ロドリゲスとらのこども・超克編

田植えが終わって、カエルが鳴くと夏が来たという気がした。
畦を走る横で、稲の苗がぐんぐん伸びる。

私の好きな風景は、田植え直後の田んぼが大好き。
まるで海のように見えた。ときには大きいお空が映り込む。

にいにいゼミが鳴き出すと、いよいよ夏だ。
アブラゼミが鳴き出すと夏本番。暑くって汗いっぱい。

ずーっと永遠、夏が続くと思うほどの
毎日毎日が過ぎていって、

ハダカで泳いだ後の、川の淵から上がると
唇は紫色。風が寒くて震え上がる。

空にはいつしか、赤とんぼ。
つくつくぼーしに、ひぐらし鳴いて、夏の終わりを告げている。


でも大丈夫。
いちじくは終わったが、やまもも、びわ、なつめ、

初秋の山の実りたちが、僕たちを待っているのだ。
ときどき、頭のなかを、あの頃がリフレインする。

今もあの山のうえには、
あの大きな入道雲が、ぐんと大きくそびえているんだろうか。

まるでその景色は、前世の思い出のような気がする。
夏の前に、夏を懐かしむ。ちょっと変ですね。。。。

記：とらのこども