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ロドリゲスとらのこども・超克編

ロドリゲスとらのこども・超克編

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2008.08.07
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 目と芽、鼻と花、歯と葉、耳と実(み)、頬と穂(ほ)。顔
と植物の各パーツが、まったく同様の音を持つ言葉で呼ばれて
いるのは、偶然だろうか?

 万葉学者の中西進氏の説によれば、これらは語源が共通して
いるからだと言う。漢字にすれば、まったく別の言葉のように
見えるが、古代の日本人は、顔のパーツも植物のハーツも、
「め」「はな」「は」「み」「ほ」と同じように呼んで、同じ
ようなものと考えていたようだ。

 たとえば、鼻は顔の真ん中に突き出ている。同様に「花」も、
植物の枝先の先端に咲く。そして岬の端も「はな」と呼ぶ。薩
摩半島の「長崎鼻」がその一例である、さらに「かわりばな」
「しょっぱな」「寝入りばな」など、物事の最初を表す意味も
持つ。

「からだ」とは、幹をあらわす「から」に接尾語の「だ」がつ
いたものである。「から」が植物にも使われた例は、稲の茎の
「稻幹(いながら)」、芋の茎の「芋幹(いもがら)」などの
言葉に残っている。

 古くは手足のことを「枝(えだ)」と呼んだ。「手」「足」
と呼び分けるようになったのは、奈良時代あたりからである。

 もう明らかだろう。我々の先祖は、植物も人体も同じものだ
と見なしていたのである。すべては「生きとし生けるもの」な
のだ。こうして古来の大和言葉の源を辿っていくと、古代日本
人の世界観が見えてくる。

  このシリーズは続きます。


■リンク■
a. JOG(318) 国語の地下水脈
日本人の感性を磨いてきた名文を暗誦すれば、生きる力が湧いてくる。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h15/jog318.html

■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 中西進『ひらがなでよめばわかる日本語』★★★、
新潮文庫、H20
 http: //www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101348510/japanontheg01-22%22

2. 中西進『日本語の力』★★★、集英社文庫、H18
 http: //www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087460630/japanontheg01-22%22





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最終更新日  2008.08.07 09:09:54


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