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カテゴリ:柴田よしき
浅間寺竜之介と愛犬・サスケ。 村祭りの奉納の舞を見てほしいという少女に誘われたのだ。 通し稽古の会場で、幻色の蝶を模した優美な舞に、竜之介は圧倒される。 その直後、衆人環視の密室の中、舞手の少女の一人が胸を刺され、 息絶えていた。村の伝説と乙女たちの想い。美しく、せつない本格ミステリ。 (Amazonより) 『猫探偵・正太郎シリーズ』でおなじみの、作家・浅間寺竜之介先生と その愛犬・サスケが登場します。 「ゼフィルス」というのは、山間部に生息するシジミ蝶の呼び名で、 中でも、この話の鍵となる「ヒサマツミドリシジミ」という蝶は、 現在では飛んでいる姿を滅多に見ることができない希少な種の蝶だそうです。 少女達が踊る奉納の舞は、この「ゼフィルス」がモチーフとなっています。 誰にも犯行は不可能だったかに思われた殺人事件。 その真相は、少女達の純真さと、それに相反する人間のどす黒い欲望が 複雑に絡み合った、なんともやりきれないものでした。 でも、物語はそこで終わらず、そのあとに予想外の展開が…。 確かに伏線はいくつかあったんですけどね。 辻褄を合わせようと、読み返してみたりもしたんですが、 残念ながら、いくつかの疑問点が残ってしまいました。 でも、まあ、それはそれでいいかな、と。 切なさとあたたかさが同居するようなラスト、私はとっても好きでした。 作品の中に出てくる、樹木に関する描写や蝶に関する描写を読んでいて、 「人間が自分達の勝手な都合で、自然を作り変えていること」に対する 警鐘ともとれる、柴田さんのメッセージを強く感じました。 『ブナの木』が地球にも生き物にも優しい、素晴らしい木であることを 教えてもらいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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