チビ出版社★社長の独白

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• 変わり身の速さ

  　昨年、出し始めた年度版のシーリーズを、全面的に見直すことにしました。　宅建という資格試験の参考書で、再受験者に特化した全６冊という大掛かりなものでした。　それを発刊２年目で、大幅にラインナップの変更と内容の改変を行います。まだこれからというときですから、正直抵抗も多少はあるのですが、ここは、えい！やっとやることにしました。　著者も同意見ですし、見直しにかかる膨大な時間も受けていただけることになりましたので、比較的すんなりと企画変更の了承は受けられたのです。　ただ、全面的に書き直していただくわけですから、並大抵のことではありません。ろくに印税もお支払いしていないですから、心苦しいばかりなのですが。　理由はいくつかあるのですが、その最大のものは、想定した売り部数に遠く及ばなかったことと、読者アンケートのご意見からです。　　まあ、要するに期待した部数まで行かなかったので、ご意見に忠実に従い、企画そのものからやり直すことにしたのです。　大手版元さんでは、面子もあるでしょうから、なかなかこうはいかないでしょうが、弱小零細版元は、朝令暮改は当たり前、変わり身のよさが身上です。　ダメだと判断したら、即撤退です。傷はできるだけ小さく、が今の時代続けられるコツかもしれません。

  2008.11.18

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• 時のたつのは早いもの

  　更新しないでいるとあっという間に時間がたってしまいますねえ。　辛抱強い読者の皆様、誠に申し訳ございません。　これから年末にかけてさらに予定が詰まっているのですが、できるだけ更新していきますので、ここはひとつ、お許しください。　最近の出来事で特にお知らせしたいのは、雑誌を発刊したことです。それもファッション誌。厳密に申し上げると、雑誌の形の単行本なのですが、一般の方にはそれはどうでもいいことでしょう。　その雑誌の発刊について、すったもんだのてんこ盛り、はたはた疲れてしまいました。それが更新をする気をなくさせた原因でもあるのですけど。　取り次ぎさんとの間で、いろいろありました。特にトーハンさん。親方日の丸といいますか、御山の大将といいますか、どちらにしても下々の人間には迷惑な存在であるわけで、もう、どうにかしてくれませんかねえ。　正味、歩戻し、配本部数、弱小零細版元をいじめるのは止めてくれませんか。　取引条件の改悪はもちろんのこと、配本部数は、予定の十分の一、押し込み営業はしませんので、これ以上リアル書店さんには流れません。　同じ雑誌を大手さんが出していたらきっと違った展開になっていたでしょう。　残念です。

  2008.11.13

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• 編集者として

  　この欄でも何回も書いたことですが、版元として、究極の願いは、１冊の本で、経営が安定するほどの売り上げがあり続けること、これに尽きる。　ベストセラーは一過性のもの、１冊のロングセラーで、社員すべてが食べていける。こんな本の誕生を願っている。　聖書のような本ができれば、それで十分なのだ。　夢の話である。　現実は厳しい。厳しいを越してしまって、過酷だ。　そんな中でも本を出版していかなければ、可能性自体がなくなる。究極の願望は、心の隅において、まずは初版を売り切る。数ヵ月で増刷。年間数千部が必ず売れる。　というような企画を出し続けなくては目先の経営ができない。　ただ、、チビ版元の方向性として、年間ある程度の部数が、数年にわたって、コンスタントに売れていく本を、何冊か持つ。というのが、現実的だろう。　年間５千部売れる本を１０冊持てば、チビ版元はそれで十分なのだ。　チビ版元の編集者は、上記のことを踏まえて、企画を立てなくてはならない。　息の長い本をどれだけ出せるかが、編集者の評価基準になる。　下手な鉄砲も的な出版は、チビ版元ではもともとできない。限られた出版点数の中から、そういうロングセラーをつくっていかなくてはならないので、ハードルは、大手の版元編集者よりもむしろ高いのかもしれない。　方法論はいくらでも唱えられるが、仕事は現実である。　現実は、本を作らなくてはならないし、それを売らなくてはならない。　まず本を作るためには、企画と著者だ。　企画立案は個々人の素養もあるだろうが、著者に関しては、探して会えばいい。会うことによって、何かが始まる。必ず始まる。　だから、編集者は、著者候補とどれだけ会えるかが、仕事の大部分だといってもいい。　それは規模の大小にかかわらない編集者の資質だ。　　

  2008.10.01

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• ランキング

  　版元が、自社の出版物の売れ行きを調査する方法として、一般的なものは、今はもう、紀伊国屋書店さんのパブラインでしょう。　これはもう、相当便利な情報で、自社の個別の商品だけでなく、他社さんのすべての本の売れ行き情報が一目でわかるらしいのです。　らしいというのも、チビ版元はこのサービスを利用していないので、詳しくは知らないのです。ですからそうらしいとしかいえないのですけど、先輩方にお話を伺うと、増刷のタイミングから、広告の打ち方まで、パブラインで決めているそうですから、経営的な判断に、大きく寄与しているのでしょう。　月間で相当な金額をお支払いしなければ、このサービスは受けられないようですから、弊社のようなチビ版元では、まだまだです。　いっぽう、アマゾンさんの売り上げランキングは、タダで見ることができます。それに１時間ごとの更新ですから、ほとんどリアルタイムで、本の売れ行きが把握できます。　最近は、ランキングの高低で、どれぐらい売れているのかも、およそ想像することができるようになりました。　チビ版元の書籍の場合、最も売れている本で、大体全体の売り上げランキング百位台から２、３百番台を行き来しています。こういう本で、１週間で、百冊程度は出るでしょう。もっといく週もあります。　同じ百番台でも月間で、１千部も出た月もありましたから、一概には断定できませんが、いずれにせよ、数百の単位のようです。　売り上げランキング千位代は、日に数冊売れるぐらいで、上がるようです。万番代は、日に１冊程度、１０万位代は、２、３日に１冊程度で、上がってきます。　感覚的には、上位数百になると、よく売れているなあと、実感できるような注文数が、取次ぎさんから入ってくるようになります。　これに実数がわかるようなサービスをはじめてくれれば、もっと購買意欲もわくかもしれません。テレビショッピングのように今何冊の注文が来ていますというような情報が画面で見れれば、面白いですよね。　アマゾンさん考えてみてくれませんか！

  2008.09.11

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• アマゾンさん

  　久方ぶりの更新です。　夏休みの疲れが尾を引き、意欲減退、食欲不振で、なかなか立ち直れない状況でした。　東京の天気のように、今朝目覚めましたら、ちょっと元気が戻ってきたような、ささやかな希望が湧いてきました。　それで更新をする気になったわけです。　この欄でも、何度も取り上げていますが、アマゾンさんの売り上げ、ランキングについてです。　チビ出版社の状況を大まかにお話しすると、月間売り上げの３分の２近くをアマゾンさん１社単体で占めるまで、その売り上げを伸ばしてきました。　残りの３分の１が全国のリアル書店さんということになりますが、ここには当然、紀伊国屋さん等の大型店さんも含めてのことになります。　ですから、アマゾンさんの売り上げが、チビ出版社の生命線になっているわけで、そのものずばり死活問題なのです。　よく言われることですが、アマゾンさんの対応、版元に対するリスポンスの悪さ、大手版元さんには違うのかもしれませんが、チビ版元にはそれはもうつれない態度なのです。　新刊を出してもジャンルには入れてくれませんし、すぐ、在庫切れの表示にしてしまいますし、それをなかなか訂正してくれません。　ジャンルに関していえば、トップ３ぐらいに売れている本が改定しても、入れてくれません。　そこで苦肉の策で、改定なのにバーコードを変えないで出しました。そんな本もあります。　リアル書店さんにとっては、大変紛らわしいことでしょうが、ことアマゾンさんに限っていえば、これはいい方法かもしれません。　同じバーコードで、旧版と新版があるのですから、書店さんでは困るでしょう。アマゾンさんの場合は、写真を入れ替えるだけですみます。旧在庫の問題はありますが、それは個別に対応してもらえば良いので、とにかく新刊をジャンルから外さないことのほうが大切です。　　

  2008.08.27

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• 産経新聞さん

  　私用で田舎に帰郷しておりました。久方ぶりの更新です。　来週の29日産経新聞さんに広告を出します。また、半五段という結構大きなものです。　産経新聞さんは他の新聞さんと変わっていて、1面の書籍広告を数年前に廃止いたしました。まあ、諸般の事情があったのでしょうが、結局は集まりが悪かったのでしょう。　定価換算すれば、朝日新聞さんなどでは、1面の広告だけで、1千万円近くなるはずですから、新聞社さんにとっては大きな金額ですよね。　ただ、弊社が出している毎日新聞さんあたりになると、もしかすると、百万にもならない日があるのじゃないかと思われるような、値段設定のときがたまにありますから、朝日読売さんは別格なのでしょう。　以前生まれ故郷の地方紙に広告を出したことがあります。　ただ単に、本当に見栄で出したのですけど、そのときの出稿費が３万円でした。　部数から言えば当たり前なのかもしれませんが、これでも高い気がしました。だって、注文がまったくなかったですから。　　ですからといいますか、産経新聞さんは、大き目の広告しか取り扱っていません。それでもチビ版元が出せる範囲の出稿費になるときが、たまにあるようです。　どちらさまも厳しいのですなあ。　

  2008.07.24

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• 投稿から新企画

  　十数年この仕事をやっていて、実は初めてのことなのですけど、ご投稿いただいた企画にＯＫを出しました。　それも遠方にいらっしゃる著者の方で、まだお会いしたこともありません。　純粋に企画だけで判断いたしました。　著者の方に対しては何のしがらみもありません。もちろん、担当編集者として、これから関係を育んでいくとは思うのですけど、ＯＫを出す要因には含まれなかったということです。　実は、この方昨年にもご投稿いただいていました。同じ企画です。　編集者としての意見をつけて、弊社では出版化は難しいと少々きつめのご返事を差し上げていたのです。　それを書き直されました。それに対してもまた注文を出しました。　再再度書き直すとおっしゃいました。　その段階で私としてはもうＧＯでした。　それもできれば、３冊同時発刊です。資格試験の参考書ですからできることですが、よく考えてみれば冒険ですよね。

  2008.07.10

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• 新刊の出し過ぎか

  　この４月から２ヵ月間で発刊した新刊が、７冊もある。独立当初からだいたい年１０冊程度の新刊を出してきたから、これは異常なことだ。　もちろん改訂版も含まれるが、来月発刊予定の本がもう既に、４冊は決定しているので、年度始まって３ヵ月で年の発行予定をクリアーしてしまうことになった。　自費出版の版元ではないので、つくればいいというわけではもちろんない。売れてもらわなければ、元も子もない。　制作費も、年間の支払い予定の金額をもう既にオーバーしてしまっている。いったいどうなるのだろう。　それどころか、依頼まで含めると、１０本以上の企画が進行中だ。予定通りに原稿がくることになると、年間２０本以上の新刊刊行ということもありうるかもしれない。　いくらなんでも社員４人のチビ版元としては出し過ぎじゃないかと思う。　以前も書いたが、究極の出版志向は、年間１冊の新刊で、みんなが食べていくだけの売り上げを目指すというもの。　それもできれば、売り切りの企画ではなく、末永く売れ続けるもの。年間１万部から２万部売れる本が、１０本あり、それが毎年繰り返し売れ続けていく、なんていう企画。　そういう本は、ある程度の時間をかけて育てていくものかもしれない。下手な鉄砲も数うちゃ当たる的な出版では、もちろんちび版元は早晩行き詰る。　でも出してみなけりゃ分からないというのも本音のところではある。　ジレンマだ。　

  2008.06.27

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• 新聞広告について一考察

  　日経新聞と読売新聞に続けて広告を出稿いたしました。　掲載料は、いくら安くしていただいてるとはいえ、チビ版元にはそれなりにこたえる金額ではあるのです。　弊社は、ＤＭはまったく行っていません。もちろんテレビや雑誌広告もやっていないので、広報活動といえば、ネットと新聞に限られてしまいます。　ある意味ネットの広報活動も、広告といえますが、要するに、対外的にアピールするのは、新聞広告ぐらいしかないのが実情です。　その新聞広告は、各新聞社に出稿規定があり、細かく審査されています。　最近問題になっているのが、健康や健康食品を扱った本や雑誌のようです。　医師法や薬事法に絡んで、版元が摘発される事例が多々あるので、新聞社側が慎重になっているのです。　この文字はダメだとか、この表現は使えないとか。　チビ出版社の場合では、アマゾンさんのランキング表記でチェックを受けたことがあります。日時を確定しろというものでした。　一方的に敬愛している版元の社長さんの言葉です。　｢最近の新聞広告は荒れてきている。品というものがなくなってきた｣　確かに、週刊誌や自費出版の広告ばかりでは、何か、新聞自体の品格を下げているような気がしないでもないですねえ。　ちょっと言い過ぎかもしれませんが、紙面的にもきれいでもないです。ああこれはタイアップの本だなあと明らかに分かってしまうような本ばかりの紙面では、記事自体の信憑性も疑われてしまいます。　新聞自体が広告で成り立っているものという大前提があるのも承知していますが、それにしてもなあ、という気持ちなのです。　だからチビ出版社の広告を出しなさいといいたいのですけど、まあそれはおいといて、しっかりした出版を続けられているチビ版元さんが多くあります。そんなチビ版元には特別の料金設定にしていただければなあ、とせつに思う次第です。

  2008.06.17

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• 倉敷料

  　だいたいのチビ版元は、在庫倉庫と取次さんへの搬入引き取り業務を、外部の業者さんへ委託しています。　よく出版サービスと言われる業種の会社ですが、チビ出版社も、設立以来お付き合いいただいております会社が千葉の松戸にあります。　その出版サービスさんとの取引形態は様々あり、各版元さんによって違っているようです。　弊社のように、在庫整理から取次さん業務の全てを一括してお願いしているところもあれば、自社の倉庫を持ち、取次さん業務のみを委託したり、在庫のみを預っていただいたりと、版元さんの事情によって、相談にのられているようです。　当然、料金も、どの取引条件にも合うように細かく設定されています。　長い間チビ出版社の場合は、グロスでいくらというとんでもなくアバウトな料金を設定していただいておりました。　どんなに在庫があろうとも、どんなに返品が増えようとも、毎月これだけと定額に決めていただいておりました。　もちろん見直しもあり、それなりに増額はしてきたものの、それでも相当に安い料金でやっていただいておりました。　それが数ヵ月前、君のところもまともな出版社になってきたから、そろそろ正規の金額で取引をしてくれないかと、社長さんからいわれたのです。　試しに、正規の料金設定で、見積もりを出していただきました。　驚天動地、目もくらむような数字が出てきたのです。　それからが大変でした。　年間の必要経費や、売上目標、売上実績等をあれやこれやし、何度も何度も電卓をたたいては、メモ書きし、税理士の先生に相談しては、また電卓をたたくという毎日を、ここ何週間か過ごしておりました。　その間、出版サービスの社長さんと何度も話し、話しては蹴られ、はなしては呆れられの連続、はたはた疲れてしまいました。　出版社は、印刷会社と出版サービスさんには、嘘がつけません。他に嘘をついているわけではありませんが、この二つの会社さんには、売り上げのほとんどを知られています。　内情が筒抜けなのです。　だからというわけではないですけど、もう観念いたしました。　だいぶまけていただきましたが、それでもこれまでの３倍の費用がかかることになりました。３倍です。人一人を雇える以上の経費が年間で出ていくことになりました。　しばらくは立ち直れません。　それぐらいの会社になってきたんだと胸をはって受け止めろといわれるかもしれませんが……　経営は、支払いを続けることといいます。　少しは、会社らしくなったのでしょうか。

  2008.05.30

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• 結果報告

  　この２、３週間で延べ４本の新聞に広告を出稿してきました。このペースは、チビ出版社設立以来初めてのことでしょう。　使った広告費は、相当な金額になります。定価で換算すれば、人一人を雇えるぐらいの投資をしたことになりますが、その結果はどうだったでしょう。　当たり前のことでしょうが、はじめに出した広告のリスポンスが最もいいものでした。２種類の広告を出しましたが、１つはほとんどハズレのようなものでした。　紀伊国屋さんのパブラインに加盟していないので、リアル書店さんの状況は今ひとつつかめませんが、ネット書店のアマゾンさんは、１時間ほどのラグで売り上げの状況が画面上で確認できます。　冊数までは、当日には分かりませんが、数日後、大阪屋さんを通してだいたいの数字は教えていただけます。　アマゾンさんでは、広告を出すということで、前もって仕入れていただいた在庫が、ほとんどそのまま残っている本もありました。　リアル書店さんでは、都内の大型店さんで、若干の動きがあったようです。地方の書店さんからは、客注のみ注文をいただきました。　地方の書店さんの棚には在庫がなかったのでしょう。また、これからも在庫として持っていてもしょうがない本と判断されたのでしょう。　総括的には、やはり、かけた金額のわりには、それほど効果はでなかったというところに落ち着くでしょう。　まあ、これはやる前から分かっていたことです。何度も経験していますから。　広告は、一度では効果がないともいいます。ミルフィールのように積み重なっていくものという言い方もあります。　いずれにせよ、先立つものがなくては行えないことですが。

  2008.05.22

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• またまた新聞広告

  　実は、読売新聞にまた広告を出しました。　昨日が、東日本で、今日が西日本です。二面の五段二分の一という前回と同じ大きさです。　違う資格試験のシリーズを出しました。　これが思いのほか、リスポンスの低さに驚いています。ほとんど電話注文も問い合わせもありませんでした。　アマゾンさんのランキングも極端に上昇したというほどでもありません。　前回の広告の反応があまりに良かったので、その反動で、昨日から食事も喉を通りません。　いつもそうなのですけど、ひとつの新聞に広告を出すと、うちにもお願いしますと、違う新聞の代理店さんから連絡があるので、続けて何紙かの新聞に広告出稿するというパターンになりがちで、宣伝効果的にはどうなのか疑問がありますが、もともと日にち指定などできる立場でもないので、これも仕方ないと諦めています。　それでなのですけど、明日も広告を出します。　今度は、日経新聞です。　どうなりますか……

  2008.05.15

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• 最高は５１位

  　この前の新聞広告で、アマゾンさんのランキングが急上昇したと書きましたが、連休中に、最高５１位まで上がっていたようです。　何回も申し上げますが、総合ランキングです。ジャンル別ランキングではありません。本当に売れているだろうベストセラーの中に混じって、異種な感じがしないでもない資格書がランクインしました。　恐るべし読売新聞です。　実は今日も、広告を出しています。今回は、毎日新聞さんです。前回の読売新聞の広告をご覧になった代理店の方が、破格の金額でお話をいただきました。　ご連絡をいただいたのが先週の金曜日、当日データーをご送付し、月曜日今日の掲載となりました。　ところが、今回は、あまり反応がよくありません。　やっぱり毎日新聞というわけではないですが、どうも読者対象が合わなかったようです。　電話注文や問い合わせも少ないですし、アマゾンさんのランキングもまったく影響ないようです。　毎日新聞の読者は、全体的に高齢化しているといわれますが、今日の広告の結果からは、やはりそうかと頷かざるを得ません。　今回の広告は、若年層が対象でしたから。

  2008.05.12

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• とんでもないこと

  　とんでもないことが実現しました。　弊社の書籍が、アマゾンさんの総合ランキングで、67位にランキングされました。　総合です。ジャンル別ではありません。全ての書籍のベストセラー中67位です。瞬間風速的にこの順位に来たのではありません。　先週の広告掲載から、じわじわの伸びて今日のこの順位です。　2008年4月24日午前9時30分は、弊社にとって記念すべき瞬間になりました。

  2008.04.24

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• 読売新聞

  　東日本では昨日、西日本では今日、読売新聞の第２面に広告を掲載いたしました。　この出稿のご連絡を代理店よりいただいたのが一昨日、用意していたデータを即お送りし、審査を受け、若干の直しが入り、無事掲載されました。　直しは、アマゾンさんのランキングに日付をつけるというものでした。　出稿するたびに思うことですが、反応がドンドン落ちてきているようです。直接注文もほとんどありませんし、ネット注文は惨敗で、書店さんからの客注も数件という甚だ寂しい有様です。　その分といってはナンですが、アマゾンさんのランキングは即反応が出ました。掲載書籍のほとんど全てが相当数上がったようです。　大阪屋さんからも追い注文をいただきました。やはり、地方の読者はもう今はアマゾンさんに直流の状態なのでしょうか。　地方書店さんを中心に資格書の常備店約１千件にＦＡＸ営業をかけました。今朝の段階でこちらの戻りは７件というとんでもない数字です。これでは経費倒れです。まったく元も取れません。　紀伊国屋さんのパブラインに加盟していないので、リアル書店さんの反応はほとんど分からないのですが、電話注文も来ないですし、ＦＡＸも上の状態ですし、営業も広告のことを訪問先の担当さんから言われてもないようです。　じゃあ何で新聞広告を出すのかという命題に突き当たってしまいますが、　１、呼び水として出す　２、売れいる本をさらに売るために出す　３、著者のために出す　４、生存告知として出すこの４つに集約されるかもしれません。　

  2008.04.18

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• 改訂版

  　４月の後半に発刊する新刊の色校正が出てきました。本文が２色なので、一応全体の色の具合を見る、最終校正です。これで下版になります。　１週間ほどしてから、見本の30部程度が届けられ、各取次ぎさんに部決見本として献本し、新刊配本の部数が決まる、そんなスケジュールです。　実は、今度の新刊は、チビ版元では最も重要な本の1冊でもあるのです。この書籍は、改定に改定を重ね、今度で７度目の改訂版の発行になります。　初版を出したのが96年の12月、あれから12年も経ってしまったのですね。月日の経つのは本当に早いものです。７度も改定するわけですから、もちろん売れていますし、読者のニーズもこの12年間変わらず支持をいただいております。　資格試験の参考書なので、改定のたびに読者は、新しい方に移り変わっているのでしょうが、それにしても延べ数万人の方に読み続けられているわけです。　こういう書籍を企画出版したことを、われながら誇りに思いますし、著者にめぐり合わせていただいた出版の神様に心から御礼申し上げます。　この書籍は、著者にとっても、版元で出す初めての本でした。チビ出版社にとっては、10年経った今の礎を築いてくれた本でした。　この本のおかげで今があるといっても過言ではないほどの存在なのです。　その本が、カバーデザインを一新し、まったく違った感じの表紙に生まれ変わりました。これまでのデザインは、どちらかといえば落ち着きのないものでした。チビ版元ですから、先行されている大手さんの類似書より、まずは目立つことを最優先したデザインです。　それをシックにまとめていただきました。大学の教科書のようにといえば分かりやすいですか。売れている本はイメージを変えるなという鉄則もあるのですが、そろそろ奇をてらうのも卒業かなと思いました。　版元として全体のイメージを変えていくというわけではありません。チビ版元ですから、面白いこと驚きのあるものという出版企画のコンセプトは変えるつもりはありませんが、10年も売れ続けてくれた本です。ちょっと落ち着いてもと思ったわけです。

  2008.04.16

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• 数えてみてびっくり

  　紙代がまた値上がりするそうです。前回の値上がり分が15％程度でしたから、今回もそれぐらいになるだろうという話です。　ものによっては40％の値上げになるとのこと、これは尋常なことではありません。独立以来コストの変動には悩まされ続けてきましたが、これほどまでの幅は経験したことがありません。　製本、印刷コストの中で、やりくりできないのが実は紙代なのです。人件費、印刷費、組版費、どれかが上がっても、じゃあこれを下げてよというような交渉はできていたのです。トータルとしての印刷総経費がそれほど変わらないようにしてこれたのです。　でも紙代はどうしようもありません。原材料費が上がるわけですからもし削ってもらうとすると、営業経費の部分を全体の見積もりから均一に引いてもらうようなことをしなくてはなりません。　だいたい見積書に営業経費の項目はどちらの印刷所も最近はあまりたてておられないので、グロスでいくらというお考えなのでしょう。　その項目立てのない営業経費を、紙代が上がったからその分安くしろとはいえないですし、見積書の中でどこを削っても後々面倒になることでしょうから、そんなことはしないでしょう。　もしするとすれば、とにかく何パーセントは、全体として値引きしてくれというような交渉でしょうが、支払いを待っていただいているチビ版元の分際で、そういう強気の交渉はなかなかできないのが正直なところです。　そんなときになんですが、新刊を立て続けに出します。　数えてみてびっくり、増刷予定とあわせると、10冊ほどの新刊を４月、５月で出す予定になっています。　ただ、紙代が上がっているからというわけでもないのですが、初版の刷り部数を全体として下げていこうと考えています。　これまで3,000部刷っていたものを2,000部にするとか、2,000部刷っていたものを1,500部に抑えるとか。　単純増刷の場合でも、何パーセントかは廃棄せざるを得ないので、どうしてもロスが出ていたのです。それをできるだけ少なくしようと思うのです。　印刷経費は固定費の部分が多くありますから、同じ1万部刷るにしてもいっぺんに刷るのと10回に別けるのとでは、総金額は大幅に変わってきます。　ですからすぐ増刷するくらいなら初版を多めに刷ってしまおうと、これまでは考えておりました。　これを止めます。　利益率は悪くなっても小まめに増刷するという方式に切り替えます。　それぐらい紙代が上がっているということもありますし、倉敷料や出荷経費等を全体で抑えるということも含んでいますし、返品率をもっと下げる意味合いも考慮しています。　理想は、廃棄がゼロで全て売り切る。これを目指したいと思います。

  2008.04.03

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• レポート用紙２枚

  　レポート用紙２枚にわたって、実に詳細な誤植、誤記のご指摘を受けました。　弊社で出版している資格書のシリーズものの書籍についてです。　版元として、誤植等については、ゼロにするというのが、当たり前のことですが、実務上は、正直申し上げて、なかなか難しい部分ではあるのです。　何度かの著者校正の時間をつくり、そのたびごとに編集者が目を通し、印刷の色校正のときまで、文字の直しをチェックしても、それでも誤植は生まれてしまいます。　単純な見落とし、勘違い、実務知識の未熟等その原因は様々でしょう。大新聞でも大手版元の書籍でも、当たり前のように見つかるのだから、チビ版元の本ならなおさらと逃げることは容易いことです。　専門の校閲者がいるわけでもありません。目を通すといっても限られた人数です。外注さんに出せばそれだけコストが上がります。それでもゼロになるわけではないでしょう。　一つでも減らしていくことを目指して、時間があればあるだけゲラと向き合う。そういう姿勢が制作者には必要でしょう。なければつくればいい。時間も機会も個々人の気質も、これで十分ということは、校正に限れば、ないといっていい。　　それにしてもありがたいことです。ご指摘を真摯に受け止め、次の制作に励みたいと思っております。

  2008.03.28

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• 出版者番号が変わります

  　一般の方には何の関係もないことですが、チビ出版社は、次の新刊で、出版者番号が変わります。　実は、やっと発刊点数が、100点に達したのです。改訂版等を含めた新刊の点数ですから、単純に、100のタイトルの新刊を出したわけではないですが、中には増刷したものもありますから、気持ちとしては、100点以上の新刊を出した感ではあります。　それにしても独立して１３年、ナンとかやってこれました。新刊１点１点に思い出は尽きません。3,000部なんてあっという間に売れてしまうだろうと思って出した第１号。著者関係の直販のおかげで何とか売り切りましたが、書店売りは散々でした。　銀行倒産が相次いでいたとき、時流に乗って出した内部情報の暴露本。１ヵ月で5,000部はけましたが、その後はまったく売れず、なんとなく後ろめたい気持ちが残ったものとなりました。　２年の休眠状態の後、起死回生を狙って出した新刊が、累計で４万部近くを売り上げるヒットとなり、今の礎を築いてくれました。　たかが１３年、されど１３年。これからもっと頑張らなくては、次の１３年はないかもしれません。心機一転気合を入れなおせ。　ところで出版者記号ですが、ＩＳＢＮコードの中にそれぞれの出版者にあてられた番号があるのですが、既刊本が100点になったことで、これの桁数が１つ減るのです。　出版社としては、若干ランクが上がったような気がしないでもないのですが、たいしたことではありません。ちなみに次に変わるのは、９９９点出したときですから相当先の話です。

  2008.03.21

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• 月200冊が目標

  　何も月200冊の新刊を出すというわけではありません。1冊の本が平均して月200冊売れればいいというささやかな目標です。　チビ出版社の規模からいえばこんなものなのです。この条件をクリアーしている本は、現在、数冊しかありません。　月200冊で年間2,400冊、初版3,000部なら8割の実売、上々の成績です。　普通、書籍というものは、ベストやロングセラーにでもならない限り、発刊から数ヵ月間の売り上げが一番良くて、その後徐々に落ちていうというパターンが多いものでしょう。　何かの作用でもない限り、既刊が突然売れ始めることなど万に一つもないのです。　ですから、毎月数百冊売れ続けるというのはどちらかといえば稀な本といえるかもしれません。　ただ、チビ出版社の経営は、そういう本を1冊ずつ積み重ねていくしか安定する道はないと思っています。月200冊売れる本を、10冊、20冊、30冊と揃えていくことが目標です。　したがって、時事企画や今売れ筋の話題本などを、出版することは原則としてしません。　1、２ヵ月で数万部売れるような本も確かに魅力的ですが、そういう企画を追い続けるのは、経営的に相当安定していなければできないことでしょう。　まして今の出版界の状況からいえば、著名なごく一部の著者を除いて、数万部売れ続けるなど不可能に近いことに違いありません。　人脈もコネも知名度もないチビ出版社です。　1本1本の企画で勝負するしかありません。　月200冊、売れ続ける企画、そういうものを求めています。

  2008.03.11

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• とうとう２倍

  　先月の売り上げが出ました。　全体は横ばいですが、取次別にみると、大阪屋さんの伸張が著しいのです。　つまり、アマゾンさんの売り上げがここにきてまた伸びているのです。　アマゾンさん単体の売り上げだけで、トーハン、日販さんのトータル金額の２倍になりました。　大阪屋さんの場合、アマゾンさんの仕入れ分は明確に区別されているので、単純比較が可能なのです。　これまでも書いてきたように、地方の書店さんの売り上げが、単にアマゾンさんに付け換わっただけなら何の意味もないことですが、チビ出版社の書籍など知ることができなかった読者の方が、新たにアマゾンさんのランキングやレビューなどで認めていただいて、購入していただいたのなら大変ありがたいことです。　もともとチビ出版社の本は、大型書店さん中心の販売方法ですから、どちらかといえば後者の場合が多いのではないかと考えています。つまり、アマゾンさんおかげで、新しい読者とめぐり合えたと。　私の田舎であるあの僻地の島根県でさえ、早ければ翌日には届くのですから、これは大きな購買意欲につながりますよね。　特にランキングです。ここには版元の大小など関係ありませんから。ジャンルに入れてもらえないという弊害もあるのですが、一度入ってしまって、高順位をキープできれば、売り上げに直結します。　以前も紹介した小社の書籍ですが、小さなカテゴリーで、去年の春から連続して１位になっています。　多い月では1,000冊以上、平均でも７００冊以上の注文をいただいているのではないでしょうか。ありがたいことです。

  2008.03.04

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• 著者を探しています。

  　数えてみてびっくり、１０月までの上半期に発刊予定の本が、２０点以上もあるのです。その間、増刷、改定本もあるでしょうから、作業をしなくてはならない本の総数は、２５点以上になるでしょう。　昨年１年間の発刊総数が１９点でしたから、これは驚異的な出版ペースです。何本かは下半期にずれ込むでしょうが、それでも半年で去年の発刊点数以上の出版をする予定になっていますからただ事ではありません。　そのほとんどが、資格試験の新しいシリーズ物です。これまでお付き合いをいただいた著者の方の企画もあるのですが、今回の出版が、まったく初めてという若葉マークの著者の方もいらっしゃいます。　ただ、問題なのは、下半期の企画がまったくの白紙だということです。何も決まっていません。投げかけている案はあるにはあるのですけど、これはどうなるか分かりませんから。　出版社は、常に企画を求めています。もちろんその版元の出版傾向にあったものでなければ、実現はしづらいでしょうが、それにしても、常に新しい企画を探さなければなりません。　チビ出版社も著者を探しています。編集者としてアンテナは立てているつもりですが、なかなか見つかりません。書いてみたいという方はたくさんいらっしゃいますが、また、その方が実際に原稿が書けるとは限りませんから厄介なのです。　正しく申し上げると、原稿が書ける著者の方を探しています。資格試験、ビジネス全般、語学のジャンルで原稿が書けるという方はいらっしゃいませんか。　企画はこちらが考えます。お知り合いの方でもご紹介いただければ、幸甚でございます。　

  2008.02.29

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• やはりチビ版元は企画が勝負

  　何度も申し上げていることですが、リアル書店さんの平台も棚も大手版元さんの既刊本と新刊で、常にいっぱいの状況です。　毎日同じような新刊が何百冊となく出版され続けていますから、棚の中に１冊残ることさへ難しくなっています。　新刊配本されて一度も並べられることもなく、版元に返品されるいわゆるジェット返品のいかに多いことか。　１週間後に半分が返品されてきた新刊もありました。　そのような状況の中で、チビ版元が生き残っていくのは大変難しいことです。この１３年間骨身にしみるほどその辛さは感じてきました。　たった１３年ですが、生き残れた理由がいくつかあると思います。　1、ジャンルが確立されている本を出した。　　つまり、書店員さんが棚のどこに並べるか一目で判断できる。　1、似ているが違うもの　　つまり、既刊本と比べられるということ。　1、製作コストをとにかく抑える　　出費はできるだけ少なくが基本。　1、できるだけジャンルを特定する　　営業効率からいってこれが一番かも。　1、ジャンルは特定できるが、類似書がないもの。　　2番目の理由と相反するようですが、棚にしっかり生き残るための条　　件でもあります。　まだまだありますが、いずれにせよ、大手版元さんと同じような企画を出していては、棚にも残りませんし、会社も生き残れないということははっきりとしています。　チビ版元の存在証明とか存在理由とかの話にもなりますが、大手さん同士でも競争があるわけで、そこに真っ向から勝負しても勝敗は目に見えているので、ちょっと斜にかまえて挑んでいくスタイルといいますか。

  2008.02.19

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• 平積み

  　以前この欄にも書いたことですが、極論を言ってしまうと、リアル書店さんでは、｢平積み｣でないと本は売れません。　ましてやベストやロングセラーなど、棚ざしの本から生まれやしません。　したがって各版元の書店営業は、できるだけ自社の平積みを増やすよう毎日書店さん回りに明け暮れているわけです。　棚以上に平台のスペースは限られていますから、この競争は熾烈極まりないものです。特に後発で知名度もない版元にとっては厳しいものになります。　すでに大手さん同士の競争を勝ち抜いて平積みになっている本の内どれかを選び、棚ざしに移動していただいて、その空いたスペースに自社の本を並べてもらわなければならないのです。　だいたいの営業トークは、　「この平積み書籍の内、最も売れていない本はどれですか？」　「それを一時期、棚ざしにしていただいて、弊社のこの本を積んでいただき、しばらく様子を見ていただけないですか？｣　｢その間に、お役に立てないようでしたら、また棚に戻していただいても構いませんから｣　というものでしょう。　だいたいどこの版元営業さんも言っていることだと思います。　ですから、書店さんも慣れっこになっていますから、かわすトークもいろいろ準備されています。　そこを何とかとお願いするしかありません。　もちろん他店さんの状況や実績などを説明しながら説得するのです。　１回でダメなら二度伺います。二度でダメなら三度伺います。この繰り返しです。ですから紀伊国屋本店さんとのクラスになると、週何度も訪問することになります。　それでもダメなことが多いのです。悲しいですが。　独立した当初、八重洲ブックセンター本店さんに、それこそ毎日うかがっていた時期がありました。そうすると自社の出版物の売れ行きが１冊単位で分かりますから、即、直納するのです。ハイ、１冊だけですけど、仮伝書いて、持っていきました。　そうやって棚や平台を確保していきました。地道なことですけど、後発のチビ版元が、書店さんに可愛がっていただくためには、これぐらいのこと当たり前だと思っています。　

  2008.02.06

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• 効率的な営業

  チビ出版社の場合、新刊委託の部数は、極力抑えるようにしています。　独立当初や、ビジネス系の書籍の出版時には、新刊委託が２万部なんていう、今では考えられないほど流した時期もありますが、お取引いただいている６社の取次さん全部を合わせても、千部に満たない部数しか最近では配本していません。　歩戻しという新刊委託手数料を支払わなくてはならないという意味合いもあるのですが、最も気にしているのは、返本率を上げないということです。　新刊委託に限っていえば、返本率が８割を超えた本もありましたし、実売数が、新刊委託部数以下というみっともない数字の本も出したことがあります。　たとえ実売数が微々たるものだったとしても、書店流通には、限りなく実売数に近い数しか回さなかったとすれば、返本率は自ずとゼロに近くなるわけです。　それほど取次さんは、返本率という数字にこだわっています。版元としても、出入りの多い本というのはそれだけで手数料がかかってしまうものなので、いくら実売が上がったとしても、できるだけ効率よく売りたいと考えています。　同じ１万部売れるにしても、倉庫→取次→書店さんという流通経路を何回転もした本と、客注品として１回だけの本とでは、１冊にかかるコストがだいぶ変わってきます。　ここら辺の数字を理解するまで、相当の授業料を払ってしまいました。　そいうわけで、新刊委託は、できるだけ流さないという方針に変えました。６ヵ月間に最低１冊は新刊を出さなくてはならないという制約が、取次さんと交わされているので、仕方なく新刊委託をしていますが、希望としてはゼロでもいいと考えています。　その代わり、書店営業を活発にするという方針です。それもただ闇雲にとるというのではなく、着実に売っていただける書店さんに確実においてもらうようにする。という営業です。　ここのお話をするつもりでしたが、前置きが長くなりました。詳しい話は次回にいたします。

  2008.02.01

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• 置いてもらえない

  　大原則ですが、本は、ただ出版しただけで、どの本屋さんにでも並ぶというわけではありません。　新刊配本で、たとえ１万部流したとしても、紀伊国屋の新宿本店さん等で、だいたい３０冊程度が配本になるでしょうが、これを平積みにするか、棚に１冊だけいれて残りを返品してしまうのかは、それこそ、担当さんの裁量次第なのです。　まして中小の書店さんにおいて、数冊配本になった本を、面白そうだからと、追加注文をしていただくなど、万に一つの事例でしょう。　それは言ってみれば、新刊配本で１００部流そうと十万部流そうと変わらない原則です。　売れる、売れないの話しをする前に、まず書店さんに置いてもらえないという現実を強く認識する必要が、版元や著者にあると思うのです。　また、版元は、著者に対して、過度な期待は持たないように事前に、打ち明ける義務もあると思います。　　　確かに名前の知れた大手の版元さんや著名な著者のほうが、置いてもらいやすいという面も、あるにはあると思うのですけど、それはどちらを並べるかで、迷ったときに起きることで、もういつも飽和状態にある書店さんにとってみれば、正直、売れ筋の本と話題になっている本だけ棚にあれば、それでいいのです。　つまり、大手だろうと中小の版元だろうと、新刊については、他店で売れ出したら置きますというのが基本姿勢で、毎日数百冊も新刊を出してもらう必要など微塵も感じていらっしゃらないのです。　ですから、自費出版大手の倒産等で、問題になっているようですが、本は出版しただけでは、本屋さんに置いてもらえませんし、まして売れるわけはありません。　出しさえすれば、ベストセラーになるなどという幻想は、はなから捨てるべきですし、版元がそれなりのことをしなければ、書店さんにも並びもしないという現実を、著者の方も理解しておく必要があると思うのです。　それじゃ中小の版元や無名な著者など、どうしようもないじゃないかということになるのですけど、少ないですけど方法はあるにはあるのです。そのことについては次回に。　

  2008.01.29

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• 関西、名古屋の書店営業

  　営業さんが、関西、名古屋方面の出張から帰ってきました。１週間ぶりの再会です。　毎日、電話でも報告を受けていたのですが、状況は厳しいもので、チビ版元の現状をまざまざと体感した営業だったようです。　前回の訪問からだいたい３ヵ月、多くの書店さんで、棚の担当さんが替わっていたようですし、棚も欠本が多く、ガタガタの書店さんが多いとのこと。　独立当初は、半年に一度関西出張できればヨシと考えていましたが、発刊点数もだいぶ増え、新刊もそれなりに出しておりますので、せめて２ヵ月に一度は、出張営業に出掛けたほうがいい時期かもしれません。　なにせ１人の営業部隊ですから、網羅できる書店さんの数にも限りがあります。まあチビ出版社の出版傾向からいって、大型書店さんを中心とした営業で十分なのですけど、競合他社さんは、うち以上に営業力を投入されていますから、大型店さんの棚を確保するだけでも大変なのです。　それにしても、既存の棚構成を変更するのを、書店員さんは、かたくなに嫌がられます。　平台、面陳は大手や有名どころの版元さんで締められていますから、どこの書店さんでも同じような棚構成になっていますが、おのおの書店員さんたちは、それで十分とお考えになっているのでしょう。悲しいですけど。　企画意図、特徴、差別化等々をお話しても、チビ出版社の本を、大手さんの横に平積みしていただくのは、大変難しいことなのです。　そこを何とか、チビ版元の営業は粘らなくてはなりません。　　それこそ無理を承知でお願いするしかないのです。　ひたすらこれの連続です。　ですから、出張営業に行くと、だいたい痩せますし、軽く人間不信にも陥るのです。ああ。

  2008.01.22

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• ２１６冊の注文

  　さすが読売新聞です。　連休中の掲載だったにもかかわらず、週明けの月曜日は、電話の連続、注文の整理で残業しなければならないほどでした。　まあ、それでも冊数にすると２１６冊ですが、１回の新聞広告で、これだけ注文をいただいたのは初めてのことです。　二百人近くの新しい読者とチビ出版社の本が、出会うことになったわけですが、ご満足いただけたでしょうか。　新聞広告を出さなければ、出会わなかった読者の方です。もちろんこれだけでは広告費の回収はできませんが、口コミという次の広がりを期待して、今回の広告は、まあまあの結果と判断します。　弊社では、読者に直接本を送るサービスをしています。　郵便振替用紙を同封して、本の到着後、郵便局から代金を振り込んでいただくシステムです。読者に本を届けるスピードからいって、これまでは一番早い手段でした。　請求書をおこして、書籍小包を作る作業は、思いのほか手間のかかるものです。１０冊以上になると、２人がかりで１時間以上もかかってしまいます。　ですから、大手の版元さんは、直送のサービスはしていませんし、書店さんからの電話注文も受け付けてはいません。　チビ出版社もこのサービスを継続しようか悩んでいます。それは、スピードに関しては、アマゾンさんを筆頭にネット書店さんやブックサービスさんでもう十分ではないかと思うことと、一番の理由は、支払いの遅れる読者の方が意外に多いという理由からです。　納付書には１週間以内にとは明記しているのですが、１、２ヵ月はザラにいらっしゃいますし、１年近くもという方もちらほらいます。　ご入金のお願いを何度か出しますし、電話もするのですけど、それでもという方もいます。甚だしいのは、そのまま転居したり、居留守をつかう読者の方がいて、結局、回収できなかった場合も中にはあるのです。　こういうやり取りは、たとえ１件でも精神的に疲れてしまうものです。軽く人間不信にもなりますし。　直送サービスは、全部アマゾンさんに任せてしまうという方法が、もうベストなのかもしれません。　

  2008.01.17

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• 読売新聞

  　３連休の初日ですが、事務所に出社し、雑用を片付けています。　いつも突然ですが、新聞広告を出しました。今度は、読売新聞です。１月１２日の朝刊第２面の左下がチビ出版社の広告です。五段二分の一という大きさです。西日本は１３日掲載だそうです。　わざわざ買うまではないですけど、購読されている方がいらっしゃったら、見てやってください。　この広告のお話を代理店の方からいただいたのが８日の火曜日、掲載日はまだ未定でした。　掲載日と面が決まったのが昨日のことです。版下も昨日に入稿いたしました。　要するに、この３連休に何本か空きスペースがあったということです。チビ出版社のような低額な掲載料の会社はドンドン後回しにされるので、直前まで掲載日が決まらないということでしょう。　いずれにせよ天下の読売新聞です。掲載していただけるだけで十分です。横の広告はマガジンハウスさんですもの。　

  2008.01.12

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• 締め切りと質について

  　進行中の企画が、大幅に遅れることになりました。　２月原稿締め切りの予定で動いていたものが、５、６月にまでずれ込むことになりました。　原稿について著者より相談を受けました。　このままの調子でまとめていくと、当初の予定の締切日までには、どうやっても間に合わないので、全体のボリュームとまとめ方を簡潔にしていきたいと。　文章を簡潔にまとめていくのは、文調を整えていく上でも、分かりやすさから言ってもいいことでしょう。　ただ、それが「内容の薄さ」に、ともするとつながることに注意しなければなりません。　特に、執筆途中での変更は致命的です。　敏感に読者は感じ取るものです。著者の執筆意欲の低下と全体の中でのその項の重要度などについて。　読者として本に接するときも、目次だけでだいたいどこがその本の主題かが分かりますし、著者がここは「流している」項目だと、すぐに感じるものです。　レジュメのような箇条書きの原稿で、済まそうとする著者の方が中にはいます。投稿される方や学校の先生などに多いパターンなのですけど、本番の講義で行間を補っていいけばいいという考えなのでしょう。　箇条書きや図表だけの原稿は、著者の独りよがりでしかありません。初見の読者の身になって本はまとめるべきものです。　特にビジネスや語学書、学習参考書のようないろいろなレベルの読者を想定しなければならないジャンルの本についてはなおさらのことでしょう。　今回の場合は、きっぱりとお断りいたしました。　締め切りを延ばしてもかまわないので、これまでお書きいただいたまとめ方と文調を通してくださいと。　受験参考書なので、出版時期は、営業上大変重要な要因なのですけど、出した後で後悔することが分かりきっていますから。著者も編集担当者も。　たとえ初年度は売り上げが減ったとしても、不完全な気持ちのまま本は出すべきではありません。

  2008.01.10

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• おめでとうございます。

  　遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。　あまりの更新のなさに辟易されているでしょうけど、どうか見捨てず、今年もお付き合いのほどお願い申し上げます。　　昨日より業務は開始いたしました。さっそく今日の日経新聞の一面に広告を打ちました。久方ぶりの出稿です。　新企画である「宅建」の資格試験の参考書です。日経を購読されている読者の方がいらっしゃれば、見てやってください。通称三八つといわれる小さな広告ですが、一面の下に出ておりますので。　今朝早く、アマゾンさんをチェックいたしましたら、すでに数冊動いていました。　営業には、リアル書店さんでどれぐらいの反応があるか、調べさせます。　直接電話でご注文いただく場合もあるのですけど、今ではやはりアマゾンさんでどれくらい動くのかが、手っ取り早く広告の効果を知る方法でしょう。　大手さんが契約されている紀伊国屋さんのパブラインという売り上げ状況が瞬時に分かるシステムがあるのですが、チビ版元は、その費用を負担できないので、リアル書店さんでは、いまだに地道に足で調べるしかないのです。　そいう意味では、アマゾンさんの売り上げ順ランキングは、チビ版元にとって、非常に役に立つ指標になります。　こまめにチェックしていれば、だいたいの売り上げ数も予測できますし、広告を出したり、滅多にないですけど書評に取り上げていただいたりしたら、即、総合売り上げが跳ね上がりますから。　それにしても広告費はどうしてこうも高いのでしょう。以前書いたように、弊社の場合は、もちろん定価では出稿していませんが、それでも高額には変わりありません。　元を取ろうと思ったら、１回の出稿で、２、３百冊の注文が来なければ、無理でしょう。　実績として、一日で過去にその数をクリアーできたのは一度もないですから。トホホ。悲しいですね。　

  2008.01.08

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• 刊行点数１９点

  　創業以来、年間の発行点数は、だいたい１０点前後でしたが、今年はナンと１９点、最も本は出した年になりました。　来年の刊行予定も、もう１０点以上決まっていますから、ことによると、月平均２冊ぐらいの発刊ペースになるかもしれません。　資格試験のシリーズ物が、ようやく形になってきたり、既刊の著者の方が、新規の企画にのっていただいたり、まったく初めての著者の新企画が進行したりと、上手い具合に企画の歯車が回り始めたようで、新年の刊行が待ち遠しいと感じられるのも、版元として「それなり」になってきたのかもしれません。　もちろん資金繰りの苦労は、その分、重くのしかかってきますが、形になる喜びを忘れてしまっては、出版社を経営している意味がありませんから、そういう意味でも、次の新刊に期待できるのは、良い傾向といっていいのでしょう。　これも、本を買っていただいた読者の方はもちろんのこと、著者をはじめとして、印刷、デザイン、本作りに携わっていただいた全ての方のおかげです。この欄を借りて御礼申し上げます。　新年もよろしくお願いいたします。

  2007.12.27

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• 重厚さに驚き

  　７００ページの本の見本が出来上がってきました。　市販する本の場合、取次ぎさんへ見本を提出しなければならず、新刊配本の４、５日程度前に、通常の製本工程でなく、だいたい手作業で、製本していただく見本を、５０冊程度仮納品してもらうのですけど、本工程で製本した本とは、一味違った本の仕上がりになるものなのです。　全体的にふんわりした感じといいますか。決して製本がゆるい？というわけではないのですけど。大きな圧力がかかっていないというか。　通常、製本作業では圧力をかけて、本をギュッと締め付けたり、配送時に高く積み重ねるので、だいたい紙の厚さ×総ページ数と同じになるものなのですが、見本の本は、全体的に空気が入っているといいますか。この手作り感がなんともいえぬ味わいがあるのです。　『本好き(物体としての）』にしてみると、誰にも汚されていない、おぼこい娘さんを見るような気持ちにさせてくれるのです。　それに加えて、今回の本は、７００ページもある大物ですから、たとえて言うなら生娘の関取でしょうか。それはもう可愛らしくて……。　本好きにはたまりません。

  2007.12.19

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• ７００ページ

  　今月発刊予定の１冊が、７００ページ超の本になることが決まりました。　弊社始まって以来のぶ厚さです。同時に刊行するシリーズの１冊も４００ページ弱ありますから、２冊で、１０００ページ以上、普通の書籍の４冊分を優に超える大作なのです。　著者に、ページ数のことは考えずに、とにかく筆を進めてくださいと、お願いをいたしました。資格試験の参考書という特質から、読者にとっての分かりやすさと網羅性を重視したためです。　それにしても、と思えるほどのページ数なのですけど、質、量ともに申し分のない参考書になったと自負できるものです。　子供じみた考えですけど、ただ厚い本をつくっただけで、版元としてのランクのようなものが、一段上がったように感じられるのです。　こんなに厚い本も出せるだけ経営的にも安定してるし、編集能力も十二分に備わっていますから……とでも言いたいのでしょう。　実際は、４冊の本と４冊分の厚さのある１冊の本とでは、４冊の本をつくるほうが制作費も高くなりますし、編集作業も煩雑なのですけど、それでも、４冊分の厚さのある１冊の本のほうが、どこか高尚なものに思えてしまうのですが。　いずれにしても、紙高騰の今の時期に、こんな本をつくるとは。もちろん、紙質は落とさずにできるだけ安いものをそろえてもらいましたが。

  2007.12.11

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• 原稿待ち

  　親族の急病で、田舎の島根県に１週間ほど帰省しておりました。　例の世界遺産、石見銀山の賑わいは予想を超えるものとなっているようです。７月の認定から、１００万人の来場者があったとのこと。陸の孤島の過疎の町では、それこそ町中が、少々浮き足立っているようでした。　新刊の原稿を待っています。　資格試験の宅建の参考書になるものですが、同時期に、２種類のシリーズを刊行しようとしています。　１つは、執筆が初めての著者のものと、もう１つは、もう何冊も著作をお持ちになり、ＤＴＰまで著者側でやっていただくというものです。　今回が初めての外部著作になる著者は、週末に、その１週間で書き上げた原稿を受け取りに伺うことになっています。　原稿の締め切りは、年末を予定していますが、少々延びるかもしれません。初めての本ですから、ご執筆も慎重ですし、レイアウト等への要望も強くお持ちになっていらっしゃいます。　もう１つの原稿は、著者の方に、ご執筆からＤＴＰまでお願いしている変り種のものです。制作プロダクションではないので、本当に珍しいことですが、とにかく一切合切お任せしています。　最近では、弊社のようなチビ出版社でも、本のつくり方は多様化してきました。　原稿用紙に文字を書くスタイルの生原稿を見なくなって久しくなりますが、今は、メールで原稿を送りいただくのも普通のことになってきました。　著者によっては、上記のようにそのままＤＴＰできるような原稿まで、つくりこまれている方もいらっしゃいます。　これもすべて、パソコンの普及とソフトの充実によるものですが、制作だけを考えても、版元が関わる仕事は、大きく変わってきました。　それこそ、企画力とマネジメント力さえあれば、出版社は成り立っていくのかもしれません。　いずれにせよ、編集者にとって原稿待ちの状態は、発刊日が決まっていなければ、とても楽しい時間なのです。

  2007.12.06

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• 著者のこだわり

  　先日出した、新刊のラフレイアウトに、著者から大幅な見直し提案がありました。　原稿をお預かりした段階で、だいたいの様子は伺って、その意向に沿うようにデザイナーさんと打ち合わせし、ラフを出していただいたものです。　したがって、ラフといってもある程度は、　「まあ、これでたいした直しはないでしょう｣　と思って著者にご提案したものです。ところがどっこいあにはからんや、本文の字詰めから１ページの行数、見出しや小見出しのデザイン、色の具合まで、要するにデザインのほとんどについて見直しの要望がきたのです。　実は、今回の新刊については、お預かりした原稿自体がワードでしっかり組まれていて、大げさでなくこのまま本にできるのではないかと思えるほどつくりこまれた原稿だったのです。　原稿の段階から出来上がりのレイアウトを想像し、デザインまで考慮されてのものでした。　つまり、著者のイメージの中にしっかりと本の出来の状態がインプットされていたというわけです。その状態と、こちらが出したデザインとの差に驚かれたのです。　驚かれたといっても決して、喜ばれたのではなくむしろ落胆されたのでしょう。　　デザインを依頼するとき、初めてのデザイナーさんでない限り、それほど細かい打ち合わせはしません。　以前つくった本や他社さんの本を見本にして、　「こんな感じでお願いします」　のひとことで済ませたりしています。それが今回はアダとなりました。　編集者として、もう少し著者の気持ちを斟酌できていれば、もっとまともな指示が出せていたはずです。平伏してお詫び申し上げます。　無駄に時間を浪費させることになってしまいました。申し訳ございません。この場を借りて重ねてお詫び申し上げます。

  2007.11.21

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• 新刊のレイアウト

  　自営業者は、休日も仕事です。　営業さんが明日から関西出張に出掛けますので、その打ち合わせと資料作りに付き合うために出勤いたしました。　東京はめっきり寒くなり、安普請の事務所は、もうストーブの登場です。灯油が高騰していて、３年前の倍近くになっています。　エアコンが役に立たない事務所ですので、この時期は、灯油ストーブで乗り切るしかないのですが、こんなに高いのでは、冬の本番を前に、暖房費のことが心配でなりません。　　来年２月末発刊予定の新刊のラフレイアウトが上がってきました。　一昔前までは考えられなかったことですが、チビ出版社のような出版傾向の版元の本でも、文字組のデザインをデザイナーさんにお願いするようになりました。　昔は、著者からいただいた原稿に、編集者が直に赤いれして、印刷所に入稿し、初校の出を待つ。ただそれだけでよかったのですが、最近は、ページのラフデザインを考えて、デザイナーさんと打ち合わせし、ラフ組みを仕上げていただいてから、著者と調整し、再度デザインを出していただいて、著者がＯＫなら、ようやく文字組みに入っていただくという段取りになってきました。　つまり、ＤＴＰのすべてをデザイナーさんにお願いするようになりました。それから、本文のデザインに著者の方の意向が強く反映できるようになりました。　活字や写植の時代、一度決めたレイアウトを変更するのは大変なことでした。今はパソコンで、いろいろなパターンのデザインを比較的簡単に出していただけます。　もちろんデザイナーさんは、そんなに簡単じゃないとお考えでしょうけど、昔を知る編集者にとっては、どうしてもそう見えてしまうのです。　単行本の制作をすべてデザイナーさんにお願いすることが当たり前になった結果、編集者が少しいい加減になっているのも事実です。　特に実用書や実務書のように、それほど華美なデザインが必要でなかったものは、強く編集者の嗜好が反映されていましたし、それだけに自分のつくった本だという意識を強く感じていたものです。　それが今は、単行本はデザイナーさんの作品になりました。　チビ出版社のほとんどの本は、今では、カバーデザインから本文の文字組みまで、お一人のデザイナーさんにお願いするようになってしまいましたから、その傾向はなおさらです。　単行本の制作に関していえば、編集者の役割は、確実に変わってきています。　

  2007.11.17

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• 資金繰り

  　それにしても６冊同時の発刊は、チビ出版社の体力からすれば、ちょっと無謀だったかもしれません。　社員数人の版元は、だいたいその月暮らし？で、取次ぎからの入金状況で、社長の顔色は青くもなったり白くもなったりするものですが、支払いだけははっきりと分かりますので、月末が怖くなったりするものなのです。　そうなんです。取次ぎからの入金は、だいたいの予想はつきますが、はっきりといくらいくら入ってくるとは、その月の明細書が送られてくるまで分からないのです。　毎月２５日締めで、月末入金。取次ぎによっては５日払い。この入金が２５日にならないと分からないのです。　チャンと請求書を作っていないせいもあるのですけど、今月はこれぐらいと、取次さんのほうで勝手にお決めになってご入金になられます。　そのかわり支払いだけははっきりと一円の単位まで把握することができます。ＤＴＰ、デザイン、紙、印刷、中でも印刷経費は莫大な金額ですよね。　未払い金額が年商近くになったこともあります。チビ版元にとっては、印刷所が銀行の代わりをしてくれる金融機関のひとつなのです。　ですから印刷所との連絡は密にとらなくてはなりません。こちらの状況も包み隠さずすべてお話しするようにしています。　銀行さんと違って、担保もなしに支払いを待っていただけるのですから、当然のことでしょう。　この慣習は、昔からあったようです。分かりづらいかもしれませんが、出版業界の中で、いちばん立場の弱いのが版元だったりするのです。

  2007.11.13

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• 困ったアマゾンさん

  　アマゾンさんについては、多くの版元さんから苦情ないし要望が寄せられているようです。　その中で最も多いのが、『在庫切れ』という表示についてで、当然、版元の倉庫には売るほど在庫があるにもかかわらず、アマゾンさんでは、在庫切れの状態で放置されてしまっているということです。　いろいろな情報を集約すると、アマゾンさんとしては、アマゾンさんと取次会社である大阪屋さんの倉庫に該当の本がなければ、在庫切れの状態にしているようです。　他の書店さんのネット部門などを拝見すると、店頭にない場合は、『在庫なし』となっているところがほとんどでしょう。　『在庫切れ』と『在庫なし』では、受ける印象がだいぶ違ってきますよね。アマゾンさんの在庫切れは、アマゾンさんはもとより版元でも品切れの状態にあるとのニュアンスがどうしても含まれてしまいます。　それに、在庫切れの表現ですと注文しても入ってこない意味合いもありますよね。　このことに関しては、多くの版元さんが苦情を言っているにもかかわらず、何の対応もとっていただけないようです。　これに関わらず、アマゾンさんには、まず窓口がないのです。　版元が営業に伺うことすらできないのです。　そのすべてがメールでのやり取りで、ご返事がいただけるならまだしも、新刊の情報をお出ししても、何のご返信もいただけないのが常のようです。　大阪屋さんを通してもまったくダメでした。　チビ出版社も、以前に書いたカテゴリーの問題と改訂版の扱いについて、再三メールを差し上げているのですが、何のリアクションもありません。困ったちゃんです。　どなたかアマゾンさんにご家族の方でもいらっしゃいませんか！　

  2007.11.08

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• 在庫の山山山

  　週末は、契約している倉庫に行ってきました。　倉庫といっても、ただ、本が置いてあるだけでなく、取次さんへの搬入、返品の作業から請求業務まで一手にやっていらっしゃる流通倉庫さんです。　通常チビ版元たちは、自社では、なかなかできない取次さんへの納品、返品の受取等の作業を、外部に委託しています。　大手さんは、自社で、運送会社までお持ちになっていますから、こんなことはしていませんが、自力でできない中小の版元は、いくばくかの費用を負担して、やっていただかなくてはなりません。　在庫としておいて置くだけで、１冊に対して月いくら、納品でいくら、返品でいくら、という具合に、本の出入りすべてに費用がかかってきます。　中には、自社でやっているチビ版元さんもいらっしゃいますが、既刊本がある程度の冊数になると、効率から考えると、やはり版元は、本をつくるのに集中するべきでしょうから、弊社も設立当初からお願いしております。　そこには当然費用対効果等の経営的判断があるのですけど、専属の人を雇ったり、倉庫やトラックを確保して、ほぼ毎日各取次さんを回ったりするのは、今の規模からするとやはり難しいわけで、こういう協力会社さんに頼らざるを得ないのです。　ここに来て刊行点数の増加と、取次さんへの搬入個数が大幅に増えてきたことによる手間の増加で、経費の見直しを倉庫の社長さんから要請されておりました。　発刊する本が増えれば、在庫も自ずと増えるし、取次さんへの搬入も増えてくれなくては困りますし、その分の経費の負担は覚悟しなくてはならないのですけど、実はこれに困っていたのです。　というのも、弊社は倉庫会社の社長さんのご好意で、月々いくらの定額制でお願いしているのです。　どんなに在庫が増えようと、どんなに返品が増えようと、同じ金額を毎月入金しておりました。それもずいぶんとお安くしていただいております。　これは、資金繰り上大変助かるものです。前もって、年間の経費が読めますから。　それが許容の範囲を超えてきたとのこと、当たり前です。相当出しましたし、これからも新刊が続きますから。　特にチビ出版社の本は、売れ出すまで、比較的時間のかかる本が多いのです。ということは、倉庫に眠っている時間も長くなるわけで、場所代だってバカにならない金額なのです。　そこを何とかと、今回もお願いしてまいりました。　さすがにゼロというわけにはいきませんでしたが、少々増額した定額でまたやっていただけることになりました。　ただ、今回は期限付きです。とりあえず、来年の４月まで様子を見るとのこと。　いずれにせよ、これでしばらくまだ出版活動は続けられそうです。　ああ良かった。　

  2007.11.05

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• これで勝負！！

  　先日お知らせした新刊の中から、近日中に４冊が刊行します。こんな短い時期にほとんど同時発刊のようにして、複数の本を出版するなど、チビ版元にはあるまじき暴挙ですが、もう仕方ありません。経営者は、腹をくくりました。矢でも鉄砲でももってこい！の心境です。　これで、資格試験のごくごく小さなジャンルですが、十数冊のラインアップが揃うことになります。数の上からは、十二分に大手さんに対抗できるものとなりましたが、果たして、書店さんと読者の反応はいかがなものか。　突然見たことも聞いたこともない版元の書籍が、そのジャンルだけ山のように積まれていても、読者としては、違和感の何者でもないでしょう。　聞いたことある、なんか有名らしいよ。こんな動機付けで、本は選ばれていきます。ですからどこの本屋さんにいっても、同じ大手さんの本しか置いてないのですね。　チビ版元にはどうしようもないところです。ランチェスターの法則ではないですけど、どんな小さなジャンルでもそこで一番になれば、道はひらけていく。そう信じてやっていくしかありません。　まず最初は、一番の本をつくることですね。そのジャンルでいちばん売れている本。これは強い。なかなかできないですけど、候補はあります。　営業と新聞広告を集中してみますか。　いずれにせよ、数だけはそれなりに揃ってきました。これから２月までにはまだ新刊も予定しています。どこまでいけるか、壁は高く厚いものでしょうけど、いくしかありません。

  2007.10.31

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• ご投稿を沢山いただいています。

  　チビ出版社も、独立して１３年。ちょっとは版元として認知していただいてきたのか、このところ、企画のご提案や原稿のご投稿を沢山いただくようになりました。　初めて本をお出しになる方だったり、もう何冊も自著をお持ちになっている方だったり、地方からメールでご投稿いただいたり、直接事務所におこしいただいたりと、様々な形でご連絡をいただいています。　チビ出版社の場合、最終決済権者は私ですから、話が早いのです。お話をいただいたその場で、出版化が決定することもありますし、原稿もお預かりして、４、５日もいただければ、ご返事することが可能です。　ただ、ご投稿いただく方に多いのですが、こちらがご返事を差し上げても、何のリアクションもおこしていただけない方が本当に沢山いらっしゃいます。　チビ出版社の出版傾向を無視された企画やご投稿には閉口いたしますが、そうであってもなくても、必ずご返事は差し上げています。だいたいが、こういう風に書き直されたら出版化の可能性が広がるのでは、というような意見を述べさせていただくのですが、それでおしまいになってしまうのです。　この業界、まず初めての企画や原稿は、お断りするのが慣習化されています。それに、お預かりした原稿がそのまま本になることなど、よっぽどの大作家さんでもない限りありえないことでしょう。　編集者は、文句をつけるのが仕事という一面もあります。　一度や二度断られたぐらいでメゲないでほしいのです。　注意を受けた部分を書き直して、再度挑戦していただきたいのです。だいたいチビ出版社にお話を持ってくる方は、もうすでに何社にもご投稿されて、断られた挙句という方が多いと思われます。　自分の書いたものを否定される辛さも分かりますが、編集者は著者と読者をつなぐインターフェイスです。ちょっとした不具合で、著者の気持ちは読者とつながりません。　その伝導体となるのが編集者です。もっと素直に、もっと真摯に受けとめていただき、これが最後などと思い込まないで、何度でも書き直してください。　それを待っています。　少なくともチビ出版社の姿勢はそうありたいと思っています。

  2007.10.23

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• 原価のお話

  　本の原価で最も高額なのが、紙代を含めた印刷経費です。　身近な例で申し訳ないのですけど、チビ出版社の平均的な印刷経費を例示いたします。　刷り部数3,000部、Ａ５判並製、本文２色カバー4色、総200ページの本の場合、　刷版　　　150,000　印刷　　　180,000　製本　　　140,000　紙代　　　200,000　　合計　　　670,000になります。これに校正費、納品費等をプラスして、だいたい700,000円ほどの見積もりになるでしょう。　弊社の場合、本文は2色のパターンが多いので、印刷費が少々高めになっているとおもいますが、１色で印刷すれば、この金額の三分の二程度に抑えられると思います。　　このうちの紙代が高騰しているわけです。モノによっては10％以上の値上がりをしているようです。　弊社の場合ですと、20,000円以上の出費になるわけです。たかが2万円されど2万円です。たまには弊社でも、刷り部数１万部というような本もありますので、こうなると10万円単位で負担が増えることになります。　10万円の経費を回収しようと思えば、いったい何冊の本を売らなければならないか。定価1,500円、原価率40％だと、200冊以上の売り上げが必要になります。　1万円だろうと10万円だろうと、原価を上げることは、即、それだけ実際に売る部数を増やさなければならなくなるので、版元には相当なプレッシャーになるのです。　念のため付け加えておきますが、本をつくるためにはまだ別の経費も必要です。この他にＤＴＰ、デザイン費、印税等が大きなものでしょう。　ですから1冊の本をつくると、小部数のものでも、1,500,000円程度はどうしても用意しなければならないのです。　新刊を出すたびに1,500,000円の馬券を買っているような気にならないでもないのですけど。　

  2007.10.18

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• チビ出版社の逆襲

  　年間刊行点数だいたい１０点前後のチビ版元が、何をトチ狂ったのか、この秋から来春までの発刊予定の新刊が、２０点近くもあるのです。　チビ出版社の制作期間は、１点当たり半年ぐらい平気でかかっていますから、今の人員では、到底不可能な計画なのですが、これまでお付き合いのあった外部スタッフや、新しくお願いできることになったデザイナーさんなどを総動員して、何とか遣り繰りつけようと考えています。　どうしてこんな無謀な計画になったかといえば、すべて企画編集者の無計画さが招いたものなのですが、なぜかしら、すべての企画が、自然発生的にこの時期に固まってしまったからなのです。　そのほとんどが、資格試験の参考書という事情もあるのですが、読者と「売り」のことを考えると、どうしても外せない時期というものがあるのです。　一般の単行本の場合、チビ版元としての戦略としては、大手さんの新刊が集中する２５日前は避けるとか、連休や長い休みの前には出さないとかの常識があるのですけど、それにこだわっていられないというものも時には出てくるので、今回の新刊も、普段なら絶対出さない１２月の中旬に何点か出す予定になってしまいました。　それはそうとして、作った分だけ制作費は積み重なっていきますから、資金繰りも大変なのです。　まして、紙高騰のこの時期、制作費が１０パーセントぐらいはよけいにかかりそうなのです。　いくら定価は、版元が自由に決められるとはいえ、お菓子じゃないので、原価の上がった分、ページ数を減らすわけにもいかないですし、切りの悪い定価をつけるのもねえ。　定価は、版元が自由に決められるのですけど、実はそうでもないのです。先行していらっしゃる大手さんに倣ってつけているのが本音。１円でも安くして、読者の目をこちらに向けようとしているのですけど。　　　それにしても、紙の値上がりは版元には辛いのです。大まかに言って、制作経費の半額近くは紙代ですから。　　

  2007.10.16

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• フェアのお話　２

  　やっぱりといいますか、フェアの壁は予想以上に大きく厚いものでした。　約１ヵ月以上にわたって、ほとんどそれだけに営業をつぎ込んできたのに、結局決まったのは、今日現在で２店舗のみ、いぜん検討中なのが数店舗ありますが、いずれにしても結果は惨憺たるもの、今更ながら大手版元さんの力を思い知らされました。　紀伊国屋さんを筆頭に、ほとんどのお店で、今現在の棚構成を変えたくないとはっきりといわれたのです。　この前に書きました、それなりのご提案をしたにもかかわらずです。　つまり、それ以上の何かを大手さんが書店さん側にしているのか、そんな条件では、チビ版元の本など並べるに足りないと判断されたか、どちらにしても、心が折れてしまいそうです。　とにかくこれが最後ではないので、理由だけでも、はっきりさせてくるように、営業にはいいましたが、その理由さえ答えていただけない担当さんもいるとのこと。　どうすればいいのか思案にくれています。

  2007.10.09

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• アマゾンさんでの実売数

  　いったいネット書店さんでは、どれぐらい本が売れるのか、気にされている方も多いと思いますので、できるだけ具体的にまとめてみます。　まあ、あくまでもチビ出版社の事例ですから、出版界全体だとか、大手の版元さんとか、そう汎用性があるものでもないと思いますが。　この欄でももう何度も書いていることですが、ネット書店さんの中でもアマゾンさんの伸長には驚くばかりです。　弊社の売り上げの４分の一か多い月は３分の一以上の売り上げを締めるまでになりました。リアル書店さんを含めて、１社の書店さんで、これほどまでの占有率は驚異的です。　アマゾンさんのランキングでみると、チビ出版社で最も売れている本の平均は、だいたい３００番代の前半で、カテゴリーでいうと何ヵ月も１位になっています。月の最高の売り上げは、1,500冊ほど、平均すると、800冊程度でしょう。　この1冊だけで、年間1万部程度の売り上げがあるわけです。すごいですよねえ。すごいと思んですけど、どうでしょう。１店舗で１冊の本だけですから。　かたや、カテゴリーでは時々１位になりますが、全体のランキングは、２０万代、週の売り上げが５冊程度の本があります。　弊社の書籍は、どちらかといえば息の長い商品で、読み捨てにされるようなものではありません。だからなんでしょうけど、アマゾンさんの売り上げは、微増ですけど右肩上がりで、新刊を出せば出した分だけ上がっていくというような状態です。　全体のランキングで最も上位になったときは、１００番代の前半というときがありました。これぐらいのランキングだと月間の売り上げが軽く2,000冊は超えていることになるでしょう。　また、カテゴリー別で見ると、よく売れているものとそうでないものとでは、相当の開きがあるようです。　同じ１位でもランキング数百番代と、数十万代というものがあります。ということは、全体があまり売れてないカテゴリーで、上位にランキングされることは、それほど難しくないということにもなります。　ただ、問題があるのです。新刊を含めて既刊本も、なかなか思い通りのカテゴリーに入れていただけないのです。　アマゾンさんの場合、とにかく日本で出版された本は「和書」というジャンルに入ることになっていますが、その先の小分類であるカテゴリーに入らないのです。　チビ出版社の例を見ると、　「和書」→「資格検定」→「日商簿記」　というような流れになりますが、この資格検定や日商簿記のカテゴリーに入れていただけないのです。　アマゾンさんの主要取次ぎである大阪屋さんを通して、何度かお願いをしましたし、直接メールのお願いも出しているのですが、どうも難しいようです。　チビ版元には冷たいのかなあとも思いますが、今のところどうしようもありません。悲しいですけど。　というのも、これまで何度も書いているように、このカテゴリーの上位にランキングされると、それに比例して売り上げが伸びていくという実態があるからです。　ですから、必死にならざるを得ないのですが。　　アマゾンさん以外のネット書店さんは、全体の売り上げを足しても十分の一以下でしょう。それほどアマゾンさんのひとり勝ちの状態です。　

  2007.09.27

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• 本の流通事情

  　本の流通経路には、大きく分けて２通りの流れが存在します。もちろん、取次さんを通しての通常ルートの場合ですが、１つが注文品といわれるお客様からの直接の注文や、版元の営業が、それこそ営業によって書店さんから獲得してきた注文の場合です。　この流れの場合、版元から取次、取次ぎから書店さんとスムースに流れていき、１ヵ月ぐらいはざらにかかるという不満もありますが、まあ、お客様のお手元か書店さんの棚に確実に並べられることになります。　もうひとつの大きな仕組みが、新刊委託というものです。これは大雑把に言うと出来た本を取次さんに預けて、適当に書店さんに配送してもらうという制度です。　適当といっても預ける部数によって、ある程度パターン化されていて、１００部の場合は紀伊国屋さんの新宿本店には２冊とか、1,000部の場合は、5冊で、1冊ずつ配本される書店さんが２００店になるという具合に決まっています。　これをパターン配本といって、丸善さんだけ50部にしてくれというような細かい要望は、一切聞いてくれません。もしやりたいのなら、事前に書店さんに出向き、前注文をとってきて、取次さんとの交渉の場で注文数を告知しなくてはなりません。　ただ、この場合は先に述べた注文品とは扱われず、あくまでも、新刊委託として書店さんには配送されます。細かいことを言うと、その他大勢の零細版元は、この注文品と新刊委託とでは、入金の条件が大きく違ってくるのですが、また愚痴になるので、今日は主題を変えて、この新刊委託と注文品の事情をお話したいと思います。　新刊委託は、委託というぐらいですから、流通させた本が取次さんや書店さんでどういう風に取り扱われるか定かではありません。数でさえお金を出して、配本表なるリストを購入するか、実際に書店さんに出向き担当さんに、何部配本されたか聞くしかないのです。　営業に伺っていない書店さんでは、実際に配本されたかどうか確認のしようもありません。また、配本されたとしても、担当さんに認知していただき棚に出していただいたかどうかも分かりません。　つまり、新刊委託に関しては、どう扱われようと何の意義も唱えることが出来ないということです。　ジェット返品という業界の隠語があります。書店さんへ流通したにもかかわらず、一度も棚に並べられることもなく、版元に返品されてくる本たちのことです。　独立当初は、こういう事情もしらず、取次さんの言われるままの数を新刊委託し、ほんの１、２週間後に返ってくる大量の返品に戸惑っていたものです。　最近は、新刊委託の数を極力減らし、出来ればゼロでもいいと考えるようになりました。その分、営業が確実においていただける書店さんをしっかりと把握し、フォローして、棚や平台を少しでも確保していくという方針です。　結局のところ、チビ出版社が、知名度のある大手版元さんと同等に扱われるという幻想をぬぐい捨てれば、こういう地道な活動が最終的には、一番大切なことというところに行き着いてしまうのですが。

  2007.09.19

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• フェアのお話

  　チビ版元の場合、ただ単に、フェアをしたいので、協力してくださいといっても、ハイそうですかやりましょうという具合にはいかないものです。　シリーズ化でき、それなりのラインアップがそろっていたとしても、その本たちを並べる場所を空けていただくのが、大変に難しいのです。　前にも書きましたが、書店さんの棚は大手の版元さんの既刊本で、すでに埋め尽くされていますし、平台は新刊と定番書籍に占領されています。　チビ出版社のようなひりきな版元は、最新刊をごく稀に平台においていただくのが精一杯で、常時平台を確保するなど夢のようなお話なのです。　そのような状況下で、１０冊以上の場所を１ヵ月以上にわたって空けていただこうというわけですから、それはもう無謀としか言いようがありません。　営業さんは、そこを何とかと！お願いして歩いているのですが、それなりのご提案も別にしております。　　出版界では、こういうフェアや企画展示をしたり、強く売り出したい新刊の場合、「報奨金」を出すのがなかば慣例化されています。　本を書店で買った場合、レジで抜かれてしまいますので、一般の方はあまりご存じないでしょうが、本にスリップ(ボウズ）といわれる紙切れが、挟み込まれています。立ち読みするとき邪魔になる例の紙切れです。　これをご覧いただくと、本によっては「スリップ１枚につき報奨金○をお出ししますので、１００枚以上をまとめてお送りください」というような文章が書かれています。　つまり、売っていただいた書店さんに対してバックマージン的なものを出すという告示なのです。創立記念や、拡販期間中などにもよく行われる業界の裏事情です。　チビ出版社も、今回のフェアに関しては、この制度を採り入れることにしました。それも常識外の金額を出すことにしました。　あまりに大きな金額なので、明示は避けますが、一般的な額の倍以上にもなると思います。　それぐらいのことをしないと確保でいないと考えているからです。後発で、誰も知らないような版元ですから。　もちろん、正攻法の営業あってのことですが。　また愚痴っぽくなっちゃいましたね。ハイ。

  2007.09.12

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• ５点の同時発刊

  　小社のようなチビ版元では、異例中の異例でしょうが、同時期に５冊の新刊を出すことにしました。　今回は、たまたま偶然に新刊が重なったのではなく、半年以上前からこの秋に向けて準備をしていたものです。　資格試験のごく小さなジャンルですが、既刊本を含めてこれで１０以上のシリーズ物になります。このカテゴリーだけに限れば、大手の版元さんに匹敵するほどのラインアップになりますので、これで勝負っ！と意気込んではいるのですが、果たしてどうなりますか。　営業としては、大手の書店さんでフェアを開催してもらうべく、活動を開始しました。ところがどっこい、やはり壁は高く、なかなか難しそうです。　まず第一に、もうすでに棚は大手の版元さんで占拠されているのに、チビ出版社の書籍など、置く余裕などどこにもないというものです。　この問題は、今に始まったものではありません。チビ版元が出版を続けるかぎり、背負ってはいかなければならない課題です。　どこの本屋さんも、大手の版元さんの新刊を並べるだけで手一杯なのです。名前も知らないような小さな版元の本を、わざわざ並べなくても、正直店側は何の痛みもありません。　たまには問い合わせや注文が入るでしょうが、そんなときだけ客注品として、取次ぎに回せばそれでヨシ、在庫として抱えることもないと考えられて仕方ないと、版元としても思いますから。　ただ、これで引き下がっていてはチビ版元は生きて行けません。あの手この手を使ってどうにか置いてもらうように努力しています。なかなか報われない努力ですが。　次に、いっぺんに５冊も出すなよ！というほとんど苦情に近い担当さんの声です。　チビ出版社としては、ジャンルは同じでも企画はカブっていないと自負できるのですけど、売るほうにしてみればそんなことなど関係ないのですね。　ただ単に、売れない本のアイテムが増えるだけで、仕事上は煩わしいだけなのです。　書店さんにとって、最も良い状態とは、並べてある本が常に同じで、そのすべてが同じように売れている状態でしょう。そうすれば、新しい商品知識も必要ないですし、同じ版元さんとお付き合いしていればよく、いらぬ気を使わなくてもよいでしょうから。　そうなんですね。あちらをたてればこちらがたたず。営業される側の書店の担当さんにも好き嫌いがあるでしょうし、正直邪魔だと思われているチビ出版社かもしれません。　そういうところに５冊ですから。　でも、本当に勝負を挑もうとしています。ドンキホーテのように空回りに終るかもしれませんが。

  2007.09.08

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• 仕事は段取りで決まる

  　仕事の成否は、段取りで９割は決まるといってもいいのではないでしょうか。　チビ出版社のような業態の場合、何の契約書もなく、ほとんど口約束で、仕事は流れていきます。　著者を筆頭に、印刷会社、デザイナー、ＤＴＰ、カメラ、そのほとんどが電話やメールで仕事の段取りを連絡していますが、そのつど、契約書や確認書などを取り交わしているわけではありません。　ですからなおさら、日頃のコミュニケーションが重要になるわけです。こんなことまではと勝手に解釈しないで、できるだけ相手方に伝えることが必要だと思うのです。そのうえ、伝えたということを、何かの形で残しておくことが大切です。　後で問題が起こったときのための予防線という意味ではなく、自分自身が何をしたか、言ったか確認するためのものとして。歳をとってくると本当に忘れっぽくなりますから。　またたとえそれが、微々たる変更だとしても。違和感や行き違いは、小さなことから生まれてくるものなのでしょうから。　あらゆる業種、職種で、この技術は要求されるものです。出版社では、製作部門、編集者、営業、管理部門と、そのすべての職種においても、必要な能力です。　「段取り力」とでも言いましょうか、これがなければ一人前のビジネスマンとは、いえないですね。　この人とはなかなか仕事が上手くいかないと感じるときは、この段取り力が足りないのです。　指導する立場としては、昔から言われている「ホウレンソウ」をしつこく要求することで、何とか育ててやりたいとも考えるのですが、個人の資質に依存する部分が高いのか、そう簡単には、変えることができないようです。４０代、５０代になっても、上手くできなく分かっていない方もいらっしゃいますから。　ちょっと、新しい仕事を始めるにあたり、少々気になることが度重なるので、書いてみました。単なる愚痴ですが。

  2007.09.06

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