨッシャーと、喉を詰まらせた事も忘れ勘定を一緒にして貰えなかった事も忘れインポートショップで何も買って貰えなかった事も全部忘れて…走り出すお節介兄弟軍団。ちょっと、ごめんね!急いでいるのよ!と、人込みをかきわける。はぁはぁ、はぁはぁ、冬に走るのは…身体に堪えるわ。と思いながらも、勢い良くプラザの2階に駆け上がる…。何事でしょうか?と、人々の視線を感じても…駆け上がる。4人でキョロキョロ…4人でキョロキョロオヤジ達を探す…が、そう簡単に見付からない。4階に上がった時は、かなり疲れていた。「ねぇ、プラザの4階って言った?」と、ミッちゃんに聞くお節介。「プラザは…2階で4階は…本館かも」と、あやふやな事を言うミッちゃん。本館4階・・・本館4階・・・走る4人。本館4階に着いた時疲れすぎて、オヤジ達を探す気は失せていた。振り回されている事が馬鹿馬鹿しくなって「ふぅ~、ねぇ、買い物でもしようか?」と言って、婦人服を見だすお節介。「あ~、ヤッパリお洋服が可愛い!!」と、目をうっとりさせるお節介。お買い物している人々も、皆お洒落で小奇麗だし、店員さん達も丁寧で最高!と、その時凄く可愛いカーディガンとパンツがお節介の目に飛び込む。か、可愛い!「これ試着していいですか?」と、店員さんに聞くと優しく試着室にお節介を案内して、カーテンを丁寧に閉めてくれる。ジャケットを脱ぎカーデガンを羽織るお節介。上品なベージュが綺麗で心ウキウキする。穿いていたパンツを脱ぎフレア気味のパンツを穿こう穿こう穿こうと、した時しゃーーーーーーーしゃーーーーーーー勢い良くしゃぁーーーーーーと、一瞬でカーテンが開いた。ぎゃぁ!ぎゃぁ!ぎゃぁ!試着用のパンツを持ったまま身体を丸めるお節介…目は飛び出んばかりの大きさで見開き口は前歯で下唇を噛み締めた!瀕死状態のお節介が見たものは…<続く>