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2008年09月04日
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カテゴリ:佐々木 譲 
うたう警官.jpg

札幌市内のアパートで、女性の変死体が発見された。遺体の女性は北海道警察本部
生活安全部の水村朝美巡査と判明。容疑者となった交際相手は、同じ本部に所属する
津久井巡査部長だった。やがて津久井に対する射殺命令がでてしまう。
捜査から外された所轄署の佐伯警部補は、かつて、おとり捜査で組んだことのある
津久井の潔白を証明するために有志たちとともに、極秘裡に捜査を始めたのだったが…。
(「BOOK」データベースより)



佐々木譲さんの『道警シリーズ』第1弾です。


2年前、拳銃摘発数では日本一の生活安全部のやり手捜査員・郡司警部が、数多くの
拳銃を不法所持し、覚せい剤の密売買に手を染めていたことが発覚した『郡司事件』。

事件の発覚直後、郡司の上司の幹部警察官が自殺していることもあり、この事件が
本当に郡司警部個人の犯罪だったのか、警察内部でも疑問視されていた。

北海道警察では、本来捜査員に渡るべき報償費や捜査費が実際には捜査員に渡らず、
幹部のポケットマネーになっているという、『裏金作り』が公然とまかり通っていた。

警察内部では、郡司警部が犯罪に走ったのは、拳銃摘発の協力者に対する謝礼費が
足りず、その金を工面するためだったのではないか、ともささやかれている。

この事件をうけ道警本部は、警察官をひとつのセクション、ひとつの地域に長く
留めてはならないとの方針を打ち出し、大規模な人事異動が行われた。

そのためベテラン捜査員が畑違いの事務系の部署に飛ばされ、刑事事件には素人の
警察官や捜査経験なしの新人などが盗犯課や強行犯課に配属されることとなった。

といったような事情がこのシリーズの下地になっています。ちなみにこの『郡司事件』
と『幹部警察官の自殺』は、実際に道警で起きた事実に基づいているようです。



きちんとした調べもなしに殺人と覚せい剤所持の容疑者として指名手配され、果ては
「射殺命令」まで出されてしまった津久井巡査部長は、郡司警部の元部下だった。

かつて津久井とコンビを組み、命がけのおとり捜査を行った際に命を助けられて以来
津久井に全面の信頼を寄せている所轄署の佐伯警部補は、津久井の無実を信じていた。

佐伯は所轄の刑事や鑑識が現場検証をした際には覚せい剤など発見されなかった
ことや、あまりにも乱暴と思える「射殺命令」に、なにかの陰謀を感じていた。

そんな佐伯の元に指名手配中の津久井から連絡が入った。それにより、やはり津久井は
無実であること、そして『郡司事件』の内情に通じている津久井が明日の朝、道議会の
百条委員会で道警の『裏金問題』について証言することになっているという事情を知る。

『裏金問題』についての証言をさせたくない何者かが、証拠をでっちあげ、津久井を
容疑者に仕立て上げ「射殺」し口封じをしようといていると睨んだ佐伯。

翌朝までに津久井の容疑を晴らし、百条委員会の証言台に立てるようにするため、
本部に隠れて、佐伯は信頼できる数人の仲間たちと、真犯人探しの捜査をはじめる。

ところが、捜査が進むうち、なぜか様々な情報が本部に漏れていくことに気付く。
密告者は一体誰なのか?タイムリミットの翌朝までに真犯人を探し出せるのか?


「いくらなんでも射殺はないでしょ」「たった半日で殺人犯みつけられるの?」
などと心の中でつっこみつつも、タイムリミットが翌朝という焦燥感や正体不明の
密告者の存在によって、グイグイと引っ張られてどんどんページをめくってました。

シリーズの続きを読むのが楽しみです♪





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最終更新日  2008年09月05日 01時59分15秒
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