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ロドリゲスとらのこども・超克編

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2007.06.08
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カテゴリ:本の紹介

米ソのアジア戦略と大東亜戦争  椛島有三/著

戦後の中国処理の問題については、昭和二十年(一九四五)二月に行なわれたヤルタ会談で決定された。この会談にはルーズベルト(アメリカ)・チャーチル(イギリス)・スターリン(ソ連)の三首脳が集まったが、ソ連の対日参戦とそれにともなう秘密協定はルーズベルトおよびスータリンの両者によって結ばれた。

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1)大連を「国際的商業港」とし、ソ連の利権が優先的に保証されること。
2)ソ連は旅順を租借して海軍基地として復興させること。
3)大連まで至る「東清鉄道」と「南満洲鉄道」はソ連と中国の合弁会社で、共同で操業すること。
4)ソ連は日露戦争敗北で割譲した南樺太を取り戻し、さらに千島列島を領有する。
※以上を換言すれば、日露戦争前の権益をソ連が回復したということである。

5)ソ連は、満州の主権も含めて中国の唯一の政府として国民党政府を承認すること。
6)ソ連は、共産党支援を停止して国民党による中国統一を容認すること。
※以上を換言すれば、アメリカが国民党政府を通じて中国本土を支配すると、ソ連が承認すること。

 よって、ヤルタ密約は、ソ連が満州を、アメリカが中国本土をそれぞれ分割支配することで合意したことを意味する。しかもこれほど重大な権益の分割合意が、当事者である蒋介石にはまったく秘密のまま決定されたのである。

 このルーズベルト大統領の決定は、重大な問題を内包していた。それは、満州には、日本が百億ドルを越える資金を投資し十四年にわたって開発した重工業設備、炭鉱などの鉱物資源、さらには日本軍が備蓄していた十年は戦争が続けられるといわれた膨大な軍需品、日本軍が満州国軍として長年訓練していた人員があったからである。

 ソ連は、満州に進撃して占領するやいなや、これらすべてを接収した上で、中国共産党を支援しない、とした約束を反故にし、中国共産党側に引き渡した。この結果、共産党軍はそれまでの貧弱なゲリラ部隊から一転して、近代装備と訓練十分な兵員を持つ強大な軍事勢力と変貌を遂げることとなった。

 一方、アメリカは、共産党側の宣伝工作によって、中国安定化のためには国民党政府のなかに共産党を合流させるべきだとする主張が強まり、そのことを国民党政府に飲ませるために、一時は、国民党政府に対する支援打ち切りまでなされた。

 アメリカのジョン・F・ケネディー大統領が、下院議員時代の昭和二十四年(一九四九)一月、「一九四一年十一月、米国は極東政策の目標が中国の統一を実現し、国民政府と強固な関係を維持することにあることを、明確に宣示していた。

ところが、戦後、国民政府を支持すべきか、それとも対華援助を代償に国民政府に中共を受け入れさせるかで、国論は二つにわかれた。

その結果、米国の対華政策は自ら悪い報いを招いた。もし米国が連合政府に固執しなかったならば、国民政府がこのような悲惨な打撃を受けることはなかったであろう。

中国の赤化を防げなかったのは、米国の利害に重大な影響を与えた。われわれは自由中国を維持するために一戦を惜しんではいけない。米国の外交家と大統領が、すべてを『無』にしたのである」と指摘している。

 ケネディー大統領は、アメリカの当初の戦争目的が国民党によって統一された中国をアメリカが獲得することであったのが、共産中国誕生への道をアメリカ自身がつくってしまったとして反省しているのである。戦後の共産中国の誕生は、アメリカにとっては予想外の悪夢の事態であった。

蒋介石は、「この『ヤルタ密約』によって、中国は共産主義者の手に売り渡されたのである」と指摘している。米ソの提携と中国分割支配構想、すなわちアジアのヤルタ体制を推進したことが、反共アジアの防衛を図ろうとした日本の主張を無視し、支那事変の泥沼化を招き、共産中国の誕生をもたらしたのである。

 ブッシュ大統領は、前号でとりあげた平成十七年五月のリガ演説において、「ヤル夕協定は、安定のために自由とデモクラシーを犠牲にした邪悪な協定であり、その点において、独ソ不可侵条約やミュンへン宥和の不正の伝統に連なるものである。この安定という目的のために自由を犠牲にしようという企ては、しかし、結局、ヨーロツパ大陸を分裂させ、不安定なものにしただけであった」と述べている。

かつて東ヨーロッパに共産主義国家が誕生したことを反省した内容であるが、この歴史認識は、今こそ、アジアのヤルタ体制に向けられるべきである。日本が中国を侵略した、という歴史観では昭和史の真実は見えてこない。米ソ両国によるヤルタ密約に視点を定めたとき、昭和史の真実は明らかになってくるのである。

以上、「草莽崛起」より転載した。
http://prideofjapan.blog10.fc2.com/blog-entry-737.html



  個人的感想としては、「戦前の日本は、そこまでひどいことをされたのか、、」と
  いうほどの、世界列強からの差別的、屈辱的な扱いを、耐えて、耐えて、耐えて、
  そして最後に戦争に立ち上がった。と理解している。

  個人的には平和こそが大好きで、地球上から戦争は無くなればよいと思っている。

  それでも、いろいろと大きい非難は承知のうえで、それでも敢えて言うならば、
  「よくぞ乾坤一擲の戦争に立ち上がった。本当に日本のご先祖様は偉い。」と思う。

  もしそうでなければ、もし不当な扱いに耐えて、戦争をしなければ、今の日本の誇り高さ
  は有り得ないと確信する。日本の誇り高さ、そして今の日本が世界の畏敬を集めるのは、
  あのとき、開戦に立ち、戦い抜いて破れ、また再び立ち上がった日本だからこそと思う。

  最後に、日中争わず。和してこそ、世界平和があると考えています。
  日中が争って、一体、誰が得をするのか。そこから思考があるべき。

  中国三千年の復活も、要諦はそこにある。半島のこともその文脈上に規定あるべし。
  日本人が思っている何倍も、何十倍も、日本とは大きい存在である。

  この本は、絶対にお勧めです。
  記:とらのこども





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最終更新日  2007.06.11 19:44:36
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