テーマ:愛しき人へ(903)
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■心を暖める座布団■
しなの鉄道の大屋駅。明治29(1896)年に開業した際の旧国 鉄時代の木造駅舎がそのまま使われている。その待合室の3つ のベンチに久留米絣(かすり)の座布団12枚が敷いてある。 座布団は25年前に始めて置かれた。駅員もだれが置いていっ てくれたか、知らなかった。翌年の夏、ある女性が座布団を洗 濯のために回収に来て、初めて真相が判明した。駅前で写真館 を営んでいる女性で、冬の夜、冷たい風の吹き込む駅舎に「せ めて座布団を」と置いたのが始まりだった。 大家族だった家には当時、使わなくなった布団がたくさんあっ た。仕事の合間を使って、その布団の綿を、これまた着なくなっ た久留米絣の着物の布地に入れて、座布団を作った。 大屋の駅や町、空気が好き。古くて素朴な大屋駅には、 絣がよく似合うと思いました。 女性は70歳になった今も、年一回の座布団の洗濯と補修を 続けている。今年も座布団を持って行くと、観光客の男性が 「こんな所に住みたいな」とつぶやいた。嬉しかった。 そこに気持ちを置かせてもらっているだけ。どうってこ とない。大屋に来て心が休まればいい。 高校一年の男子生徒は「毎日使うけど、知らなかった。感謝 しないといけませんね」 駅員の山辺真一さん(56)も「木 のいすじゃ冷たくて座れない。今ではあって当たり前になった けど、ありがたいことです」[1,p96] この女性は、新聞記事でも名を明かしていない。 国際派日本人養成講座 Media Watch:心温まるニュースより転載 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.10.06 00:53:15
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