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カテゴリ:若竹七海
十七年間勤めた警察を辞めた大道寺圭は、最後に手がけた 事件で出会った幼なじみの編集者・彦坂夏見の強引な勧めで、 本を出版する事になった。タイトルは『死んでも治らない』。 大道寺が出会ったとぼけた事件を書きつづったものだが、 その本がきっかけで、大道寺の前に次々と、まぬけな犯罪者が 現れ、事件に巻き込まれていく! “トレイシー・ローズ”と名乗るスキンヘッドの大男。 通称“お猿のジョージ”と呼ばれる、もっとも犯罪者にむかない男。 二人組の女泥棒“マーメイド”…。 ユーモアのなかに、ブラックなテイストを織り込んだ コージー・ハードボイルドの傑作、登場。 (「BOOK」データベースより) 目次 『大道寺圭の最後の事件1』 『死んでも治らない』 『大道寺圭の最後の事件2』 『猿には向かない職業』 『大道寺圭の最後の事件3』 『殺しても死なない』 『大道寺圭の最後の事件4』 『転落と崩壊』 『大道寺圭の最後の事件5』 『泥棒の逆恨み』 『大道寺圭の最後の事件6』 作品紹介文にある「まぬけな犯罪者」というのを見て コミカルな感じのストーリーを想像していたんですが ちょっと予想外なブラックさのある作品でした。 よくよく考えて見るとけっこう重い内容だったりするのに 軽いタッチで描かれているせいか、あまり重く感じません。 この作品は連作短編集で、「まぬけな犯罪者」のせいで事件に 巻き込まれてしまう主人公・大道寺圭の「現在」が描かれる 5つの短編の合間に、大道寺圭が刑事として携わった最後の事件 という「過去」の物語が細切れに挿入されています。(目次参照) なぜ「過去」の事件がぶつ切りになっているんだろう、と 不思議に思っていましたが、読み進んでいくうちに バラバラだった「現在」と「過去」が複雑に絡み合ってきて 最終的には「なるほど…」と、納得してしまう構成でした。 「コミカル」と「シニカル」のバランスの絶妙さと構成の面白さ。 若竹さんの作風がすっかりお気に入りになってしまいました。 しばらく「若竹七海祭り」が続いてしまいそうです(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年01月17日 17時51分36秒
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