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カテゴリ:伊坂幸太郎・柴田よしき他
『グラスホッパー』 伊坂幸太郎 妻を轢き殺した男への復讐を果たすため、その男の父親の会社に 潜入した元教師の鈴木。 人を自殺に追い込んだり、自殺に見せかけて殺すことが専門の 通称『自殺屋』の鯨。 なんの罪悪感もなく、子供すら平気で殺し、他の殺し屋でさえ 嫌がる殺人を請け負う、ナイフ使いの達人、蝉。 リレーのように3人の視点からそれぞれ描かれる物語は、 交差点や駅のホームで背中を押し事故に見せかけて人を殺す、 通称『押し屋』という殺し屋を軸に複雑に絡み合っていく。 殺し屋&悪人大集合です…。 実際に起きている事件の裏に、鈴木の妻を殺した男のような人や 『自殺屋』や『押し屋』のような殺し屋が絡んでいたとしたら… と考えるとちょっと恐くなってしまいます。 それにしても、殺し屋『スズメバチ』には一杯食わされました。 読み返したらかなりわかりやすい伏線があったのに…(。-_-。 ) ラストの『バカジャナイノー』が、すごく心に沁みました。 『ホスピタルクラウン』 大棟耕介 「すべての子どもに笑いを」という想いを胸に、 病院をまわり、闘病中の子どもたちを笑いで元気づける、 ある道化師の心温まるエピソード。 彼の一流のパフォーマンスによって失語症の子どもが口を開き、 寝たきりの子がはしゃぎ回り、表情のない子どもが笑顔を取り 戻した。 患者の人間性よりも治療を重視しがちな病院。その片隅で、 つかの間の"笑い"が患者たちにやさしい風を起こしていく。 道化師と小児患者が生んだ、愛と涙の感動実話。(Amazonより) 『パッチ・アダムス』ことハンター・アダムス氏とも親交を持つ 『クラウンK』こと大棟耕介さんと子供達との交流が描かれて います。 近づきすぎず、離れすぎずの距離感がいいな、と思います。 『人を笑わせること』に真摯に向き合っている、 とても素敵な道化師さんです。 『Vビレッジの殺人』 柴田よしき 山梨県自治郡V村。そこは、非公式に政府が公認する吸血鬼村で、 密かに侵入しようとする者が後を絶たない。 自殺志願者や永遠の命を欲する者など、実にさまざま。 V村出身の探偵メグは美貌の青年捜しを依頼されそこへ向かった。 だが吸血鬼村にはあり得ない、十字架が突き刺さった他殺体に 遭遇する!不可能だらけの謎に挑む女吸血鬼探偵の名推理とは。 (Amazonより) 私立探偵メグシリーズ第一弾。 事件自体はかなりあっけない! シリーズ最初のお話ということもあり、 全体の7割近くがV村と、そこに住む人達の描写に費やされて いるため、大掛かりな『予告編』ともとれる作品でした。 『クリスマスローズの殺人』 柴田よしき 私立探偵メグが引き受けたのは、夫の出張中に妻が浮気を してないか、という調査。まあよくあるタイプの仕事だった。 これで年が越せる。ターゲットの家の向かいのマンションから 監視を続けるメグ。だがいつまでたっても動きはなかった。 灯りはついているのになぜか人のいる気配がない。おかしい。 不審に思って駆けつけると、家にいたはずの妻はどこにもおらず かわりに海外へ出張に行ったはずの夫の惨殺死体が。 そしてさらに事件はとんでもない方向へと転がってゆく。 軽ハードボイルド+コージー+本格推理。(Amazonより) 私立探偵メグシリーズ第二弾。 普通の人間だと思ってたのに、あんたも吸血鬼だったんかいっ! という突込みを何度入れたことか…。 殺されたはずの被害者が実は生きていた、という反則技満載です。 このシリーズは、被害者を含め、登場人物全員を疑わなければ いけないようです…(ー。ー) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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