日本研究
黒船に驚き、敗戦で打ちひしがれて、日本の文化や社会システムもふくめすべてが欧米に劣っていると考えてしまったが、それは間違いであった。伝統文化や良い社会システムが短期的な市場主義で破壊されないようにしなくてはいけない。 最近、人々はこのことにようやく気づいてきた。食文化や商習慣などを「見えない関税」として指摘したり、保護主義だとしたりする非難は当たらない。欧米にも「悪貨が良貨を駆逐する」と言った経済学者がいる。 江戸時代をエコロジーの面で評価する本も数多く出版されているが、研究者たちが政治家のあり方、企業のあり方、商取引のあり方、雇用のあり方、子供のしつけ方、基礎教育など日本が作り上げたささまざまな社会システムを欧米と比較し、優れた点を評価することを期待したい。