ロドリゲスとらのこども・超克編

ご飯の炊き方と玉子焼きは、おかんに教わった。
小学校のときやった。

共稼ぎやったから、おかんが家に帰ってきたら、
炊立てご飯ができてると、うれしそうに笑った。

リンゴの皮むきは、憶えることなく、
家を出て、やがて、一人暮らしになった私です。



１１年くらいひとりで暮らし、
ある時、私の家にふと彼女が転がり込んできた。

先生だった彼女ゆえに、

夏休みとかになると、タッパに詰めた夕食持参、
味噌汁は、水筒につめてやってくる。

リンゴの皮剥きは、その彼女に教わった。

まるくぐるぐると、皮をつなげて剥くとばかり
思っていた私に、

「そうじゃないの、縦に剥くのよ。」
そう言って、

最初に半分、また半分と、林檎を切り分けて、
芯を取り、縦にするりと剥いたっけ。

「ね、簡単でしょ！？」
笑って、白い歯をみせてくれた。

見てると簡単。やると難しい。
やっぱりできない私。

それから早いもので、四半世紀も経った。

今もリンゴの皮は剥けません。
山の神に、「リンゴ剥いてーー！！」とお願い。

「リンゴくらい剥いてよ！！」
「もー、役立たず！！」

記：とらのこども



でも、彼女がいないときはちゃんと剥けます。
子供らと、一緒にリンゴを食べてます。

これ、秘密です！！

皮むきのコツは、遠慮せず、分厚く剥くこと。
これが、ずっとできなかった理由です。。。