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センター試験前だったが、政経選択のMからきかれた。
“先生、TPP(Trans-Pacific Partnership,環太平洋経済協定)が 今話題になっていますけど、センターに出る可能性はありますかね?” “いや、まだ新しすぎて今年出ることはないだろう。 ただ、TPP加盟賛成論と反対論の主張の対比をちょっと調べておくと 自由貿易の方向と日本国内の産業構造の問題点、とりわけ農業問題 …というより農「政」問題が浮かび上がってきて、他の方面の理解に 役立つかもしれないよ。 一番単純な反対論の論拠は「TPPに加入すれば日本の農業は壊滅する」 とか「国土が荒廃する」というものだが、それは本当に「TPPに加入すれば」 なんだろうか? 減反を理由とする休耕田をはじめとして、農地の宅地転用のゆるい許可など すでに国土は荒れの方向に向かって一直線に向かっているのではないか? これまでの補助金政策は農「業」保護のためだったのか、 それとも(多くの既得権益を持つ)農「家」保護のためだったのか? 補助金政策とはいっても、自由貿易に与する他の国々、たとえばフランスや 韓国などは、どのような補助金政策を自国の農「業」強化のために 使ったのか? それを知るだけでも日本の補助金政策による農政は農「業」の強化を図る ためではなく農「家」保護のためであることがわかる。 農業は本来米(主要穀物)だけではないはずなのに、日本の外国米に対する 関税の異様な高さ(率に換算すると778%)って何のため? 今や日本の農業の対GDP比率は1%程度だよ。 「TPPに参加すれば農業はだめになる」じゃなくて、それとは無関係に 「今までの農政を継続してたら日本農業はだめになる」 なんじゃないかな?” センター直前ということもあり、出題されそうなところではないので 1回きりのこの場で終わらせようと、このあとこれらの問題点につき いろいろ解説しておいた。 一時はあれほど騒がれていたTPP参加問題も今はあまり報道されない。 報道されても見聞きする者に問題の核心から理解を促すようなものは皆無に近い。 これで真に前進的な国民討論なんて起きるはずがない(すべてがマスコミの責任 とは言わないが)。 大人も若者も多くは国の行く末は政治家任せ、結果に対してだけはあれこれあれこれ! スウェーデンとはえらい違いだ・・・・ 日本って一応民主主義国家なんだよね~? そう言いたいのを抑えて、 わかる高校生に話しながらうっぷんを晴らす自分であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.02.03 19:35:08
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