テーマ:中国&台湾(3304)
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狂気の台湾の対中投資 ━━━━━━━━━━ ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成19年(2007年) 11月29日(木曜日) 通巻第2013号 △△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△ これは狂気の大胆さか、目先の利益に視野狭窄になった結果か? 台湾の対中国投資は世界最大規模。国内産業の空洞化、失業率の大膨張 ********************************* 先月、台湾に4日間滞在して、町の風景を眺めたときに、ちょっと異様 な空気を感じた。淡水から金山にかけて、所用でタクシーを雇ってドラ イブしたが、マンション群の空洞が目立った。一時好評を博した淡水の 別荘マンションに売れ残りが多発している。 「えっ?」と驚きの声をあげた。 無数に展開されていた工場敷地が、のきなみ空き地、もしくは廃屋と化 しているのである。工場で稼働しているのはセメント工場くらいしかない。 淡水で老人ホームにいる知人を見舞ったあと、海岸線を桃園国際空港へ 急いだ。 いつもの高速道路ではなく、このルートは田舎道、工場がもっと多かっ たように思う。閑散としている印象を受けた。国内産業の空洞化が、こ れほど凄惨な状態になっているとは「想定外」の出来事である。 11月26日付け『自由時報』を読んで得心ができた。 以下、比較表を掲げてみる。 対中投資の国別一覧である。 国名 対中投資金額 当該国のGDP 対中投資のGDP比率 ~~ ~~~~~~ ~~~~ ~~~~~~~~ 台湾 60・6億ドル 3459億ドル 1・74% 韓国 51・7 7931 0・65% 日本 65・3 4兆5713億ドル 0・14 ドイツ 15・0 2兆7973 0・05 米国 30・6 12兆4857 0・02% (原典 台湾投資審査委員会、2005年単年度統計。自由時報07年 11月26日付け) この比較を一瞥しただけでも、台湾の対中投資は米国の87倍、日本の 12倍! ところが、台湾から中国への投資は、法律の上限枠があるため、香港の 現地法人経由あるいは米国子会社、欧州現地法人などから、第三国を装 って中国へ向かっている分をまったく含めていない。 米国議会報告書『米中経済安全保障レポート』によれば、台湾からの中 国投資はすくなくとも、過去の累計で1800億ドルを超えているだろ う、と推計している。 ▼本当のところ、幾ら投資したのか誰もわからない 実態はもっと深刻である。 というのは地下銀行を経由する投資や、直接外貨を持ち込む少額の投資 (たとえば珈琲店、ラーメン餃子店開業資金など)の合計が含まれてい ないからだ。 これらを総合すると、少なく見積もっても台湾から中国への投資は3000 億ドル(累積の投資金額が台湾GDPの86%になる)と筆者はみてい るが、黄文雄氏は「いや、5000億ドルはある」と言う。 台北滞在中に、開かれたシンポジウムで台湾の経済学者が「台湾からの 対中投資はDGPの90%もある!」と警告を発していたが、なるほど 過去の累計合計を対GDPの単年度に比較させると、そうなる(この比 較方法は単年度に多年度累計をしているので、統計学的に意味がないが) 。。 いずれにせよ、ルビコン川を越えて敵(であるはず)の懐深くにまで飛 び込んでしまった台湾の実業界は、もはや取り返しのつかない地点にま で行ってしまった。 台湾国内産業の空洞化、大学卒エンジニアの就職先は、中国にしかない! 李登輝前総統はかねてから、過度の対中投資は、やがて中国の人質化し てしまうと強い懸念を表明されていたが、いまの台湾経済の危機は、そ の警告の予測をさえ越えてしまった。 以上は、「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」から 国際ニュースで最高にお勧めのメルマガです。 ビジネスマンも、普通の主婦の方にも、学生さんにも読んでもらいたいです。 知ってる方も多いのと思いますが、ごかんべんくださいませ。 記:とらのこども お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.12.08 20:11:26
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