その15 大いに怒る
ふつふつふつ。
と、湧いてきたのは怒りでした。
たった2泊4日、実質1泊4日の旅行でこれだけ時間を掛けさせておきながら、この出来か・・・
できないならできないと最初から言ってくれればよかったのに!
見ていた妹が言うには、試着室を出るなり怒りの大魔神に変身だったという・・・
以下店員の女の子と英語での会話が繰り広げられました。
「これ、要りません。私がオーダーしたものとは完全に違いますから。」
「そんなこと言われても困ります。」
「サイズあってるところが一箇所もないんですけど?」
「時間があれば直せるんだけど・・・」
「オーダーするときに時間がないって言いましたよね?」
「でもお金を払ってもらわないと困ります。外注に出したのですから。」
「でもこれは明らかに私が持ってきた切抜きと違いますよね?
あなたが私だったらこれにお金を払いますか?」
「(うっ・・・となりつつ)でもお金を払ってもらわないと・・・5ドル引きにします」
この服に5ドル引きって何だ?!と俄然ボルテージが上がる私。
「火に油」とはまさにこのことです。
「だぁかぁらぁ、あなた、これ外で着れます?明らかに着れませんよね?」
「日本で直したらいいじゃない?」
「日本で直したら、いくらかかるかわからんわ!!」
「でも払ってもらわないと・・・」
「じゃあ、10ドル払ってあげます。ホテルに帰る時間が迫ってるんです。でも品物は要りませんから。」
「10ドルじゃ困ります。(大体30ドルくらいの品物だったと思います。)」
初めに戻る。 (5回ほど繰り返す)
大体このような会話が20分程続いたでしょうか・・・
女の子は男の人(英語ができない)と時折ベトナム語で話しながら私と話していましたが、
突然
「もういいです。お金払わなくていいです。」
と言い出しました。
一応10ドルは払うって言ってるのに、なぜに突然無料???と思いつつ、
もう時間もなかったので、店を後にしました。
(私のコートと妹のジャケット代は払っています)
察するにあの店の主人は私がオーダーしたときにいた押しの強いおばちゃんだったんじゃないかと。
きっとあの女の子は英語ができるので雇われているバイトに過ぎなかったんじゃないかと予想します。
あのおばちゃんに勝てる気はしなかったので、その時いたのが女の子でよかったなという反面、
きっとあの子は怒られるんじゃないかなぁ・・・と気の毒な気もします。
でも、あんな酷い品物に言い値を払っていたら、あまりクレームを付けない日本人はあの店でますます舐められるんじゃないかと思うと、
半分日本人観光客代表みたいな気持ちになって、闘っていました。
私は家族以外の人とあんなに言い合い(?)になったのは、人生で初めてと言っても過言ではなく、
頭に血が上ってしまい、その後は頭痛がする始末でした。
でも正当な主張(だと思う)を通すことができたのは、清々しくもあり。
何はともあれ、ものすごく疲れましたね・・・
妹に、「totokinaちゃん、英語うまいね」と妙に感心されました。
怒りで、脳がいつも以上のパワーを出しているのか、
確かに、なぜか普段よりもすらすらと英語が口をついて出てきました。
喜んでいいのかしらん・・・・