カテゴリ:友だちの刺激
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「NOVAの闇」に光? ━━━━━━━━━━━━━ 平井 修一 英会話学校最大手のNOVAが「会社更生法の適用を申請した」。NHKニュー スで知ったが、ごく一般的には、「事実上、倒産しました」と続くのだ が、NHKには、この紋切り型の言葉がなかった。 「倒産」という言葉は法律用語ではなく、「破産」「清算」「会社整理」 が正しいそうだが、会社更生法の適用を申請し、裁判所が「破産」「清 算」「会社整理」または「再建」を破産管財人とともに決めることにな るはずだ。 倒産というと、完全に「バンザイ」「お手上げ」のイメージが強いから、 マスコミは最近はこの言葉を使わないのかもしれない。「会社更生法の 適用を申請」と言えば、まだ立ち直る可能性があるというイメージを聞 き手に与えることができる。 米国では「チャプター・イレブン」(破産法第11条)に相当し、経営が 行き詰まると、債権者に債権の減額や放棄、新たな出資者の募集をして 再建を図るのは日常茶飯事で、10年おきに「チャプター・イレブン」を 申請している猛者もいる。 日本も米国並になってきたのだろうが、NOVAを助けようという出資者は いるのだろうか。 NOVAのビジネスモデルはフィットネスクラブに似ている。利用券を先に 売りつけるが、多くの人は使いきれないで死蔵するか、解約・返金を求 める。この返金に際してNOVAは利用者に不利益を与えてきた。 その不利益はNOVAにとっては大きな収入で、こうなれば「利用券を売り まくれ、売ったが勝ち」となり、駅前に教室を次から次へと開設し、広 告を派手に打って受講生を募った。 十分な教師を揃えることは金がかかるから怠る、そのために受講生はレ ッスンの予約が取れない、結果的に解約するが、これでNOVAは儲けるの である。詐欺的なスキームである。スタッフもそろっていないのに事業 所を作りまくったコムソン(グッドウィル)の介護事業みたいだ。 500億円に近い債務の中身はなにか。大口債権者は誰か。NOVAのバックに はサラ金がいると聞いたことがあるが、どうなのか。いずれにしても債 権者は債権をほとんど放棄せざるを得ない。 NOVA支援企業の候補として「イオン、丸井、ヤフー、楽天の4社の名前 が挙がっている」(産経)そうだが、出資してどのような見返りを望ん でいるのだろう。 受講生や講師を救いたいなんて義侠心で何十億円も出すはずはない。英 会話教育の必要性に急に目覚め「NOVAの火を消すな」と支援を決意した はずはない。「この件はビジネスチャンスになる」と判断したのだろう。 NOVAの年商は500億円だが、今は資金繰りが底をつき、ほとんどキャッ ュはないし固定資産もない。債務ばかりである。 40万人と言われる受講生、数千人の講師、賃貸物件だろう全国の一等地 にある1000の教室、そしてNOVAのブランドが、資産といえば資産だ。 新たな出資者はこれを活用して一儲けしようと企んでいるのだろうが、 ヤフー、楽天のようなベンチャー企業が名乗りを上げるのは分かるとし ても、イオン、丸井のようなカタギが手を出すような案件ではないだろ うにと思う。 同業者が名乗りを上げないのは、NOVAのスキームに欠陥があると知って いるからだろう。 今回の会社更生法の適用申請で「NOVAの闇」と小生が感じていたことの 多くが明らかになるかもしれない。 以上は、知る人ぞ知るメルマガ『頂門の一針』のブログ版。 ブログ:totopapaさんの普通の国にしたいだけなのだ 我があこがれの論説。とらのこどものお勧めブログです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.10.29 20:33:19
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