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カテゴリ:伊坂幸太郎
やっと読み終わった。『重力ピエロ』 やっぱり伊坂幸太郎はいいなあ。 キャラクターがすごく魅力的。 母親がレイプされてしまったことにより生まれた春、 春をとっても大事に思っている兄の泉水、 そんな境遇をものともせず二人の息子を愛している両親。 母親は早くに病気でなくなっていて、 父親も癌に冒されて入院している。 私はこのお父さんがすごく好き。 二人の息子が事件に関係していることを案じて、 独自に真相を探っていくお父さん。 精神が疲弊しきって暗い表情をしているお父さんに 見舞いにきた泉水が『体調悪いの?』 すかさずお父さん『ちょっと持病の癌が』 って…。言わないでしょ、普通。 自分とは血の繋がらない、憎むべきレイプ犯の子供を 生むべきか選択を迫られた時、とっさに神様に相談したお父さん。 神様からの答えは『自分で考えろ!』(笑) お父さんは、自分で即座に決断した。 生まれてくる春を迎え入れることを。 泉水は遺伝子情報を扱う会社につとめている。 春は街中に描かれている落書きを消す仕事をしている。 落書きと連動して起きている放火事件。 春の遺伝子上の父親である元連続レイプ犯。 当時少年だったこの男は、過去を省みることなく、 狡猾に名を変え、あくどいことをして生きている。 『レイプ犯の遺伝子』 春と泉水はその呪縛に囚われている。 でも手術の前日、息子達が関わっている事件の真相を 見抜いたお父さんが、深く問い詰めることなく 血の繋がりはないはずの春に言ったひとこと。 『おまえは俺に似て、嘘が下手だ』 それを聞いた泉水の心の中での突っ込み。 『何だよ、遺伝子、関係ねえじゃん!』 泉水も春も、長い呪縛から解き放たれたんだろうね。 ほんと、めちゃめちゃ素敵なお父さん。 『泉水』と『春』どちらも英語で『スプリング』 そのセンスも最高です。 今日からは、去年の11月から図書館で予約していてやっと借りられた、 大好きな『しゃばけ』シリーズ最新刊の『ちんぷんかん』を読みます(⌒∇⌒) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年04月23日 13時09分36秒
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