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カテゴリ:橋本 紡
あれほど憧れ続けた兄貴の背中を追いかけて、 十八歳の夏休み、僕は何もかもを放りだして街を出た。 兄貴の残した年代物のキャデラックに免許証、 抜けるような夏空、ミニスカートにタンクトップの 謎の美女・杏子ちゃんが、旅の相棒。 個性あふれるヒッチハイカーたちとの一瞬の出会いを 繰り返しながら、僕は、ひたすら南を目指す! (新潮社HPより) 橋本紡さん。まったく知らない作家さんだったんですが 装丁に一目ボレして、思わず借りてしまいました。 軽々と東大法学部に入学し、国家一種試験をパスした 4歳上の英才の兄・修一を常に目標にしていた修二。 ところが修一は、あっさりと修二の前から消えてしまった。 目標を見失った修二は、受験の追い込みには不可欠の 塾の夏季講習を放りだし、無茶な行動に出る。 兄の残した1959年製のキャデラックに乗り込み ある場所を目指すための旅に出た―。 お兄さんから運転方法をしっかり仕込まれているとはいえ、 なんと修二くん、無免許です・・・(^_^;) といっても、グレて暴走行為をしちゃうとか、そういう 荒っぽいストーリーではありません。 スタートして早々に、一人旅に飽きてしまった修二の脳裏に 浮かんだアイデア。「そうだ、ヒッチハイカーを拾おう。 できれば女の子がいいな。可愛くて髪が長ければ最高だ」 ・・・って、なんか、能天気な感じで可愛いんですよね(笑) 幸運なことに?若くて可愛くて髪が長いという、外見的には 理想通り(だけどかなり気が強くて口が悪い)杏子と出会います。 杏子を助手席に乗せ、様々な年代のヒッチハイカー達との 出会いと別れを繰り返し、道に迷ったり喧嘩したりしながら 修二の気ままな旅は続いていきます。 修二の目指す場所はどこなのか?目的はなんなのか・・・? 若かりし頃のケビン・コスナー主演の「ファンダンゴ」 という映画がこの物語の鍵となっています。 終盤で登場する、ある町の祭りの余興「イチゴ飛ばし競技」。 冷凍したイチゴを口に含み、どれだけ遠くに飛ばせるかを 大の男達が真剣に競う様には、ちょっと笑ってしまいました♪ 全体的にのんびりまったりとした、やさしい雰囲気の作品です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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