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虎っど歳時記

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虎っど歳時記

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2016.08.29
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カテゴリ:ニュース
ある本に、こんな詩の一節がある。

大切な人に気づかない僕がいた。
家族だから、友達だからって、
必ず明日会える訳じゃない。
大切な人に気づかない僕がいた。
もう二度と会えないとわかっていたなら、
何を僕はしただろう。


 アーモンドを気管に詰まらせる誤嚥(ごえん)により3年半前に10歳で亡くなった桜井みのりちゃんを思って、姉のちひろさん(17)がつづった。父親の会社員紀彦さん(47)が娘の生きた証しを残したいとまとめた本「みのり」に収められている。

 事故が起きたのは2012年の暮れ。さいたま市の自宅で家族の忘年会をした後、当時小学4年だったみのりちゃんは、中学1年だったちひろさんとお菓子を食べながらゲームをしていた。みのりちゃんがアーモンドを口に入れた後にせき込み、しばらくしてけいれんし始めた。ちひろさんが泣きながら近所に助けを求め、救急車を呼んだ。

 買い物に出ていた紀彦さんと妻の知佳子さん(49)が帰宅すると、すでに救急車が到着していた。みのりちゃんはあえぎながらも自分の名前を言えた。知佳子さんの声がけにうなずく姿に「大丈夫」と思ったという。だが、みのりちゃんは病院でまもなく脳死状態になり、約3カ月後の13年3月25日に亡くなった。

 忘年会のお菓子の中にアーモンドが入っていた。アーモンドが水分を吸って大きくなり、気管にちょうどはまったらしい。

 紀彦さんは言う。「人の死は2度ある、と友人に言われた。1度目は生命の死。覚えてくれる人がいなくなったときが2度目だと。みのりに何が起こったのか、どんな子だったのか、覚えておいてもらいたくて本をつくった」(朝日新聞編集委員・大久保真紀)

胸が痛みます。





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Last updated  2016.08.29 16:03:42
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