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5月4日 13時頃
ここの佐々並エイドが最後のエイドとなるので、久しぶりに腰を下ろして休んだ。 佐々並豆腐とオレンジジュースを二杯いただいた。食欲などとっくに無くしていたが、この豆腐はとっても美味しかった。 この大会のエイドの方々は本当に温かかった。各エイドで元気をいただいた。口下手なので、ちゃんと伝わったかはわからないが、そんな思いと感謝の気持ちを言葉にして、エイドを後にした。 あと15km。ここからは国道の緩やかな上りが延々と続いた。富士五湖ではラスト15kmの上りでスパートして失敗した。ここは『まだ行ける』という気持ちを抑えて、ひたすら歩き続けた。 思えば、この大会に参加する事になったのも、富士五湖での失敗、自分の情けなさを一掃するため…そんな事を思いだしながら歩いた。 『おーい』と呼ぶ声が聞こえた。 振り返るとMIB2さんの車だった。助手席にはカルパッチョさんの姿もあった。 わざわざ東京から応援にかけつけてくれたMIB2さん。今回、ズバリはまった〔上りは歩きに徹する〕という作戦も彼の案だった。 カルパッチョさんからは、トレーニングのアドバイスを受け、オリジナルのコース地図も送ってもらった。 車に駆け寄りたい気持ちもあったが、楽しみはゴール後にとっておく事にした。 リストバンドをした右手を高く突き上げると、同じリストバンドをした手を上げて応えてくれた。 最後の往還道に入った。何度も何度も苦しめられた登山道もこれでおしまいだ。 ここまで乗り越えてこれたのは、30年の付き合いとなる友人で山のスペシャリストでもあるツツヤスくんのおかげ。 一緒に行った高尾山トレーニングでは、上りも下りも走り方やポイントを指摘してくれた。 あれがなければ、この4つの山を越えるのは不可能だっただろう。 往還道最後の下りは、足が破壊されそうなくらい急な下りの石畳だった。 一気に300m下る長い下り坂で、僕の足は限界に近づいていた。 けど、ペースはかなり落ちたが止まる事はなかった。 もし完踏できなかったら、みんなのアドバイスや応援、家族との時間を犠牲にしてまで打ち込んできたトレーニング、それら全てが無駄になってしまう。 それだけは許されなかった。 やっと、ようやく、なんとか萩往還道の石碑にたどり着いた。 往還道の終点だ。 あと4km。 もう山道も石畳もない。 [あとちょっとだけ続く] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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