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「詩」という字は、言べんに「寺」と書く…
「詩」という字は、言べんに「寺」と書く。発音も「死」と同じ。 これには何か意味があるに違いない。 そんな思いで詩人の上田假奈代(かなよ)さんは劇場寺院「應典院」(大阪市天王寺区)で 月1回「詩の学校」を開いている ▲墓地の中に入り、身近に亡くなった人のことを詩に書き、それを読む。 泣いて読めなくなれば、泣きやむまでの時を静かに待つ。 死別の体験を持つ人、持たない人がいっしょに時を過ごす行為が何よりも尊いと実感できる と上田さんはいう ▲お寺の本堂は、安置された阿弥陀(あみだ)如来像の前に黒い幕をひくと、 劇場に早変わりする。音響や照明の装置も完備し、劇団公演は年間40本を超える。 ライブや哲学カフェなど多彩な催しに年間約3万人も集まり、20代が目立つ。 ここは「日本一若者が集まるお寺」だ ▲母体の浄土宗大蓮寺の住職、秋田光彦さんがこの寺を開いたのは97年。 阪神大震災、オウム真理教、神戸の酒鬼薔薇事件などに日本の仏教はどうこたえていくのかが 問われたからだ。 「21世紀のお寺はNPO(非営利組織)」と地域の若者たちに運営を委ね、 「呼吸する、お寺」をキャッチフレーズにした ▲日本には7万を超える寺院がある。その中には紅葉狩りなどの観光や葬儀を除くと もっぱら休眠状態のお寺が少なくない。 しかし、手元に届いた應典院10周年の記念誌を開くと、 お寺は若者たちが自分探しをするための最適の場所で、お寺を通して地域を元気づける 道筋が見えてくる ▲師走に入り、この1年を振り返ると、親子間で殺傷し、倫理観の崩れを示す事件は 後を絶たない。 お寺にはサンスクリット語で「いのちを光り輝かせるところ」という意味がある。 全国各地にこんなお寺が増えれば、日本は変わるかもしれない。 <毎日新聞 2007年12月3日 東京朝刊/a> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.12.04 19:59:52
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