|
カテゴリ:詩、散文 創作物語
江ノ電の駅、駅から海が見える 踏み切りを渡ると 住宅が並ぶ、向かい側に高校が建っている、坂を上がった 道路の脇で、君が来るのを待つた 車に向かって、歩いてくる 距離が縮まり心が華やぐ 車で 八幡宮の前を右手に折れてレストランの横に車を 入れた、少し歩く君は腕をまわして手のひらを握る 細い指が私の指の間に入る 君の体温が指から伝わる 指の骨が、私の指の骨と絡まる感触 骨も細い 美術館を廻って 入り口のベンチに腰掛る 握りあつた、手をベンチで離す 少し汗ばんだ感じ 口元は微笑んだ様に見えるが疲れた様子 とりとめもない 話をゆつくりとした 隣の君はうつすらと甘い香り きつい香水は、嗅ぎたくない しなやかな身体と甘い香り 狂わせる私を 予め決めていた海を眺めるレストランは 距離がある 車に乗つて行かなければ 予定の時間が来ている 君の都合だつた 美術館を後にして 車まで歩く事に 芋のアイスで ちょつと有名な店 食べるか聞くと 首を横に振って微笑む 小物の土産物屋、隣に中華の看板の小さな店。其処に入る と言つた お腹が空いていたのだろう 朝9時に東京をでて 乗り換えて来たから もう二時だ 店の、のれんを くぐる 向かいあつた椅子に腰を下ろす 何を食べるか聞くと 壁のメニーウを見上げて悩む 特に食べたい物はなかつた 思いつきでカツ丼を頼むと 君もカツ丼と言つたんだ 若いカツプルが最初のデートに不向きな 食べ物と心に 思ったもんだ 店を出て真っ直ぐ行くと海岸に出る 途中に江ノ電の長谷駅がある 手を絡めて駅まで 歩く 君のバイトが五時からだから 間に合う為に 君を見送って 車に戻るために歩きながら 君の手のひらの感触 と甘い香りが残る 物足りない思いが残った 著自然の狩人、Hayato お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012年10月04日 18時00分05秒
|