テーマ:ささやかな幸せ(6742)
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目と芽、鼻と花、歯と葉、耳と実(み)、頬と穂(ほ)。顔
と植物の各パーツが、まったく同様の音を持つ言葉で呼ばれて いるのは、偶然だろうか? 万葉学者の中西進氏の説によれば、これらは語源が共通して いるからだと言う。漢字にすれば、まったく別の言葉のように 見えるが、古代の日本人は、顔のパーツも植物のハーツも、 「め」「はな」「は」「み」「ほ」と同じように呼んで、同じ ようなものと考えていたようだ。 たとえば、鼻は顔の真ん中に突き出ている。同様に「花」も、 植物の枝先の先端に咲く。そして岬の端も「はな」と呼ぶ。薩 摩半島の「長崎鼻」がその一例である、さらに「かわりばな」 「しょっぱな」「寝入りばな」など、物事の最初を表す意味も 持つ。 「からだ」とは、幹をあらわす「から」に接尾語の「だ」がつ いたものである。「から」が植物にも使われた例は、稲の茎の 「稻幹(いながら)」、芋の茎の「芋幹(いもがら)」などの 言葉に残っている。 古くは手足のことを「枝(えだ)」と呼んだ。「手」「足」 と呼び分けるようになったのは、奈良時代あたりからである。 もう明らかだろう。我々の先祖は、植物も人体も同じものだ と見なしていたのである。すべては「生きとし生けるもの」な のだ。こうして古来の大和言葉の源を辿っていくと、古代日本 人の世界観が見えてくる。 このシリーズは続きます。 ■リンク■ a. JOG(318) 国語の地下水脈 日本人の感性を磨いてきた名文を暗誦すれば、生きる力が湧いてくる。 http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h15/jog318.html ■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け) →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。 1. 中西進『ひらがなでよめばわかる日本語』★★★、 新潮文庫、H20 http: //www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101348510/japanontheg01-22%22 2. 中西進『日本語の力』★★★、集英社文庫、H18 http: //www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087460630/japanontheg01-22%22 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.08.07 09:09:54
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