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2003年11月27日
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 南青山ル・アンジェ教会で芝居を見てきた。

 演目は二つあった。「幸福な王子」と「身も心も捧げた
友」原作オスカー・ワイルド後者が、先に演じられた。これ
が曲者で、はらわたが煮えた。濃いエキスを飲まされたよう
気がした。総勢6人が軽やかに楽しげに演じた内容が、観客
を怒らせた。演出と演技力の勝利だろう。

 色とりどりの花を育て生計を営む貧しい”ハンス”と大金
持ちの”粉屋”の偽りの友情。粉屋はハンスの人の良さにつ
けこんで悪逆の限りを尽くす、友情の名の下に。
ああ、今思い出しても腹が立つ。

 「幸福な王子」は、ラボ・パーティのライブラリーにもあ
って、我々には親しい物語。モダンな教会ホールの正面に十
字架より目立つオブジェがあった。当然、教会のデコレーシ
ョンだと思っていたのだが。これが、幸福な王子の開演と共
に巻物を解くように開いた。シュールな教会のオブジェだと
信じていた物が舞台装置だと判って驚いた。この装置は、王
子を抽象的に現したものだった。実は、この装置は物語の終
盤ひどく破壊される。美しい紋様のある紙だった。舞台美術
家の力を感じた。

 ホール中央の空間には何もない。二人の女優と3人の男優
が自在に演技して物語は進行する。音楽はクラリネット奏者
がステージ脇に一人。演技者たちの発声で擬音やBGMが奏
でられ。携帯ドラムや鈴類、カスタネット様の楽器が時に応
じて雰囲気を盛り上げた。

 物語は、リアルなセリフの交差の間に抽象的な動きや舞踊
が加わり、見応えがあった。聴衆は演技を取り囲むように壁
際に配置されたベンチから鑑賞した。

 高い台座の上に据えられた王子の像は泣いていた。生前知
ることの無かった世の中の苦しみを、多く見て苦しんでいた
のだ。彼の願いを聞いて手助けした者、それは台座で憩っ

た”ツバメ”だった。

 ツバメは病や貧困に苦しむ民たちに、王子の願いのまま
に、王子の像を飾るルビー、サファイア、金を次々に配って
歩く。

 時を失して南へ帰りそこなったツバメと残骸になった幸福
な王子の死で物語りは閉じられた。会場の隅にすすり泣く女
性がいた。演出だと思ったのだが、これは本物だった。

 芸術がもたらす豊かさに感動したひとときだった。







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最終更新日  2003年11月30日 09時20分25秒
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