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飛び石祝日の木曜日、相方殿は出かけていて、夕方まで惰眠を貪った私。 空きっ腹を抱えて、駅の近くのカフェに出掛けた。 期間限定のホットチョコレートとフロランタンでカフェタイム。 やっぱりカフェでは本でしょ。 ということで広げたのは 「サハラ砂漠の王子様」 作者が大学4年生の時就職が決まった後、1月から3月までヨーロッパとモロッコを旅する。 この本はその前編らしい。 (ということが読み終わってから分かった。) 途中まで読んで帰宅し、夕食後に何気なくまた本を開き・・・ そのまま最後まで読んでしまった。 日本人の男の子を旅の道連れにサハラ砂漠近くの町に向かうてるこさん(著者)。 バスの中でスペイン人のかっこいい青年ミケルに出会う。 3人は徒歩でサハラ砂漠を渡ることにする(!!) 雨の砂漠で過ごした一晩はとても過酷だった。 てるこさんは身体を張って守ってくれたミケルに「愛おしさ」を覚える。 そして、ミケルも同じ気持ちだった・・・ という、なんともドラマチックな展開だった。 それまでは勇気があって、無謀で、フレンドリーなてるこさんにワクワク、ハラハラしながら読んでいたんだけど、 急になんとも甘酸っぱい展開に。 そして思い出す、甘酸っぱい記憶・・・ 思い出すのは、I国留学の最初の1週間。 学校に凄く素敵なスペイン人がいた。 茶色の髪にハンチング、青い目。 見た目も物腰も本当に格好良くて、私が想像してた「素敵なヨーロッパ人」そのもの。 私だけじゃなく、日本人女子全員が彼を見ると目がハート・・・ でも、悲しいことに私は中級クラス、彼は上級クラス。 話す機会はほとんどなかった。 しかも、彼は新しいバイトが見つからなければ来週にはスペインに帰るという。 金曜の夜、学校の生徒全員でパブに行くことになり、近くのスーパーの前で待ち合わせた。 スーパーからパブへと歩く5分位の間、私はなぜか彼と2人並んで歩いた。 薄暗い街灯に照らされた彼の彫りの深い横顔をよく覚えている。 ”Did you have dinner?” 何とも素っ頓狂な私の問いに彼は優しく微笑んで答える。 ”Yes” ”What did you have?" ”Pasta.” ”What kind of pasta did you have?”・・・・ なんでパスタネタをそんなに引っ張るのかと、当時の自分を小半刻程問い詰めたい。 でも仕方ない。 私の英語力は無きに等しく、彼の横顔はひどく素敵だったのだ。 パブでも彼の近くの席をゲットすることができ、楽しい時間が続いた。 あの英語力で、騒がしいパブで何を話したんだろうと思うけど、何はともあれ会話は成立していた。 「明日お茶しようか?」 彼が突然そう言った時、私は聞き間違いだと思った。 でも数度聞き返すと、やっぱりそう言っている。 一瞬のうちに頭の中をいろんなことが駆け回る。 「これは2人でというお誘いなのか?」 「ペラペラな彼が私と喋って楽しいのか?」 臆病者の私は、上ずった声で言った。 「んじゃ、K(日本人の女の子)も誘ってみるね!」 「じゃあ、Mも誘おうか?」 次の日、4人でお茶をした。 何を話したのかは全く覚えていないけど、 彼がレディーファーストで開けてくれたドアをなかなか先に通ろうとしなかった私に、 「君が通らないと僕もいつまでも通れないよ。」 と笑ったこと、 彼の頼んだマフィンを「おいしそう」と言ったら、 「Try it!」と一口くれたときに彼と指先が触れ合ったこと。 それだけ、覚えている。 何とも、極上なときめきであったものよ・・・ 結局次の週に彼はスペインに帰ってしまい、それっきり会うこともなかったんだけど、 私のI国留学の中で一番素敵な思い出は下手したら彼のいた1週間である。 残りの51週は何だったんだろうか・・・ さて、「サハラ砂漠の王子様」に戻ると、 てるこさんはミケルの「一緒にスペインに来ないか?」という誘いを悲しみに苛まれつつ、断る。 だって、てるこさんは日本に彼氏が、ミケルにはスペインに彼女がいたから。 「なんだよ~行っちゃえばよかったのにぃ」 と私は布団の上で身悶えしたが、きっとてるこさんが正しいのだ。 もしその時一緒に付いて行っていたら、ミケルとのことは綺麗な思い出ではなくなってしまうかもしれない。 そして、てるこさんはその後も素敵な旅を本一冊分(後編)続けるのだ。 私の場合、彼と私の間にはてるこさんとミケルのような素敵な気持ちはなかったけど、 思い出すと乙女に戻ってしまうような思い出をくれた彼にはやっぱり感謝したい。 ただ、あのとき私がKを誘おうと言い出さなければ、二人でお茶出来たのかは私の人生永遠の謎なのである・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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